コラム

原点に戻る:メルマガ4月5日号

原点に戻る

 

新型コロナで事業の業績が元の状態に戻らず困っている経営者も多い。

相談者はここ10年で事業を拡げ業績も順調に伸び上手く行っている様に見えていた。

確かに売上が伸びていたが、粗利益率は毎年下がっていた。その危機的状況を気付かずひたすら売上拡大を狙ってきた。

今回の新型コロナで会社全体の売上は30%~40%減となりなかなか回復する気配がない。しかも、かなりの赤字が続いている。

コロナ融資のお陰で資金が回っているので緊迫感が会社全体にない。

相談にお見えになって次のことを聞きました。

1つ目は社長のやりたい仕事は何ですか

多岐にわたる商売をしているから何屋か全くわからない状態だった。
仕事を通して社長が成しえたいことは何なのかが全く見ない。

2つ目は色々されている事業は競合他社に比べて強みがありますか

競合他社に勝ち目はあるか全く検証せず事業を継続してきた。売上拡大のために様々な事業を拡大してきたとしか見えない。

3つ目は残したい事業の優先善意を教えてください。

同じやり方をしていて売上が回復することなどあり得ない。それなのにすべての事業をこのまま続けるのは自殺行為である。

以上の質問をすると経営者は頭の整理が出来やるべきことが見えてくる。

経営者は原点に戻って余計なものを削ぎ落し自身を見つめ直して今後の進むべき道を再構築をするときに来ている。

 

 

見極める

 

コロナ禍で苦しんでいる企業経営者は多い。しかし、自社の現状を理解していない方が多い。『見極めよ』と言いたい。

御社は何で儲かっていますかと問いただしても明確な回答をされる経営者も少ない。

窮地に陥っている企業なら早々に出血を止めないといけない。それと同時に生存していくのに欠かせない会社の宝を探さないといけない。

その会社の存在意義があるのか存続できる価値を見出せるのかとても需要になってくる。

今まで倒産せずに来たわけだからそこには何か商品力があるのか販売営業力があるのか情報力・サービス力があるのか何かある筈なのである。

一番稼いでいる商品やサービスは何か

一番稼いでいる取引先はどこか

一番稼いでいる地域はどこか

一番稼いでいる販売網はどこか

一番稼いでない回答も調べてみる。

すると何で稼いできたかわかる筈だ。それ以外は『たたむ・削る・変える』の対象に属する。

中小企業で一番大切なことは粗利を稼いでこそ成り立つ。粗利の拡大が将来を決する。

個々の原価を計算して経営者はその原価通りに推移しているか見ておく。

その上で更に原価を下げる方法を現場の改革・仕入れの改革・段取りの改革・工程の改革などどんどんと進めていくべきである。

そんな細かい作業を全くしていない中小企業は非常に多い。その多くは人が居ない、時間がないとか出来ない理由を理路整然と並べる。

商売は出来ないことを出来るようにすることである。
社長にやる覚悟があるかどうかである。

ほとんどの会社は2割の商品やサービスが8割の売上になっている。

マンネリ化した会社はその実態を把握しておらずその2割の商品を極めずに新商品などに注力している。

何でも屋では通用しない時代になった。強力なリード商品を持つことが会社は強くなれ生き抜ける。何事も極めることが大切である。

下請けで苦しんできた町工場でも極めた技術力で下請けを脱していい値で仕事を受けて多くの粗利を稼いでいる会社もある。

強いのは大ヒット商品を持つのではなくマンネリと思えるくらい地道な売り上げ、ロングセラー商品を持っていることが大切である。

社長の見極める眼力が商売を左右するのである。

 

 

働く意欲

 

企業によっては、社員のモチベーションが大きく違っている。

何故そんなに違うのか?それはやる気を出させる職場かやる気を失せる職場かの違いである。

働いている人たちが遣り甲斐をもって働いているかによって士気が変わってくる。

社員にとって遣り甲斐とは何かを経営者が知らないといつの間にか受け身の仕事をする人しか居なくなる。それはやらされている仕事なら遣り甲斐は一切起こらない。

仕事をしたことで自分自身が成長したと思えることが重要である。そしてそれを認める職場環境が更に成長させる。

そうして自らの目標を立てクリアする自己実現力が芽生えてくるはずである。

結果的に働く意欲のある職場環境が出来る。

環境整備が大切とよく言うが、
大切な環境整備は3つある。
1つ目は社長の頭の環境整備
2つ目は職員の心の環境整備
3つ目は仕事場の環境整備
この3つである。

 

 

銀行と経営者の見る目

 

中小企業経営者の多くは、自社の資産内容を良く知らない。

会社と個人にどのような資産があり、その資産はどのような価値があるか、その資産は銀行にいくら担保設定されいくらの融資を受けて、借入金がいくら残っているか把握していない。

その資産が共同担保になっているかも把握してない事がよくある。共同担保に設定するのは銀行にとって都合がいいが会社にとって不利益であることも知らない。

大切な資産であるのにほとんど理解していないから後でしまったということがよくある。

土地建物は、各々の銀行が評価している。銀行によって評価も違う。低い評価をする銀行と高い評価する銀行と様々である。低い評価しかしない銀行は融資額も少ない。髙い評価をしているところは融資額も増える。どこの銀行と取引した方が有利かも考える必要がある。

銀行の評価はつまり市場価格(時価)よりかなり低いのが普通だ。あまりにも評価の低い銀行と取引すると会社として資産の有効利用が出来ない。

相談にお見えになった経営者は不動産の事に疎い。多くの中小企業経営者は分かってない。銀行に良いようにされている会社もある。

取引銀行に借入をしているが時価(市場価格)の6割しか貸出をされていないと4割の担保価値が無駄になっている。資産が有効に活用されていないわけだ。

取引銀行が堅い銀行ならその会社は借入が思うようにできず将来の為の新たな挑戦も出来ない。資金調達が出来ず、ただ耐え凌いでいる経営をしている。これでは発展は出来ず、死を待つだけの経営になっている。共に発展する気概のある銀行でないと取引する意味がない。

銀行は経営を分かってないから今の数字しか見ないので決算内容が悪いと将来への投資を認めようとしない。リストラ・経費削減など後ろ向きな策しか提案して来ない。だからリスケの会社が浮上しない。

悪い状況から脱して事業を好転さすには前向きな資金を用意して会社の構造改革を断行する必要がある。それが理解できないから余剰資金を回収するしか頭が無い。

売上を上げて利益を出すにはどうすればいいかを知らない。リスクもあるが目利き力がないから保身ばかり考えて何もしようとしない。

最終的には突破するには経営者のやる気度・本気度と覚悟である。
銀行を説得できるビジョンと事業計画が無いと会社の危機など乗り越えられない。

 

 

サブスクの時代

 

ホワイトデーから半年後の9月14日をコスモスの日と言われている。

ホワイトデーが愛を確かめ合う記念日として『コスコスの日』としてプレゼントにコスモスを添えて交換する日となっている。

ちょうどコスモスの開花時期なのでコスモスが花屋に並ぶ。そのような日があるのも知らなかった。時代と共に習慣も変わって行く。

コロナ禍で家にいることが非常に多くなった。部屋を華やかにしたいという女性が増えたことも成功の一因でもある。

老舗の日比谷花壇で月額1000円程で毎日花がもらえるサービスがある。つまりサブスク(定額課金制)を展開して広がっている。花もサブスクが出来るんだと驚きのサービスです。サービス内容はシンプルでスタッフに受け取りに行くことを伝えQRコードが掲示されているのでそれを専用アプリで読みこめばいい。

生活様式が変わることでお客様のニーズも変わって行く。その変化に気づいて次の一手を考えないといけない。

敷居が高かった日比谷花壇はこのサービスで今まで来られなかった若い人が来店する様になった。

コロナ禍で待ちの姿勢でジッと我慢しておけば何とかなるだろうと考えている経営者なら先はない。

新しい生活様式が始まったわけだからそれに合わせた商売の形態も変えていかねばならない。

人が出来ないと思えること想像できないことを具現化したものが勝ち残れる時代である。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

 

三條慶八の本