Column

経営コラム

経営のヒントや考え方、時事トピック等をお届けします
原点に戻る:メルマガ4月5日号
◆原点に戻る◆   新型コロナで事業の業績が元の状態に戻らず困っている経営者も多い。 相談者はここ10年で事業を拡げ業績も順調に伸び上手く行っている様に見えていた。 確かに売上が伸びていたが、粗利益率は毎年下がっていた。その危機的状況を気付かずひたすら売上拡大を狙ってきた。 今回の新型コロナで会社全体の売上は30%~40%減となりなかなか回復する気配がない。しかも、かなりの赤字が続いている。 コロナ融資のお陰で資金が回っているので緊迫感が会社全体にない。 相談にお見えになって次のことを聞きました。 1つ目は社長のやりたい仕事は何ですか 多岐にわたる商売をしているから何屋か全くわからない状態だった。 仕事を通して社長が成しえたいことは何なのかが全く見ない。 2つ目は色々されている事業は競合他社に比べて強みがありますか 競合他社に勝ち目はあるか全く検証せず事業を継続してきた。売上拡大のために様々な事業を拡大してきたとしか見えない。 3つ目は残したい事業の優先善意を教えてください。 同じやり方をしていて売上が回復することなどあり得ない。それなのにすべての事業をこのまま続けるのは自殺行為である。 以上の質問をすると経営者は頭の整理が出来やるべきことが見えてくる。 経営者は原点に戻って余計なものを削ぎ落し自身を見つめ直して今後の進むべき道を再構築をするときに来ている。     ◆見極める◆   コロナ禍で苦しんでいる企業経営者は多い。しかし、自社の現状を理解していない方が多い。『見極めよ』と言いたい。 御社は何で儲かっていますかと問いただしても明確な回答をされる経営者も少ない。 窮地に陥っている企業なら早々に出血を止めないといけない。それと同時に生存していくのに欠かせない会社の宝を探さないといけない。 その会社の存在意義があるのか存続できる価値を見出せるのかとても需要になってくる。 今まで倒産せずに来たわけだからそこには何か商品力があるのか販売営業力があるのか情報力・サービス力があるのか何かある筈なのである。 一番稼いでいる商品やサービスは何か 一番稼いでいる取引先はどこか 一番稼いでいる地域はどこか 一番稼いでいる販売網はどこか 一番稼いでない回答も調べてみる。 すると何で稼いできたかわかる筈だ。それ以外は『たたむ・削る・変える』の対象に属する。 中小企業で一番大切なことは粗利を稼いでこそ成り立つ。粗利の拡大が将来を決する。 個々の原価を計算して経営者はその原価通りに推移しているか見ておく。 その上で更に原価を下げる方法を現場の改革・仕入れの改革・段取りの改革・工程の改革などどんどんと進めていくべきである。 そんな細かい作業を全くしていない中小企業は非常に多い。その多くは人が居ない、時間がないとか出来ない理由を理路整然と並べる。 商売は出来ないことを出来るようにすることである。 社長にやる覚悟があるかどうかである。 ほとんどの会社は2割の商品やサービスが8割の売上になっている。 マンネリ化した会社はその実態を把握しておらずその2割の商品を極めずに新商品などに注力している。 何でも屋では通用しない時代になった。強力なリード商品を持つことが会社は強くなれ生き抜ける。何事も極めることが大切である。 下請けで苦しんできた町工場でも極めた技術力で下請けを脱していい値で仕事を受けて多くの粗利を稼いでいる会社もある。 強いのは大ヒット商品を持つのではなくマンネリと思えるくらい地道な売り上げ、ロングセラー商品を持っていることが大切である。 社長の見極める眼力が商売を左右するのである。     ◆働く意欲◆   企業によっては、社員のモチベーションが大きく違っている。 何故そんなに違うのか?それはやる気を出させる職場かやる気を失せる職場かの違いである。 働いている人たちが遣り甲斐をもって働いているかによって士気が変わってくる。 社員にとって遣り甲斐とは何かを経営者が知らないといつの間にか受け身の仕事をする人しか居なくなる。それはやらされている仕事なら遣り甲斐は一切起こらない。 仕事をしたことで自分自身が成長したと思えることが重要である。そしてそれを認める職場環境が更に成長させる。 そうして自らの目標を立てクリアする自己実現力が芽生えてくるはずである。 結果的に働く意欲のある職場環境が出来る。 環境整備が大切とよく言うが、 大切な環境整備は3つある。 1つ目は社長の頭の環境整備 2つ目は職員の心の環境整備 3つ目は仕事場の環境整備 この3つである。     ◆銀行と経営者の見る目◆   中小企業経営者の多くは、自社の資産内容を良く知らない。 会社と個人にどのような資産があり、その資産はどのような価値があるか、その資産は銀行にいくら担保設定されいくらの融資を受けて、借入金がいくら残っているか把握していない。 その資産が共同担保になっているかも把握してない事がよくある。共同担保に設定するのは銀行にとって都合がいいが会社にとって不利益であることも知らない。 大切な資産であるのにほとんど理解していないから後でしまったということがよくある。 土地建物は、各々の銀行が評価している。銀行によって評価も違う。低い評価をする銀行と高い評価する銀行と様々である。低い評価しかしない銀行は融資額も少ない。髙い評価をしているところは融資額も増える。どこの銀行と取引した方が有利かも考える必要がある。 銀行の評価はつまり市場価格(時価)よりかなり低いのが普通だ。あまりにも評価の低い銀行と取引すると会社として資産の有効利用が出来ない。 相談にお見えになった経営者は不動産の事に疎い。多くの中小企業経営者は分かってない。銀行に良いようにされている会社もある。 取引銀行に借入をしているが時価(市場価格)の6割しか貸出をされていないと4割の担保価値が無駄になっている。資産が有効に活用されていないわけだ。 取引銀行が堅い銀行ならその会社は借入が思うようにできず将来の為の新たな挑戦も出来ない。資金調達が出来ず、ただ耐え凌いでいる経営をしている。これでは発展は出来ず、死を待つだけの経営になっている。共に発展する気概のある銀行でないと取引する意味がない。 銀行は経営を分かってないから今の数字しか見ないので決算内容が悪いと将来への投資を認めようとしない。リストラ・経費削減など後ろ向きな策しか提案して来ない。だからリスケの会社が浮上しない。 悪い状況から脱して事業を好転さすには前向きな資金を用意して会社の構造改革を断行する必要がある。それが理解できないから余剰資金を回収するしか頭が無い。 売上を上げて利益を出すにはどうすればいいかを知らない。リスクもあるが目利き力がないから保身ばかり考えて何もしようとしない。 最終的には突破するには経営者のやる気度・本気度と覚悟である。 銀行を説得できるビジョンと事業計画が無いと会社の危機など乗り越えられない。     ◆サブスクの時代◆   ホワイトデーから半年後の9月14日をコスモスの日と言われている。 ホワイトデーが愛を確かめ合う記念日として『コスコスの日』としてプレゼントにコスモスを添えて交換する日となっている。 ちょうどコスモスの開花時期なのでコスモスが花屋に並ぶ。そのような日があるのも知らなかった。時代と共に習慣も変わって行く。 コロナ禍で家にいることが非常に多くなった。部屋を華やかにしたいという女性が増えたことも成功の一因でもある。 老舗の日比谷花壇で月額1000円程で毎日花がもらえるサービスがある。つまりサブスク(定額課金制)を展開して広がっている。花もサブスクが出来るんだと驚きのサービスです。サービス内容はシンプルでスタッフに受け取りに行くことを伝えQRコードが掲示されているのでそれを専用アプリで読みこめばいい。 生活様式が変わることでお客様のニーズも変わって行く。その変化に気づいて次の一手を考えないといけない。 敷居が高かった日比谷花壇はこのサービスで今まで来られなかった若い人が来店する様になった。 コロナ禍で待ちの姿勢でジッと我慢しておけば何とかなるだろうと考えている経営者なら先はない。 新しい生活様式が始まったわけだからそれに合わせた商売の形態も変えていかねばならない。 人が出来ないと思えること想像できないことを具現化したものが勝ち残れる時代である。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八  
無理な要望を叶える:メルマガ3月29日号
◆無理な要望を叶える◆   畳表市場はピーク時に比べて5分の一に縮小して止まらない。 職人の高齢化や後継者不足で廃業していく店も多い。 この厳しい環境の中社長就任してから9年で年商65億を達成したのは、TTNコーポレーションの辻野社長である。 町の畳屋の4代目である。 畳の張替えに行っていた先のファミレス担当者から夜中に畳の張替えが出来ないかと聞かれたのが、会社の転機になった。普通なら人間ならそれは職人も嫌がるので無理ですねと応える。 お店側は畳の張替えで休業しなくて済むから無理な要望を聞いてくれたらその取引先は嬉しいから深夜料金も払う。社長は自ら徹夜で仕事を受け、注文が殺到する様になった。すると嫌がっていた職人も自発的に手を貸すようになって上手く循環するようになった。 仕事は人が嫌がることをいかに率先してやるかが大きなポイントになる。 誰でもできる普通のことをしていると競争も激しく利も少ない。 お客様の無理をいかに聞くかが大きな価値を生み出す。     ◆発想の転嫁◆   『コロコロ』はどこの家庭でも使われていると思います。 便利な掃除道具『コロコロ』は国内粘着クリーナー市場でシェア50%以上を握っている。圧倒的なシェアでトップを独走している。 開発したのは工業用粘着テープの製造販売会社日東電工の子会社であるニトズムという会社である。 社運をかけて発売した粘着シートのゴキブリ捕獲棒が全く売れず大量の在庫の山となった。普通の会社ならここで廃棄処分でしょうという判断になっている。 女子社員がテープを裏返しにして服のほこりを取っていた光景を見ていた時に「粘着テープはホコリを取る画期的な掃除の道具になると」確信してコロコロを開発した。 このように事業には失敗はつきものです。その失敗を活かすことが次の発展に結び付く。柔軟な発想の転換が必要である。コロナ禍で大変な思いをされている中小企業経営者は沢山おられる。 今までと違う発想の転換を図り新たな商品やサービスをつくり出さないと売上の落ち込みはカバーできない。その為には観察力が重要な要因になる。商売のネタはちょっとしたことから発見できるものです。そのネタを見逃す人とモノに出来る人との差が大きく左右する。 だからいつどんな時も商売感覚でものを見ておく。そのセンスを磨く必要がある。修練すれば身につくものである。いつもお客様の立場で見ていることが大切である。     ◆成功体験を捨てる◆   コロナ禍で売り上げ低迷しオタオタしている経営者も多い。 今まで順調に推移していたのが、コロナによって売上が激減して赤字に転落した企業も多い。 何とか売り上げ回復するために今までの成功体験を活かし売れなくなったものをこうしたら売れるだろうと考えるのが普通の経営者の発想である。その為に資金も人も投入して売り上げ回復策を講じる。それでも売上が回復する感触が全く感じられない、そんな経営者も多くいる。 売れないもの売れなくなったものを売ることは至難の業である。 同じものを売ることは努力して叶う時代ではなくなった。 コロナによって10年以上一気に時代が進んだ。 そのことを理解して対策を講じるべきだが、成功体験が邪魔している。もう過去のやり方は通用しないのだ。 売れないものを見切りをつけ売れるものを作り売ることを考えなくてはいけない。 売上を拡大していたのを止めて利益の追求を図る時代となった。 売れ・売れと号令をかけると多くを仕入れて在庫を持ち人も増やして人件費増となり 資金繰りが苦しくなる。売ろうとしたために不良在庫も増えて最終的に利益も減る結果になる。 過去の成功体験を捨てて一からビジネスモデルやり替えるぐらいの覚悟が今求められている。待ったなしである。     ◆営業管理◆   業績を伸ばすには、第一に商品力が大切であるが、販売管理も重要である。 販売力は、営業力である。営業の管理は、基本的に行動管理である。 計画・実行・検討・処理が基本でそれに基づいて営業の行動管理をどこまで出来るかが大きなポイントである。 今日やるべきことを必ずするという躾を会社として出来ているかである。 やらなくても大丈夫というそんな甘えた土壌では業績も良くもならない。 一日の行動を細かくキチンと事前報告してそれに沿ってどういう営業をしているかを毎日チェックする必要がある。 殆どの会社は細かいチェックなどせず目標を掲げて頑張ってくれと言っているだけである。 チェックから改善策を練って次に活かすことが大切になってくる。 行動管理が出来ていないから昼間にスーツ姿の人間がパチンコ屋や喫茶店でサボっている。そのような光景をよく見る。 外資のビジネスマンからは不思議な光景だと映るらしい。彼らは徹底的な行動管理をすることが当たり前だからサボって給与をもらえることが不思議でならない。 今では携帯で位置情報を確認して営業管理をしている会社もある。それだけでは内容の管理は出来ず限界がある。結局はダラダラ仕事をして効果も出ないのに経営者は残業代を払う羽目になる。 営業は大切だが営業は細やかな管理が必要である。     ◆「モノ」から「心」◆   ディズニーが何故あれほどお客様に喜ばれ何度も何度も訪れてくれるのでしょうか。 あの立派な施設を売ろうと誰も考えていないからです。 エンターテイメントを提供して効率を追い求めていないからである。 モノを売るのではなく感動を売っているのである。つまり心を売っている。だから、心が癒されるのである。 ディズニー翁曰く「ショービジネスは非常にのぞまれるのだが、ショーをやってほしいというお客さんがいかに多いことか。だから私たちのやるパフォーマンスは、昼も夜もないし、夏も冬もない。とにかく毎日続けなければならない。何故ならお客さんが、数千マイルのドライブ、また世界各国から飛行機でこのディズニーへ、少ない貴重な休暇を楽しむために集まってくださる。我々は、そうしたお客様に、だから、ショーを続けなければならないのだ。お客さまは、ディズニーへ来て、最初に私たちに出会う。私たちの相手はいつも初めての人だ。だから、私たちのやっているショーは、同じことであっても見てくださるのは、常に初めての人だ。だから、新鮮な効果を上げないといけない。」 このディズニー翁の精神が脈々を受け継がれている文化がディズニーの強さである。 いくらお金を掛けても立派な設備を備えて心がないところにはお客様から心底愛されない。 商売が成功するかどうかは、経営者の事業に対する「心」次第である。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八
売らない店舗へ:メルマガ3月22日号
◆売らない店舗へ◆   私が大学のころ丸井と言えばデザイナーズブランドを揃え丸井カードで月賦払いが出来重宝した思い出がある。そんな丸井グループが店舗で売らない店に大転換しようとしている。時代の最先端をいつも行く丸井だなと思える出来事である。 有楽町丸井にはオーダースーツを手掛ける「ファブリックトウキョウ」が入っている。交流サイトやネットを通じて顧客と直接つながるD2Cの人気ブランドである。 このようなD2C(ダイレクトゥーコンシューマー)と呼ばれるネット通販企業を積極的に誘致している。店頭では丁寧な積極でお客様のデータを蓄積して商品開発に活かしてマッチしたものを提供する。 あらゆるものがネットで買えてモノを売るだけではリアル店舗は存続できない時代に突入した。 店舗は体験型店舗に変わりつつある。 AIカメラを駆使してお客様の行動を追い お客様が商品の前に何秒滞在してスタッフが商品デモを行った回数から販売まで至った割合など分析して改善策を構築していく。 迷ったお客様に対してネット通販で割引クーポンを配信することも可能になる。 売上至上主義ではなくリピータ―客や新規をどれだけ掴んだかをテナントの評価にして未来型の店舗を模索している。 丸井はカード会員が720万人おり伊勢丹三越の倍以上いる。倍以上のデータ蓄積が可能である。データ蓄積がモノをいう時代になってきた。カード会員の属性も含めた消費行動が把握できカードとの情報を紐づけることが可能である。 デジタルトランスフォーメーションの本格的な幕開けとなった。 コロナによって時代が変わり売り方も変わって行く。     ◆勇気ある変革で復活◆   2006年「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が日本に上陸して大人気でブームとなり長蛇の列が出来ていた。 全国64店舗まで拡大してミスタードーナツの存在が薄れていった感があった。 私自身もそんなに人気あるのならと並んで食べたことも有りました。さすがアメリカのドーナツという感じでかなり甘いドーナツだと記憶している。 あれほど騒がれていたのにブームが去ると誰も並んでおらずいつの間にか店も無くなっていった。 昔ミスタードーナツの対抗馬的なダンキンドーナツがありましたが、あれと同じように撤退してしまうのかと思っていた。 しかしながら、2017年若月貴子氏が社長に就任し、V字型回復を遂げていった。 日本人好みに合わせて甘みを抑えて地域や客層に合わせた。キッズルームを設けたりビジネスマンや若者に合うスタイルに変えていった。行列は要らない日本人に愛される店を目指している。 押し売り商売は成功しない。愛されないと意味がない。 スタバも当初アメリカと同じものを売っていた。パンはパサパサでクリスマスにはターキーのサンドを売っていた。日本の部長が売れないと言っても聞き入れてくれなかったとぼやいていた。 マクドナルドも国によって全く違ったものを提供している。郷に入れば郷に従えと言うことです。 商売というのは、時代に合った、地域に合った愛のある勇気ある変革を遂げないとお客様から見離される。     ◆お客様の声を聞く◆   お客様の小さな声も拾っていかないと商売は成功しないものだ。 ちょっとした不平不満が大きなビジネスチャンスになります。 多くの商売では、そのような小さな声をスルーして会社都合・社員都合で物事を進め判断している。 例えば、お味噌はダマになって溶くのに時間がかかるそんな声を拾ってマルコメみそは、2009年に『液みそ』を開発した。2020年には累計出荷数は5000万本となった。日本人の4分の一が購入したことになり、空前のヒットになった。 モノが売れない時代でもお客様の小さな声を拾いお客様に喜んでもらうことを必死に考えているとまだまだ売れることが証明された。 共働きの夫婦が増えて料理に時間と手間を掛けたくない。贅沢な時代になり味の良さも大切になってきた。 お客様の生活スタイルやわがままにとことん寄り添いお客様からこんなものが欲しかったと言ってもらえたら大成功になる。 お客様の細かいニーズをいかに応えるかが大切だ。     ◆時代の変化に即した市場開発◆   東京と神戸を行き来しながら生活をしているので、新幹線を乗ることが多い。 何でも見るのが好きなので用事もないのに売店には必ず新しものがないか見に行きます。 私はお酒は一滴も飲めないのですが、お酒のつまみは好きです。地元兵庫県の伍魚福の『一杯の珍極』シリーズはとても興味をそそる。 個々の会社は自社で作らず委託して製造している。企画プロデュースに徹して素晴らしいやり方だ。 私は常々プロデュース業が一番利の多い商売だと言っている。 開発のキッカケが高齢化を見越してさきいかやピーナッツといった硬いモノ中心では頭打ちになると30年前から予見していた。進化し続けて常温で日持ちするドライ展開にしている。味の良さ・贅沢感そして、少量パックでどこでも楽しめることで大ヒットしている。 時代の変化を読みお客様の心理を掴み極めることが大切である。     ◆会社を守る鉄則◆   滅茶苦茶厳しかった親父がやってはけない商売を口酸っぱく言っていた。 まずは手形や小切手をもらう商売はするな。売掛金を常とする商売をするな。 現金商売を基本に考え売掛金主体の商売は絶対にするなということです。 売掛金なら入らないリスクを背負うからダメだということです。 絶対、下請け・卸業をするな。立場が弱いので赤字でも仕事を受けなければいけなくなる。赤字で商売をするなら何もしないで寝ている方がいいと言われた。 機会があると何度も同じことを言われ続けてきたので染み付いている。 それには親父が苦労した背景があったからです。 父親は戦後電気の材料や部品、電化製品などの卸し業をしていた。近畿一円に営業所を設けかなり儲けていた。 メーカーが直接卸すことになり卸し業を止めて小売業に転業するか選択を迫られた。 小売業に転身した経営者はチェーン展開して上場をしていた方も多い。 親父は若かったのでメーカーのやり方が気に食わずメーカーと争った。 結局は相手の方が上手で会社を乗っ取られた形になった。 戦後の動乱期を乗り越え色々と経験した中で卸し業や下請けはつらいし、何度も不渡りを食らったと苦労話をよくしてくれた。 飲食業に転身して成功したが私が会社に入ってから不動産賃貸業に大きく舵を切った。 マンション、テナントビル、事務所ビルなどかなりの数を所有し大成功したが阪神淡路大震災で40億以上の損害を被ってしまった。 大手が手を出さない境域で勝負しようと鉄則を決めていた。 繁華街・歓楽街の中にビルがあり様々な人が入居していた。 ややこしいから普通は持ちたがらない。管理も外部委託する所が殆どである。 すべて自分でやることにした。 どこよりも入居率は高く常に100%近かった。何故そんなに高いかと取引銀行に驚かれた。 何故なら本人確認が出来る身分証明者があれば保証人無くても入居できたからだ。それには家賃未納者を自ら追い出す術を備えていたからである。それが出来たので払える能力があれば入居できた。家賃回収率もほぼ100%だった。多くの家主が嫌がる証明者や保証人がいない水商売や風俗関係者も入居していた。今の時代は保証会社を通して手数料を取られてビルを所有しているオーナーが多い。つまり利益率を下げてしまっている。契約者と違うやくざが入居して組事務所として使用された経験もある。引き下がることなく追い出した。 トラブルばかりでしたが経験を積んでいくと追い出す術も巧妙になっていく。 色々経験させてもらい度胸がつきました。 事務所ビルは詐欺師が入り大事件に発展したこともある。 不動産屋の紹介で入居しましたが、初めから胡散臭いと思っていたので毎日様子をうかがっていた。詐欺事件を起こし、ある日突然姿を消した。周りに大きな損害を与えた。私どもは毎日監視していたから損害はなかった。結局その詐欺師は九州で捕まった。 店子が家賃お支払いに小切手を持って来たり手形を持って来たりしても絶対に領収書を発行しない。預かり書しか渡さない。そんな鉄則を守り抜いて商売をしていた。 商売は現金が手のひらに乗ってこそ本当の売上だと叩きこまれたから、現金でないのだから領収書は発行できない。 家賃は自分で責任もって回収作業をやっていた。命がけでやっていたから回収率100%以上でした。 コロナで大変な企業の相談を受ける中甘い経営をしている方もいる。 売掛金が何年も回収出来ていない取引先がある会社もある。 家賃が何年も何か月も振り込まれていないのに放置しているオーナーもいる。 その未回収のお金を取り返すためにいくら売上をしないといけないのかを考えておかないとダメです。 経営者ならば会社を守る鉄則を考え守り抜く覚悟がいる。 鉄則を崩すと崩壊してしまう。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八  
新たな市場を切り開く:メルマガ3月15日号
◆新たな市場を切り開く◆   元商社マンが独立して何をするか考え抜いて「はやり廃りがない、皆が持っている腐らない、場所を取らずに持ち運びにお金がかからない」以上に当てはまる商売を模索した。行きついたところは、「ダイヤモンドか箸」となった。 店名などをあしらったシックなデザインの紙箱に意匠を凝らしたカラフルな箸。丸や3角や6角、頭が8角で先端は4角など複雑な作りの箸もある。 BO PROJECT(ボープロジェクト高松市)が作り出す多彩な形状の箸が高級レストランや有名ホテルで200以上個別仕様で使われている。 客単価2万円以上の飲食店の3割近くは香川社長が手掛けた箸を使用している。 新しい市場をつくり出した。箸の国なのにブランドが無かった。そのブランドを確立しようとしている。今では世界にそのブランドが轟いている。 日本には箸職人がいて老舗の箸屋さんもたくさんありました。しかし、香川社長のような発想はなかった。このようなに全くの素人が伝統的な歴史のある業界を一変させることは今の時代よくある。 今までと同じ目線で同じことをしていてはどうにもならない。 業界の常識を捨て去ることが新しいものが生まれるキッカケとなる。 コロナ禍で多くの企業が現状打破に苦しんでいる。 現状打破が出来ないのは今までの固定概念があるからだ。 海外の人の方が斬新な考えで面白いものを創造してくれることも有る。 経営者のセンスが問われる。     ◆着眼点を変えてみる◆   物事をいつまでも同じ発想でいると新しいものは生まれない。 遊び心も大切な要素である。『着眼点』を変えることで新たな需要を掘り起こす可能性が高まる。 PLUSから面白い消しゴムが発売され話題を呼んだ。 「エアイン富士山消しゴム」は普通の四角い消しゴムである。使っていくうちに角が取れて 雪をかぶった富士山の姿が現れる。 2019年に富士山の開山日に合わせて「青富士」「赤富士」を限定販売された。即完売となった。 開発のきっかけは消しゴムは間違った文字や修正したい個所を消す道具である。 それはつまらない作業だと考えた。ならば、楽しい作業にするためにどうすればいいかを考えた。 『物消費』から『コト消費』への 転換を図ったわけである。 『コト消費』とは、モノを所有することより、『体験』に価値を見出す消費傾向である。 世の中、ただモノを買う時代ではなく、体験を通すという付加価値を付けて売り出す方が良く売れる。買う行為だけならつまらないからだ。 着眼点を変えることで新たな顧客開拓が出来る。     ◆小さな不満を解消する◆   商売というのは、人の困っている事や不満に思っている事を解決することが基本である。 世界中には様々なボールペンが存在する。 日本では右利きの人が多い。だから、横書きであろうと縦書きであろうとインクが滲んで困るということはあまりない。 左利きの多い欧米などでは、左利きの人が横書きをするとインクがすぐ滲んでしまうことがある。 この小さな不満を解消したのがゼブラの『サラサドライ』だ。 速乾性に優れ、書いた先から乾いていくために左利きの人も手が汚れないで済む。 2016年の発売以来400万本の大ヒットとなった。 ボールペンはそういうものだという固定概念が染み付いており、消費者自身もメーカーサイドも諦めていたところがある。 その小さな不満を見つけて改善して大ヒットを生んだ。 3000種類のインクと3年以上の開発期間を得てサラサドライを世に送り出した。 研究員の執念によるものである。 いかにお客様の小さな不満を見出し解決することで大きな支持を得られる。     ◆人の心理を突く◆   人の心理を突いたロボットが売れている。 普通ロボットは、人の手間を減らすためにつくられたものである。 それが『人に役立たない』ロボットが人気になっている。 ロボット開発ベンチャーのGROOVEが手掛けた家族型ロボット『LOVOT(らぼっと)』である。 人が近づくと不思議そうな表情をして見上げてきて手を伸ばして触れると嬉しそうに手を伸ばしてバタバタとする。抱き上げるとほんのり温かい。人の顔を覚えていて後をついてきたりする。 自分の子供が出来たそのような感情になる。 子供は手間暇かけられるから文句言いながらも楽しい。そんな気分にさせられる。 大昔に小学校の同窓会に行ったときに担任の先生からあなたみたいな手間の掛かった生徒は長い教師生活で居なかったと言われたことがある。だから、いつまでもあなたのことは忘れないと言われた。そのことを思い出した。 サービス業でも一緒だと思う。 マニュアル通りにサービスされてもこころには残らない。 手間のかかったお客様はいつまでも忘れない。お客さまもいつまでも良いお客様で来てくれる。そこには心の通じ合いがある。 人は愛されたいと思う見返りを期待し、不安や不満が募りがちになる。一方では愛でる分は見返りを求めない。 他人を愛でると気持ちが穏やかになる脳内物質が分泌され精神も安定する。 人の心理まで掴んだ商売というのは絶対的である。     ◆失敗が成功の元◆   コロナによって家にいる時間が多くなり快適に過ごすために電化製品が良く売れている。ロボット掃除機も良く売れている。 私自身もロボット掃除機を何種類か購入した経験がある。確かにそれぞれ長所短所がある。 ロボット掃除機と言えば『ルンバ』と言えるほど全世界で2000万台以上販売されている。 開発を手掛けたのはアメリカのロボットメーカーiRobot社である。 米国の軍事用ロボットなどを技術を培ってきた会社である。 ロボット技術を駆使して様々な試みをしてきたがなかなか収益が上がらず挑戦と失敗の連続であった。その苦難の時期に自分たちの技術を活かせる部門はどこか何を作ればいいのかなど様々な検証を試みてきた。そこで行きついたところが『人に役立つ事』だという結論に達した。生活者の負担である掃除を楽にすることが一番だと結論に達して開発された。 自社の強みを生かし自社しかできないものを作り上げることが優位性になるのだ。 コロナ禍だからこそ自社の強みの掘り起こしをして今後の戦略に活かさないと生きていけなくなる。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八
気配り力が成功の秘訣:メルマガ3月8日号
◆気配り力が成功の秘訣◆   成功している経営者とそうでない経営者の違いは、気配り力にあると感じる。 芸能界でも政治の世界でも生き残っているのは、気配り力に因るところが大きい。 芸人でも賞をとったのにそれほどブレークしない人もいれば、賞をとれなかったのにブレークしている人もいる。 よくよく注視していると先輩や周りのスタッフから可愛がられ気配り力があるからだ。 政治の世界でも一緒で元々大物ではなかった菅官房長官がこれほどの実力者になったのも苦労して政治の世界に入り、偉ぶることなく気配り力が長けていたからだと聞く。頭の良くて、能力があるだけでは政治の世界では成功しない。これは経済界でも一緒である。 気配りがあるということは周りを見ているということで変化に敏感だということである観察力が優れているのだ。 観察力に優れて少しの変化に気づき商売のヒントになり新しいビジネスモデルを考え大きく発展した経営者も多い。 普通の人はその変化に気づかず通り過ぎてしまう。 気配り力があると情報量の各段に増えネットワークも広がる。 成功の確率が上がるのだ。     ◆危機脱出は会社一丸◆   コロナ禍で苦しんでいる経営者はたくさんおられます。諦めたら終わりです。危機脱出には会社一丸になって突破しないと難しい。 カイワレの村上農園という会社を憶えている方もいると思います。大根のスプラウト(発芽直後の新芽)であるカイワレの生産量が日本一の会社である。1976年に特殊なスポンジを開発して水耕栽培の難点だった傷みやすさを克服して飛躍的に業績を伸ばした会社です。ところが1996年大腸菌Oー157の原因がカイワレだという大誤報を厚生労働省が発表した。そのお陰で会社の売上は超激減して倒産寸前まで追い込まれてしまった。しかし、この会社は諦めなかった。地獄から這い上がり今では100億を誇る日本一のスプラウト生産者になった。カイワレ大根の代わりに豆苗やルッコラなど珍しい野菜を次々に栽培していった。ガンの抑制効果があるブロッコリーのスプラウトも生産して研究員もスーパーの売り場に立ち実演販売をした。 なかなか研究員が販売を手伝うことはない。普通の会社なら考えられない。 それが出来た会社というのはとても素晴らしい社風である。その会社一丸の姿勢があったから復活できたわけです。 コロナ危機だからこそその姿勢が必要である。     ◆地道な努力が実を結ぶ◆   デパートの北海道物産に行くと必ず買うものがあります。それは「ハッカ油」です。 ハッカのウエットシートは、眠気覚ましにもってこいです。目のまわりを拭くと涙が出まくりですが、効果てき面です。アブとかに刺されないように予防にも最適です。スプレーしておけば万全です。ゴルフの時などはお薦めです。 このハッカ草の産地は北海道北見市である。元々世界シェア70%以上のハッカ草の産地である。このハッカ油がコロナ禍で注目を浴びて売上をグングン伸ばしている。 マスクにこのハッカ油をスプレーをすると気持ちいいとSNSやテレビで取り上げられ一気に広がっていった。元々は花粉症で悩んでいた人に活用されていたが、コロナ禍でも口コミで広がっていった。元々は知名度のない目立たない商品であった。 デパートなどでの北海道物産に積極的に出店したり、海外にも市場開拓したり地道な営業活動をしていた。 他にはない商品であることは間違いの無い事実であったが、ブレイクするほどのものではなかった。 コロナ禍のマスク需要に比例して爆発的に売れ出していった。 売れるには売れる素地を地道に作っておく必要がある。 信念を貫き諦めずに愚直な努力が実を結ぶのです。     ◆商品の強みを生かす◆   世の中には廃れて消えていく商品はたくさん存在する。しかし、廃れていく商品を見方を変えていくととんでもない商品に蘇ることもある。 「ウタマロ石けん」というのは、洗濯機の普及とともに売上も3分の一になり消えていく商品となっていた。この石けんは1957年に洗濯板で手洗いする時の洗濯石鹸として登場した。当初は300万個売れるほど好調な商品であったが、洗濯機の普及で売れなくなった。販売数が落ちているにも関わらず一定の数が売れるので、調査すると意外なことがわかった。洗濯機では取れない袖の汚れや泥汚れを部分洗い用として利用されていた。石けんの色が緑で擦ったところがわかり使い勝手が良かった。部分洗い用としてお子様がいる親に向けてSNS上で「汚れ激落ち」「神石けん」として拡散され認知度を上げて復活した商品である。 いかに強みを前面に打ち出しターゲットを絞って広げていくかが大切である。 単に売上は落ちて、そこそこ売れているという判断を下していたらこのような再ブレークはなかった。 数字を深堀したからこそ自社の強みの真実が見えてきた。 上辺だけで物事を判断してはいけない。     ◆告知方法を変える◆   世界初の市販レトルトカレーとして1968年に発売された大塚食品の『ボンカレー』がある。発売から50年以上経っていますが、未だに売れ続けているロングセラー商品である。子供のころは本当にお世話になった。懐かしくてたまに買って食べます。 2020年にはgooランキングで正直一番美味しいレトルトカレーランキングで堂々1位になる程その人気は健在である。 昔は有名人を起用してテレビCMを放映してきたが、2013年45周年を迎えて以降テレビCMから撤退した。テレビで宣伝しても電子レンジ対応や国産の野菜を使用していることなど全く伝わらなかった。代わりに活用したのがYou Tubeで公開した。 ボンカレーのターゲットを絞り働く母親に訴えかける内容にした。 動画回数100万回を超え広告費6割減でも売上増を達成できた。 時代の変化に即したやり方に変えないと声が届かない時代になった。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八無料 https://jlifesupport.com/newsite/mail/
古いものを蘇らせる:メルマガ3月1日号
◆古いものを蘇らせる◆   不動産価値が多様化している。 銀行の評価は不動産鑑定に基づきその価値を算出している。 もうその評価制度も改める時代に来たと思う。 土地の相場がいくらで建物は償却されてもう価値はないという査定をする銀行の評価制度は、もう古臭い。 リノベーションすると借り手はいくらでもいて収益になるのにその価値を認めない。そのようなことがよくある。時代に即していない資産算定制度になっている。 「団地リノベ」ブームで、天井や壁をコンクリートの打ちっぱなし状態にして快適に暮らしている人も多い。新しい不動産収益ビジネスである。 2000年以降に成人式を迎えるミレニアム世代は、高度成長期に建てた古くて・使い勝手の悪い中古物件を安く購入し浮いたお金で自分の好みに合った空間に作り替えてしまう。 自分のいる空間がいかに自分に快適化がとても重要となり、建物の外観などはあまり気にしていない。彼らはタワーマンションには全く興味を示さない。タワーマンションの評価も時代と共に変わってくるかもしれない。 欧米に行くと100年前の古い建物をリノベーションしてステキな空間にして快適に過ごしているのをよく見かけます。 分譲だけでなく賃貸でも同じ現象がおきてい。都市再生機構(UR)と無印良品がコラボしてゴーストタウン化した団地をリノベーションして再生している。借り手が居なかった団地がいきなり募集は30倍です。 センスある居心地が求められている。 家にいることが多くなってきたコロナ禍ではよりそういう需要は益々増えていく。 時代の流れを読み間違えたら商売も衰退してしまう。     ◆感動・感激◆   感動と感激がないとお客様の心を揺さぶることは出来ない。 一生懸命お客様に情報を提供しているが全く効果がないと嘆かれている。 すごい・ヤバい・ステキ・ほんと など感動感激のひと言がお客様から出てこないと振り向いてくれない。 メールや手紙・はがきなどあらゆる方法でお客様へアプローチをしているのに結果が表れないことが多い。 ただ情報提供したらいいのだと錯覚して送っているからだ。 情報提供よりお客様に突き刺さるメッセージが欲しい。 相手の側に立ってみてどうしたら感動感激してくれるのか考える必要がある。 お客様には大量の情報提供が毎日届いている訳です。 その中から取り出して読んでくれて更に行動してもらいたい。ならばどうすべきかもっと真剣に考えるべきだ。 大量の情報が目の前を通っていく時代。よっぽど感動感激が無いと目にとめてくれない。 ただ情報提供しておけば何とかなるという安直なやり方では無駄にしかならない。 心のこもったメッセージが大切である。     ◆支払い意識額を高める◆   お客様がこの商品・このサービスにいくら払ってもいいか(WTP)〈willing to pay〉がとても重要になってくる。 その金額を上げることが会社にとって粗利益が増えることになる。 その為には顧客満足度を上げるしかない。 例えば、ネッツトヨタ南国は、トヨタの販社の規模としては非常に小さい。お客様が高級ホテルに来た気分になるような徹底した接客で対応してすべてに渡って手を抜かない。顧客満足度は非常に高い。しかも、従業員の満足度も高い。だから、値引き販売は一切しない。 商売で手抜きをしないというのは至難の業である。当たり前のこともなかなか出来ないのに徹底したサービスをするのは大変なことである。普通の企業なら諦めてしまう。 顧客の悩みを分析して解決することもWTPを上げるのに役立つ。その為には観察力が求められる。電化製品には多くの種類がある。毎年、高度化して使わない機能がやたらと多いことも有る。 パナソニックや大手企業は競って多機能をうたって新製品を出している。 顧客の中には要らない機能が多すぎて使い勝手が悪いという層もある。引き算によって顧客価値を明確化してアイリスオーヤマは商品を提供している。明確な戦略によりオーヤマは高収益を生んでいる。 商売は万人に受けることを考えず、熱狂的なユーザーに支持されることが一番である。 それこそがWTPを高める。 支払い意識額を高めるためにどうすべきか考えることで、会社の粗利益額も上昇する。     ◆時代の先読み◆   コロナ禍で電動自転車や電動バイクで通勤している姿もよく見ます。コロナ対策で電車通勤を避けているのでしょう。 和歌山県のベンチャー企業「glafitグラフィット」2017年電動バイクを販売した。年間2000台の販売が大ヒットと言われていたのに4か月で3000台売れた。 この会社は売れ筋商品を後追いして大失敗した経験を持つ。世の中で流行っているからと飛びついて商売を始めるのと一緒で上手く行くはずがない。 ここで学んだことは流行している時点で後追いしても遅いということである。 流行した時点で下火になりかけておりもうそこから始めても大きな利益は生まないということを学んだ。 人が儲かったと思うとすぐにマネをして始めようとしますが、既に遅いということです。 電動で二酸化炭素の排出はゼロで電気代10円でフル充電でき40キロ走行できる。しかも折りたたんで車に積める。そんな夢のようなバイクを開発した。 通勤はバイクで郊外は自転車で走り坂道はハイブリットで走る。新世代の乗り物である。 時代を先読みして望まれるものを提供すれば購買してくれる。 売れないということはお客様の心に刺さっていない。 本当に望まれるものを提供すればお客様は買ってくれるのです。     ◆行動計画が無い計画は失敗する◆   事業計画を発表して推し進めようとする経営者も多いと思います。しかし、1年経っても計画が達成できないことが殆どではないでしょうか。 それは社長や幹部はその計画をわかっていても誰にいつまでに何をして貰わないとこの計画が達成できない。その大切なことが全く落とし込んでいないから中途半端に終わってしまう。 社員1人ひとり、パート1人ひとり、アルバイト1人ひとりが自覚をもって能動的に行動できるかがとても重要になってくる。そこが抜けている会社が殆どのような気がします。その為には行動計画書を各自が描きそれに基づいて行動できなくてはいけない。その行動計画書も毎日更新しておかねばならない。それが実現できている会社はコロナ禍でも業績はいい。 会社は社長一人では回せない。社員が考えて行動する想像力のある仕事が求められる。 その為に社長として何をすべきか考える必要がある。 能動的に考え動く集団に変貌させる必要がある。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八