◆ 町工場の衰退◆
大阪の東大阪や東京の大田区には町工場が集積している。
しかし、今では最盛期の半分以下の工場しか残っていない。
それも後継者がいない状況で今のままでは技術の伝承が出来ない。
多くの工場は営業力もなくただ今までの取引先の仕事だけに頼っていた。
取引先の下請け的な仕事ばかりで技術力があっても自立出来てなかった。
そこに目を付けたのがキャディと言う会社である。
本物の技術力のある会社を約600社とのマッッチングをしてその技術力をいかした他業種での取引を拡大のお手伝いをしている。
モノづくり日本の復活を図って奮闘している素晴らしい会社である。
キャディの加藤社長は東大を出てマッキンゼーを経て26歳で独立をした。
加藤社長の素晴らしさは、より多くの人を幸せにしたいという理念があることです。
ポテンシャルがあるのにそれが活かされていない企業を救い世界に日本のモノづくりの素晴らしさを伝えたいと言う。
中小企業経営者を見ていると本当にちょっとしたことで会社は大きく改善されます。
3年前に電車に飛び組むのではと思うほど思いつめた社長が今では儲かってしょうがない状態になっている。
経営の考え方ひとつで会社は大きく改善するものです。
町工場の衰退も何が原因でそうなったかを検証していくと改善策は見えてくる。
コロナ禍でしんどくなった企業は原因はコロナだけでなくそもそも他にもあったのはないかと思う。
そこを掘り下げて解明していけば将来にも光が差していくはずです。
窮地に陥った時こそその企業の真価が問われる。
◆後継者教育◆
後継者教育は非常に難しい。
親子関係の場合には特に難しい。
一番の問題点は実力ないのに後継者特権で息子が色々な責任業務をしている。
それを見ている社員は、冷めた目で口に出さないがあら捜しをしている。
自分たちの方が長く勤め会社に貢献してきたのに何も出来ない息子が偉そうに仕切っているといい気分ではない筈です。
親は後継者に厳しく怒ることもしない。
家庭では母親が息子を溺愛しているから親父が叱れないケースが多い。
いくら高学歴であっても現場経験がなく会社のことをわかっていないし、社員とのコミュニケーションも取れていない。
そのような現状で理論ばかり並べられると何を言っているんだと反発を食らう。
私も二代目でしたから入社当時は勘違いしていた。
誰もが後継者扱いしてくれて気分が良く舞い上がっていた。
しかし、親父だけは社員の誰よりも厳しく血がつながっていないのかと思えるほど毎日怒りまくっていた。
怒りだすと2時間は当たり前。
それも毎日社長室に呼ばれ同じことを説教される。
「そんなお前がいるから会社を潰す」とパワハラ全開で責め立ててくる。
あまりにも理不尽なことを言うので反発したこともありました。
しかし私は親父より実力が無いので白旗を上げてしまった。
早く親父を乗り越え見返してやるとの気持ちで仕事の鬼となって働いていた。
二度と同じ過ちをしないと誓い、貪欲に仕事を覚えていきました。
飲食店も多く経営しており業績の悪いところをわざわざ担当させられた。
40年ぐらい前の時代ですから夜の飲食店で働く人は一癖も二癖もある人が多くなかなか思うように動いてくれなかった。
改革をしようと動くと総スカンを食らって対立関係になってしまった。
誰も居なくなってもいいと腹をくくって断行していた。
若いやる気のある人とは気が合うようになり店の売上も急上昇していった。
その当時の現場での経験で様々な人の使い方を学べた。
経験から学んだことは大きい。
後継者教育はいかに多くの挫折を味わせて大きく育てるかが大切です。
店を作るときもビルを建てる時も自分の意見を押し通し独りよがりになると失敗することを学んだ。
いかに多くの人を巻き込んで経験ある人から学びその上で決断を下すことが賢明なやり方だと学んだ。
営業だけでなく資金繰りや資金調達もやらされていたので数字が読めるようになり後々に助かった。
営業でも財務でも明るくないと後継者として中小企業では適任とは言えない。
いつも言うことは、社長が元気な間に後継者には一杯失敗させて挫折感を味わせるのが後継者教育だと言っている。
失敗しないとわからないことが多い。
◆ 人材の多様化◆
人の価値観が多様化し働くことに対する考え方も多様化している。
趣味が一番でキチンと休みが欲しい人もいる。
給与はそこそこで残業をしたくないと考える人もいる。
責任ある立場になりたくない。
仕事はするが上昇志向ではない人もいる。
ガンガン仕事して自分の才能を開花させ可能性を追い求めて上昇志向の人もいる。
独立志向が強くステップアップして独立したいと考えている人もいます。
価値観は様々です。
日本の高度成長時代はまだまだ貧しい日本で欲しいものが一杯あり、多様性という考えはなく画一的な考えが多かった。
ブームがあるとみんながそれを追いかけていた。
アイドルもたくさんはおらず国民的スターがいた。
人類が進化すると人間は中性化していくらしい。
だから男だからとか女だからとかいう概念が無くなっていっているそうだ。
企業も多様性を認めそれに合った働き方を選択できるようにしないと雇用も出来なくなる時代である。
画一化が当てはまらない。
企業も多様性を認めた企業戦略をしないと間違ったマーケティングになる。
総じて論議出来ないのでとても難しい時代ではある。
だからこそAIなどIT化が必要になってくるのだろう。
多様化の時代だからこそ大きなチャンスが訪れる。
面倒な時代と思わないことです。
◆ 20代に託す企業◆
20代に社員に重要な事業を託し上手くいっている企業も多い。
IT化が劇的に進み年齢と共に取り残されていく世代はもう付いていけないと嘆いている中小企業経営者も多いと思います。
経験を重ねることが何よりも強い武器になる時代は去って行ったような気がする。
新しい取り組みをしなければ生き残れなくなった時代で前例はもう化石となってしまった。
固定概念で凝り固まった経営者は常識をぶち破り新しい発想など湧いてくるはずがない。
最近の若い世代は非常に真面目です。
勉強も熱心ですから私たちの時代と違うなと思うことが多い。
本当に優秀な人が多い。
押しつけや不条理なことは受け入れてくれないですが、理解し納得できることは非常に前向きに取り組みます。
中小企業経営者がいかに若い世代を上手く使えるかが会社の将来が決まるような時代だ。
三井物産など上場大手企業が20代を頼りに新規事業を推し進めている。
大手企業に居て20代に自分の考えで新規案件を進められることなど昔では考えられなかった。
中小経営者も同じで若い世代の能力を最大限発揮させるためにどうすればいいかを真剣に考えていく必要がある。
◆チャンスは呼び込む◆
チャンスはいくら待っても向こうからはやってこない。
チャンスは呼び込むものです。
受け身の経営をしていると良い情報も入ってこないし、現状維持しか出来なくなる。
現状維持と言っても経営の視点からでは衰退しかない状態である。
経営は生き物だから維持することは出来ない。
成長を続けないと退化していくしかない。
ちょっとしたことがキッカケで会社が大きくなった経営者は非常に多い。
それはチャンスを呼び込みチャンスを成功に結びつけている。
プロ野球の世界を見ていると非常によくわかる。
有能な若者がドンドン出てくる。
レギュラーの人は負けないように必死になる。
若手に追い越されてレギュラーの地位をはく奪される人もいる。
鳴り物入りでプロ入りしても世の中に出てこない人もいる。
プロ入りしたからにはそれぞれ才能は持っている筈です。
チャンスをつかめる人とチャンスをつかめない人では頭の使い方が違うと言う。
自分がプロで勝ち抜くには何が必要でどういう組み立てをして勝負しないといけないかを分かっていないといけない。
いくら速い球を投げてもいくら遠くに飛ばす能力があっても活かされなければ意味がない。
大リーグの大谷選手はどうすればバッターで成功するかそのためにはどう鍛えてどの球を打ては良いかを考えている。
大谷投手としてはどんなフォームで投げどういう球を投げないといけないか頭で考えて組み立てて成功を呼び込んでいる。
成功する人はチャンスを成功に結び付ける思考回路が確立している。
だから大成功するのだ。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆ トップの洞察力◆
プロ野球のパリーグはオリックスが25年ぶりに優勝した。
オリックスが強かったのはイチローがアメリカ大リーグに行く前オリックスに在籍していたころである。
そのころというのは私の地元神戸で阪神淡路大震災があり、オリックスの活躍が市民の励みになった記憶があります。
東北の大震災の時に楽天が優勝したのと一緒です。
スポーツは感動を呼び、人を元気にするものです。
イチローがアメリカに渡ってからオリックスはずっと低迷していた。
今年は二軍監督をしていた中嶋監督が指揮をとった。
中嶋監督の現役時代はキャッチャーをして息の長い選手でした。
阪急(オリックス)そして西武や日本ハムにも在籍していた。かなりの苦労人でもある。
二軍監督から一軍監督になって今まで無名だった杉本選手を4番に据えた。
30歳の選手を二軍から一軍に引き上げてホームラン王に育てた。
普通30歳で二軍にいる選手はそろそろ首になるかもしれない微妙なところに置かれた選手です。
しかし、才能を認め育てあげ一軍で大活躍した。
目利きと育てる能力に長けているのでしょう。
その他高校2年目の選手を二軍で育て一軍のレギュラーにした。
宮地投手は先発で大活躍し、内野手の紅林選手も開花してレギュラーを勝ち得た。
二軍監督時代に才能を見出し育てた選手が活躍し優勝した。
中嶋監督はいつも選手を見ている。
悩んでいる時には必ず気付いて声を掛けてくれるそうです。
中小企業でもなかなか人が育たないと悩んでいる経営者がいます。
常に見ているのでしょうか。
磨けば光り輝く人材を見抜けていないのかも。
経営者は洞察力がとても大切である。
大切な社員を見て育てる器量が求められる。
中嶋監督のインタビューが印象的でした。
監督業はもうやめたい。
こんなにしんどい稼業だと思わなかった。
こんな仕事長く続けたら身体がつぶれてしまうと言っていた。
社長業も本来そういうものです。
辛い苦しい身も心もボロボロになるのが普通です。
余裕があると言うのは気を抜いている証拠かもしれません。
それ程トップ業はしんどい稼業です
◆「個」の共感◆
中小企業経営者は人の問題で悩む。
昭和の時代の様に頭ごなしで命令しても誰も言うことを聞かない。
パワハラ問題もありどこまで言えばいいのか迷ってしまっている社長もいる。
社長にしたら目標数字を何とか達成したいから担当者の数字が悪いと理路整然と責めてどうしてだと詰め寄ってしまう。
そうすると精神的に不安定になり休んだり、やめてしまったり鬱になってしまうケースがある。
どう対応していいか悩んでいる社長も居る。
真面目な社長ほど悩んでいる。
しかし地域のイベントなどを自社で行うときにはイキイキとしている。
何故かわからないと社長は悩んでいた。
それは社長が社員に逃げ道を与えず、結果がすべてだと決めつけているからだ。
社員はそうなると本当の気持ちを心開いて打ち明けない。
数字が出来なかった原因が会社に無かったかを社長や会社側は考えない。
すべて責任を押し付けている。
会社は「個」の力から「共感」の連鎖が始まり一体感の力になる。
「個」が活かされない限りその実現は出来ない。
数字目標がすべてでなく一番大切なことはお客様に喜ばれているかの検証が大事である。
お客様から理解して納得して頂かないと売上にはならない。
そのためのアプローチの仕方のどこが悪かったかを一緒に見出すことが「個」の力となる。
「共感」し合えることが一体感を生む。
組織論が色々言われるが「個」の力が「共感」の連鎖で強靭な一体感を生めば素晴らしい組織になる。
「個」を潰してはいけない。
◆ ポストコロナの中小支援◆
国内の投資会社やファンドが、新型コロナで経営難に陥った飲食企業の再生支援に乗り出す。
これは良い報道のように映るが、実際は全く違う。
飲食業が多く傷んでいるので、それに目を付けた投資会社やファンドが再生ファンドを立ち上げて弱った飲食チェーンの債権を安く買い取り債権債務処理をして余力のある会社に転売する仕組みである。
バブル崩壊の時に外資がタダ同然のお金で不動産やゴルフ場を買い取り転売して大儲けした仕組みと同じである。
金融機関は債権債務処理し、損金処理が出来るのでメリットがある。
ファンドなどにも出資したり利益を稼げるので銀行もメリットが大きい。
これでは地域の特性が無くなりどこに行っても同じ顔をした街並みに益々なってしまう。
昔は地域ならではの街の顔があった。
目抜き通りに行くと今ではどこの街か分からなくなってきた。
これが地域創生と言うのかと悲しくなる時があります。
地方の金融機関は地元愛があり地域を盛り上げたいならもう少し違う再生のやり方を考えていくべきだ。
自分たち金融機関だの保身に走るのではなく公共性があるのだから地域を良くするために汗を流してほしい。
一律の再生スキームは地方を更に衰退化してしまう。
◆ 美意識の高い日本◆
最近では化粧品売り場に男性専門の売り場がある。
男性もメークをして見た目を大切にする時代となった。
美容関係の顧問先があるが、その社長曰く、世界の中で一番美容にコマめにお金を掛けるのは日本だと言っておりました。
韓国かなと思いましたが、韓国はどちらかと言うと整形していっきに奇麗になる方法を選択する方が多い。
日本は髪やネイルなど日本の女性は気にかけて美意識が高いそうです。
韓国男性の芸能人の影響もあるようで、日本の男性も美に目覚めてきた。
コロナ禍でオンラインでの会議が多くなり自分の顔を見る機会が多くなったので、気にする機会が多くなったという。
コロナ前は10代から20代が男性メークの中心でしたが30代~40代が中心になってきた。
先日大手金融機関の若手が眉を細め化粧をしていた。お堅い金融機関で衝撃的でした。
もう昔はこうだったとかこうあるべきだと言う固定概念を捨てないと時代に取り残されていく。
経営者も時代を受け入れないと会社も取り残されていく。
何でも受け入れて幅を持たないといけない。
固定観念は経営の邪魔である。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆ 価格高騰◆
コロナによって様々な影響が出ている。
建築関係なら木材が手に入らない。
そのために建売業者が困っている。
便器や給湯器なども不足して引き渡しが出来ない現象が起きている。
半導体不足が様々な業種に影響している。
ベトナムは当初コロナ感染者が少ない非常に安全な国であったのが、今ではロックダウンするほど感染者が増えて向上などが生産ストップして困っている企業が多い。
中国からベトナムに生産を移転したところは今では部品などが調達できない。
友人の会社がベトナムに工場を持っているが生産が追い付かないので、ベトナムの職員が泊まり込みで生産を続けてくれていると語っていた。
今の日本じゃ考えられないことで涙が出ると感謝していると。特別ボーナスを払うと言っていた。
運送業はガソリンが高騰し採算が合わないが走っている状況である。
元々運送業の値段は安く粗利が少ないので、燃料費の高騰は直撃である。
物流は非常に大切な業務なのにこのままでは人が集まらないとその社長は嘆いていた。
道路事情が分からないから外国人雇用が難しいと言っていた。
いつ何が起こるかわからない状況で会社経営をすることは大変である。
問題が生じた時にどう対処するかで将来が決まる。
コロナ感染者が少なくなり緊急事態宣言が解除され経済が動き出したときに色々な問題が生じている。
これからが社長の手腕次第である。
社長の力量が試される時代が訪れる。
選ばれる会社・選ばれる商品・選ばれるサービスしか残れない時代になってきた。
◆戦略と戦術◆
戦略と戦術は全く異質なものである。
戦略と戦術の意味を間違っているから不成功に終わることがある。
戦略とは目標を達成するものである。
戦術は戦略を遂行するものである。
戦略は何をやるかを決める。
戦術は戦略で決めたことをどうやるかを決めることである。
戦略の何を決めるかは、経営者が決めるのである。
戦術のどうやるかは現場の人間が決めて遂行する。
戦略で大切なのは、敵のいないブルーオーシャンが基本である。
戦術は敵と戦うわけであるから敵を知ってから戦う必要がある。
ただ戦をしても意味がないし、勝ち目がない戦になる。
戦略の過ちは取り返しがつかない。
いくら戦術を高めても勝ち目はない。
体力のない中小企業では経営者の判断ミスで戦略を間違うと命取りになる。
だから中小企業は経営者次第である。
◆ コロナ後の銀行対応◆
コロナの感染者が激減してきた。
緊急事態宣言が解除され経済が本格的に動き出した。
しかし、コロナ前に戻るまで時間が要する会社も多い。
売上が戻らない会社も多い。
コロナ感染者が多い時は銀行も厳しいことは言わない。
しょうがないですねと同情気味に接してくれる。
ところが落ち着いてくると銀行としてはそうは言ってられない。
段々と厳しく対応してくる。
来年夏の参議院選挙までは政府も選挙対策として中小企業支援策を打ち立ててくるでしょう。しかし、その後は変わるだろう。
中小企業が日本の生産性が低い原因だと考えているから淘汰してもしょうがないと言う政策を遂行していくはずです。
コロナ禍のように簡単に借入が出来た超金融緩和策は終了し借入も難しい時代に突入する。
利益が出て将来性のある企業は支援をしていくだろうが利益も出ておらず将来性もないと判断されると
支援も得られないだろう。
あれだけ支援したのだからこれ以上は出来ないと言う対応になるでしょう。
銀行が将来の不良債権のために備えつつあるのは事実である。
銀行の支援を得られるように早く利益が出る体質に構造改革しておく必要がある。
企業は利益が出ないと存在意義はなくなる。
会社が存在して継続するためにも利益を出すことが絶対的な条件である。
◆ チェンジアズチャンス◆
商売と言うのは必ず時代に沿った旬がある。
旬が過ぎれば廃れていくしかない。
同じものをいつまでも同じやり方でやり続けるのは到底無理である。
昔レンタルビデオ屋は大流行りの時代があった。
その代表的なのがTSUTAYAで業界2位だったのがゲオであった。
しかし時代と共にネットに移行していきレンタルビデオは衰退していった。
TSUTAYAはTポイントカード事業で事業を拡大していった。
ゲオはリユース事業つまり中古品の売買で業界1位になって逆境を乗り越えてきた。
商売と言うのは行き詰った時にどう考え行動するかが企業の行く末を決定づける。
ブームは必ず去る。
そこを理解しておかないと乗り切れなくなる。
変わることこそチャンスが訪れる。
変わらないとチャンスなんて来ない。
コロナ禍で変われるかだ。
時代が急激に進んだことを肌で感じているのに何もしないでいるとチャンスなんて来るはずがない。
お客様の声に大きなヒントがある。
だからこそ現場を見ていないと目の前のチャンスを見逃してしまう。
社長が大名行列のように現場視察をしている会社がある。
それでは何も見えない。
こっそりそっと現場を見ないと真実は見ないものだ。
◆受け身の社員から変える◆
最近多くの経営者から社員が言われたことしかしないと悩んでいる話を聞きます。
それには時代背景と社内の構造に問題がある。
ドン・キホーテグループがスーパーのユニーを買収して2019年4月に関口社長が就任以来劇的に業績が改善している。
トップが変われば会社も変わる典型である。
ユニーの営業利益が16年は2%だったが、20年には6%と大きく改善している。
大きな要因はトップダウンと年功序列をやめたことである。
今までは本社の指示に現場がいかに忠実に行いその監督能力が高い人材が評価されていた。
今の評価はプレイングマネージャーです。
単に命令するのではなく指示の本質を理解してもらい共感して一緒に考えてもらえる組織に変えていった。
そうすると今まで評価されなかった人が評価されるようになった。
そのために社長はとにかく社員との意見交換を頻繁に行った。
『どう思う』と問いかけ意見を吸い上げてきた。その地道な努力が実を結びだしてきた。
現場に権限を与え意識改革を行う必要がある。
ドンキもそれぞれの店で独自色を出して運営されている。
全体統治でなく個店の経営を大切にしている。
多様化の時代には一律と言う言葉は死語になっている。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆ 二極化◆
コロナ禍で消費の二極化が加速しているようだ。
1つは、所得の二極化がある。
株価も上昇し、収入が増えた人と給与が下がったり、残業が減ったりして収入が減った人もいる。
コロナ禍で外出しないので、消費をしなくなった分各家庭の預金が増えている。
コロナ禍でありながら高額な商品が売れている。
高級時計や絵画など百貨店でも売り上げを伸ばしている。
2020年のクリスマス商戦でも3万円が主流だったダイヤモンドも5万が主流になっている。
高くても売れる商品は化粧品や宝飾品だけではなく食品関係も同様である。
健康に即したものやモスバーガーの様に通常より200円高いのに限定商品が220万個売れたりしている。
ニッチだから売れないかもしれないと恐れて値上げが出来ない商品はたくさんある。
ニッチであるからこそ付加価値が高いという戦略でリスクを恐れず果敢に攻めている所は成功を収めている。
消費の二極化で消費動向が変化している。
世の中の動きを肌で感じて商売をしないと成功を収めることは出来ない。
経営者にも『感性』が大切である。
◆会社の構造改革◆
コロナ禍で会社の構造改革を推し進めようとしているが、上手くいっていない企業が多い。
それは誰もが変えることに違和感を感じて抵抗するからです。
歴史の長い会社ほどその傾向が強い。
会社の規模や財務状態によって出来ることと出来ないことがある。
出来ないことも工夫次第でシステム開発費を投入しないでも出来ることはある。
それは社長の力量次第である。
ある地方の旅館ではお客様のチェックアウト状況を部屋に何度も往復してフロントとやり取りをしていた。
システムを構築すれば出来るが予算がなくて考え抜いた結果タブレットを使いLINEでやり取りすることに変えた。
生産性の向上を図るために社員だけでは前に進まない。
社長が入り込んでどこがおかしいとかこれを何とか出来ないかなど具体的なことを身をもって解決していかないと進まない。
何故なら社員は責任を被って進めることは初めから絶対にしないからだ。
業務の効率化を図ることがとても重要なことである。
そんなことは出来ないと思い込んで仕事を継承しているから前に進まないのは当たり前である。
その時にその仕事は何の為にしているのかを明確化する必要がある。
その仕事をする理由が不明瞭ならする必要がない仕事である。
中小企業なら自分の仕事をやればいいのではなく一人何役もこなせないと業務の効率化なんて出来ない。
その反発は大きいと思いますが、そこを乗り越えていけば風通しの良い社風に変わって行く。
業務効率が上がって何か良いことがないと意味がない。
休日が増えて給与が上がらないと社員もやる気が出なくなる。
会社の構造改革は、社長の本気度がどのくらいあるかにかかっている。
◆ 老舗企業からの脱皮◆
多くの老舗企業の相談を受けるが、一番の問題は守るものと捨てるものとの取捨選択が出来るかである。
伝統を守らないといけないとかこのやり方を踏襲しないといけないとか考え方が凝り固まって身動きが取れない状況になっている老舗企業が非常に多い。
何を残すかを考えるべきである。
愛媛県の人口3万人の小さな東温市に大正8年創業の老舗黒板メーカーがある。
その4代目社長である坂和社長は老舗の看板を下ろし斬新的な発想で次世代の黒板を作り上げて事業を伸ばしている。
私の世代の黒板と言うとチョークで書かれた黒板を思い出します。
黒板の文字を消すときに白い粉が目と喉に入り気分が悪くなった記憶がある。
授業中に話をしているとチョークが飛んできた怖い先生もいました。
いい思い出は少ない。
黒板を奇麗に消すのも一苦労な時代でした。
その社長がこの会社に入社したら古参の社員からは嫌われていた。
普通にしていたら古参社員から評価されないと思いがむしゃらに働いたそうです。
私も親父の会社に入社した時に古参の社員から誰のお陰で大学に行けたと思うんだと色々嫌がらせをされました。
だから、見返してやろうと必死に仕事を覚えて見返してやろうと思いました。
坂和社長は黒板と言う古臭い事業に限界を感じて『これはヤバい』と感じていた。
変化を嫌う社風に危機感を覚えていた。
黒板を販売しつつ新たな事業を、そして、利益を生む事業を何とかしたいと思い、ハイブリット黒板『コクリ(kocri)』と言うアプリの開発を行った。
アプリを使い黒板に書かなくてもよいので時間短縮になり先生も生徒もスマホあれば使える便利なツールになった。
コロナ禍で厳しい時代だからこそ人は追い込まれるとすごい閃きと発想が浮かぶものです。
是非自社の経営資源を見つめ直し新しい発想で新規事業を展開しアフターコロナを生き抜いてほしい。
それが社長の思いですぐに出来るのが中小企業の強みです。
◆ 土着性と中小企業◆
日本の伝統工芸は崩壊状態になりつつある。
よく百貨店の催しで日本の伝統工芸市が開催されている。
見に行くと素晴らしい日本の職人技が光る商品が並べてある。
勿体ないと、いつも思うことがある。
こうすればもっと売れるのにと違う角度で見てしまう。
職人だから技を磨いて良いものを作りたいと一生懸命ではある。
しかし時代にマッチしていないので売れていないところが多い。
そんな中で奈良に中川政七商店と言う元々絹を扱う問屋だった店がある。
十三代目の社長が老舗に胡坐をかくことなくセンスある時代にマッチしたオリジナル商品を拡充していった。
高いけど納得できる今までにはない商品で女性客を虜にしている。
2013年には東京に進出し大成功を収めている。
全国の伝統工芸を元気にするために自社の成功例から伝授し多くの伝統工芸会社を復活させている。
中小企業は地元に愛され地元の文化を発信して常にアップデートしていないと取り残されてしまう。
携帯にアプリでも日々アップデートされている様に企業も日々進化してアップデートしないと
生きていけない。
老舗会社ほど苦しんでいる。それは変えられないからだ。
変化こそ怖いものはない。
しかし変わらないのは死滅を意味する。
そこには社長の勇気と覚悟しかない。
コロナから新たなステージに行くのに迷って動けなくなっている社長もいる。
今のまま維持し衰退していくのを遅らせて防戦一方の守りの姿勢を貫き通している会社もある。
いつか死滅する時がくる。
あるいは勇気と覚悟をもって大変だが変化を試み明るい未来を目指すかは社長次第である。
◆コロナ後の経営◆
今まではコロナ融資で資金繰りも困ることなく補助金や給付金などで凌いできた中小企業も多い。
営業利益はマイナスだから補助金や給付金が無くなると赤字経営に突入してしまう。
その赤字で毎月キャッシュアウトし、ボディブロ-のように効いてきてくる。
資金が枯渇すると中小企業は前向きな経営が出来なくなる。
銀行に責め立てられて経費削減・人員削減など内向きな経営しか出来なくなる。
こうなると復活するためのエネルギーが無くなりただ耐え忍び生きていくしか道はない。
最終的には銀行が倒産の準備が出来るとその方向に持っていかれる。
そうならないために今のうちに営業利益が出る経営に舵を切っておく必要がある。
コロナで必要な人材と不要な人材の色分けが出来たという経営者が多い。
今こそ必要な人材で第二創業に転換すべきだ。
それが出来ないようでは会社の将来は危うい。
顧問先にいつも言うのですが、悪玉菌の社員がいると善玉菌の社員も食い荒らし悪玉菌にしてしまう。
だから会社に悪玉菌を繁殖させない経営をしないと恐ろしい結果になる。
まだ銀行はコロナの影響で好意的に見てくれます。
来年になるとそうはいかなくなる。
だからこそ今のうちに構造改革し利益が出るように転換しておく必要がある。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆ 第二創業とは◆
新型コロナで既存の事業が時代にマッチしなくなり悩む経営者も多い。
今までのビジネスモデル商売が行き詰ってしまっている業界も非常に多い。
インバウンド頼りだった企業はコロナ禍で大変な思いをされている。
いつまで我慢したらいいのかと悩み多き日々を過ごされている。
もう2年も経って先行きが見えないようでは諦めてしまう経営者も多い。
創業の精神は大切ですが、時代と共に変化し続けないと時代に取り残されてしまう。
インターネットが普及して大きく世の中が変わったが、それ以上に今の第4次産業革命は変化が速くて戸惑っている経営者も多い。
企業は発展していくからこそ存在意義がある。
いつまでも同じものを同じように売っていては限界が訪れる。
企業の維持は後退の象徴である。
企業もアップデートし続けなければやっていけなくなる。
そのためには経営者もアップデートしないと生き残っていけない。
無印商品は元々西武流通グループだった。
当初はノーブランドの安い商品を扱っているイメージだった。
今では東南アジアではブランド力のある会社に変貌している。
生活雑貨などが主流でしたが、衣食住の食を新たな成長戦略にし企業理念の再定義を行っている。
このように変革の時代には、今までのすべての事業を見直し、何で成長させるかを決めて成長戦略を立てる必要がある。
無印商品は2030年に売上を3兆円にし営業利益が4500億に引き上げる計画でいる。
セブンイレブン規模となり、ユニクロを凌ぐ規模になる。
日常生活の衣食住の基本を担う存在になろうとしている。
中小企業も一緒で何を目指すかを明確にしないと社員一同結束して目標に向かうことが出来ない。
今こそ経営者の力量が問われる時代である。
勝ち抜くしか生きる道はない。第二創業時代の始まりである。
◆家族主義と中小企業◆
コロナ禍で多くの中小企業は売り上げ低迷し苦しんでいる。
そんな中でよく聞くことは従業員が社長の思うように働いてくれないと言う不満を聞くことが多い。
社長にすれば売上を上げたい利益を増やしたい思いが強い。
それを直接的に言うと反発を買う。
中小企業で成果主義を取り入れて上手くいくことは非常に少ない。
何故なら、成果主義にすると自分のことだけ考え会社や他の人への思いやりなどが全くなくなってしまう。
京都の仲卸業で万松青果があるが、仲卸業がドンドン廃業していく中快進撃を続けている。
先代から受け継いだ会社が昭和の時代の殿様商売をしていたが、時代と共に売上も低迷し倒産危機を迎えた。
どん底から這い上がり素晴らしい会社にしたのは、成果主義を止めてお客様に喜んでもらうことにこだわった会社にしたからである。
社長は従業員が喜ぶことを考え従業員はお客様に喜んでもらうことを考えるこれを徹底した結果である。
何故成功したかそれはお客様の要望を徹底して聞いて叶える努力を怠らなかったからである。
成果主義で利益ばかり求めると社員は社長の顔ばかり見る。
この会社では一日1個お客様に喜んでもらった報告を社員全員が報告することになっている。
売上は毎日公表している。
そのような経営をしていると社員が自主的に仕事を探し協力し合っていく。
だからコロナ禍でも強い。
売上が落ち込んだことから自分たちで工夫して売上を確保するためにお客様に喜んでもらう策を練って実行している。
権限を委譲することで個性的な人材が育ち他社には無い独創的な戦略を立てている。
社長はコロナ禍でもこれからの目途が付いたと確信している。
中小企業はこうでないといけない。
家族主義的な固い結束のある会社が強い。
大企業とは違う強さがないと勝てない。
◆ データ化で質の向上◆
新型コロナの感染拡大により飲食業界にモバイルオーダーやキャシュレス決済が広がった。
恐らくここ10年ぐらいで進むだろうと思っていたことが早くやってきて中小企業経営者はかなり戸惑いと焦りがある。
いち早くデジタル化に着手し顧客のデータに基づく経営を展開して成功しているのがサラダ専門店「クリスブ・サラダワークス」の宮野社長である。
飲食店は味と業態と人の要素が成功するために必要です。
インターネットが進むことでレシピも検索できるようになり簡単に美味しいものが作れるようになった。
業態もどんどん新業態が出現し飽きられてしまうのが速くなりワクワク感が無くなってきた。
残るは『人』である。
その人が接客に集中し質の向上を図るには無駄を徹底的に減らすことがとても重要になってくる。
例えば夜遅く来店したお客様に愛想よく商品を渡す店員より「こんな時間までお疲れ様です」と声をかける方がよっぽど喜んでくれる。
そのようにいかに質のいい接客が出来る環境整備が必要である。
質のいい接客が出来る人と普通の接客している人が同じ給与ではおかしいわけです。
接客を向上させるためにはテクノロジーしかなくデータ化が大切になってくる。
デパートでものを買ってもレジに時間が掛かり接客する側が接客に集中できない。
いつも思うのですがシステムにお金を投じてレジン簡素化を図り接客に集中させた方が非日常的な時間を有意義に過ごせる。
お客様に喜んでもらうためには顧客情報の把握が大切である。
この会社はモバイル注文を9割にし自社開発したアプリでデータ分析をしている。
働く人のデータ化を進めてどのように接客・作業をしていくか一人ひとりの行動をあらゆるモノがネットにつながりIOTの技術やカメラなどに取り入れてトラッキングし情報を集めることが出来るようにしないと中小企業も取り残されてしまう時代が来る。
コロナ融資を赤字でドブに捨てるのではなくこのような前向きな投資に使うことが賢明な策である。
◆発想力UP◆
優れた経営者は発想力が素晴らしい。
人が考えないようなアイデアを簡単に発想する力がある。
コロナ禍で新たな発想でビジネスモデルを考えていく必要がある。
発想力が無いと勝ち抜けないところがある。
発想力のある人と発想力の無い人と比べてどこが違うのか検証してみた。
発想力のある人は物事を疑った目で見ている。
業界に長くいるとそこでの習慣や常識に囚われて新しい発想が生まれない。
業界の常識を疑い、その発想があるから新しいビジネスが生まれる。
発想力のある人は周囲の行動や変化に対して注意深く観察している。
そこで『何故』を頭に浮かべている。
何故、そのような行動をとるのかと言った些細なことも見逃さない。
インターネットから情報を入手することが容易に出来る時代になったが、自分で体感して感じ取り生きた情報を蓄積している。
発想力のある人は、絶対に限界を決めない。
すぐに無理だと諦めるような人は新しい発想は絶対に浮かばない。
発想力のある人は、人を喜ばせたいと言う単純明快な考え方がある。
◆改善と革新◆
将来の成功を妨げる敵は、過去の成功である。
今日、上手くいったからと言って、明日上手くいくとは限らない。
これが商売の難しさである。
変化には2つある。
1つは改善である。もう1つは改革である。改善と改革では意味が違う。
改善は現状を基本としてそこに手を加えてより良いものを今まで以上のものを生み出すことである。
革新は現状否定である。
現状と異なる新しいステージで今までにないものをつくり出すことが革新である。
日々改善していくといつの間にか改革になっていくことも有り得るのである。
アフターコロナで必要なことは、改善ではなく改革しかない。
それが出来ない企業は息絶えて消えていく。そのような厳しい世界が待ち受けている。
『革新』を進めようとすると必ず抵抗勢力が存在する。
それに負けない経営者の勇気ある覚悟と決断と行動である。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆ ヒアリング力が成功の秘訣◆
経験・体験に勝るものはない。いくら本で勉強しても微妙なことは理解できない。
成功している経営者は自分が分からないことは分かるまでしつこく聞きまくっている。
社長によっては1回説明しただけで分かる筈がないことも分かったかのように質問もなしに過ぎ去る人もいます。
そういう社長は結局上手くいかず痛い目に会っている。
年下の人間にも礼を尽くして聞ける社長は知り得ない情報を手に入れている。
コロナ禍で会社を再生したいと相談に来られる人も多くいらっしゃる。
一般論を聞いて自分でしようとする。絶対に上手くいかないものです。
1回のヒアリングでわかる程簡単に出来るものではない。
再生するための手法本など色々で出回っているが、実際はそんな単純なものではない。
体験した人でないと微妙なことは分からない。経験・体験に勝るものはない。
それは人より多く失敗も成功もしているからである。
会社の規模・財務内容・業種など全く違うし、置かれている状況や時期的なことなどが違うとやることも違ってくるはずです。
それを同じように論じても上手くいはずがない。其々のスキームは変えないといけない。
だから私は会社の事情を細やかにヒアリングする。
ヒアリング力が会社を良くするために絶対的な条件である。ヒアリングしていくことで見えてくるものが必ずある。
それと同じように事業経営においても世の中の声を聞き、お客さんの声を聞き、社員の声を聞き、あらゆる情報収集をすることで見えてくることがある。
そこをしっかり出来ていない会社はどうしてもどこかで歯車が狂う。
多くの会社はお客様の声より想像して組み立てていくから失敗する。
ヒアリング力を積み重ねると会社のエネルギ―になる。
◆人を育てる原則◆
中小企業経営者の多くは、権限移譲出来る人が育っていないと訴えている。
間違ってはいけないのは、社長と同等の才能があるならその会社には居ない。独立して社長をしています。
社長より優秀な人材が来るはずがないのである。そのような人材なら社長をしている。
だから人は育ててなくてはいけない。
権限移譲は人が育ってからやるものではない。人を育てるためにやるものである。役職が人を育てることも有る。
権限移譲の原則は任せるなら、目一杯任せてしまう。
恐らく任せられた人は社長が思っているほど任せられたと思っていない。
中間報告は必ずさせるべきである。うるさく細かく頻繁に報告させるのは任せたことにならない。
軌道修正や是正措置を取るときは、絶対に質問されても指示や答えを与えない。ヒントを与えるぐらいにして自分で答えを出させることである。
任せたならその結果責任は社長であり。その任せられた部下ではない。
任せたら見放し、丸投げしてはいけない。それは権限移譲ではなく権限放棄である。
優秀だけでは後継者には向かない。周りから信頼されないといけない。
価値観が共有出来ないと後継者にしてはいけない。社員が不幸になり、後継者も不幸になる。
◆ 『楽』が勝機になる時代◆
コロナ禍で宅配サービスが脚光を浴びている。
街にはウーバーや出前館の自転車が走っているのをよく見かける。
今まではお店の料理を宅配するサービスが多かったが、コロナ禍で家食が多くなり共働きの家庭にとっては料理をする時間も減らしたい。
そんな『楽してもらう』発想で家庭料理の宅配サービスをしているANTWAYが約15億円をジャフコやKDDIのファンドから増資を受けた。
手作りの家庭料理を定期的に利用者の自宅へ届ける『つくりおき JP』を運営している。
時間を節約するだけでなく食事を楽しんでもらいたいので家で作るには手間暇かかる料理もお届けする様にしている。
会員が増えるとその販路を生かして様々な展開が出来る。そんな発想を前島社長は考えているようだ。
1つの商売を通して様々な派生事業を展開していくのが素晴らしい。
そこには必ずITを駆使したシステムがその成功を左右する時代になってきた。
◆引き算の経営◆
日本のもの作りは世界に負けない技術力があると教えられてきた私たち世代は今の日本の衰退が悔しく思う。
中国は製品が悪いからと日本製品を自負していたが今では世界第3位の経済国になってしまった。
中国製のレベルも上がり日本より良いものも作っている。
日本は完璧を求める結果あれもこれもと盛り込み過ぎて無駄なことをしている。
中国の経営者は日本は何故走り出して修正することしないで止まっているのかと聞かれたことがある。
いつの間にかIT後進国になり中国や韓国にも劣っている。そこには変化を求めない国民性があるのかもしれない。
電気自動車(EV)の大手であるイーロン・マスク経営のテスラは、スペースXの創業者である。
モノづくりに対する考え方が『いかに削るか』が一番大切だと言っている。
デザインよりエンジンが大切で、製造システムをどうするかがデザインするより100倍頑張る必要があると言う。
もしかして必要かもしれないと付け加えていくことを必死にやっているのが日本である。
結局日本は無駄なことをたくさんしているから生産性が低い。給与が高いという問題ではない。
アメリカの方が賃金は高い。日本のように500円ぐらいでランチなんて食べられない。
これと一緒で中小企業経営も無駄が多すぎる。引き算して経営していくことだ。
この業務を加えた方がいいと言う発想をすべて失くし要らないものを見つけて省く作業をすることが復活の第一歩である。
コロナで大打撃を受けた企業も引き算経営をして復活したところもある。やり方次第で復活できるのだ。
◆やってはいけない借入◆
借入出来たから万々歳と喜んでいると痛い目に会うときがくる。
特に不動産を購入する時にやってはいけない鉄則がある。
事業が順調に言っている時は全く問題ないので気付かないことが多い。
会社が永遠に成長続けるはずがない。商売とはそういうものです。
銀行がお金を貸出すときに出来るものなら家族の資産を押さえたいと考えます。
最近女性の社長も増えてきました。特に起業される方は金融に疎く銀行の思うままにやられてしまっている事が多い。
事業が上手くいきビルを購入する時に役員でもない夫が社長と共有財産とし両者で個人保証しているケースがあります。これは絶対にすべきでない。
役員ではないのだから経営責任を負う必要もない。しかし不動産の一部を共有財産にすると銀行は両者に個人保証を課します。
両者が個人保証すると万が一商売が上手くいかなかったときは両者が破産に追い込まれることにもなる。
住宅ローンは抵当権が設定されている。それ以外に第二抵当に共同担保で他の不動産と一緒に担保を設定されると事業が上手くいかなくなると住むところも無くなり追い出されるケースも考えられる。
借入金の基本は取れるものはすべて取ってやろうというスタンスだと思っていた方がいい。
お客様ファーストなんてあり得ない。恐らく長く取引しても関係ない。
お金を借りると言うことは大変なことですが、借り方によっては身を亡ぼす借り方になります。
気を付けて欲しいです。
万が一の時のことを考え借りる方法も慎重にしてほしい。
今からでもリセットする方法があるので相談してほしい。
それによっては再起できる人もいれば破産に追い込まれる人もいます。
知っているのと知らないとでは全く歩む人生が変わってしまう。
リスクヘッジしながら借入してほしい。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八