コラム

無理な要望を叶える:メルマガ3月29日号

無理な要望を叶える

 

畳表市場はピーク時に比べて5分の一に縮小して止まらない。
職人の高齢化や後継者不足で廃業していく店も多い。

この厳しい環境の中社長就任してから9年で年商65億を達成したのは、TTNコーポレーションの辻野社長である。

町の畳屋の4代目である。

畳の張替えに行っていた先のファミレス担当者から夜中に畳の張替えが出来ないかと聞かれたのが、会社の転機になった。普通なら人間ならそれは職人も嫌がるので無理ですねと応える。

お店側は畳の張替えで休業しなくて済むから無理な要望を聞いてくれたらその取引先は嬉しいから深夜料金も払う。社長は自ら徹夜で仕事を受け、注文が殺到する様になった。すると嫌がっていた職人も自発的に手を貸すようになって上手く循環するようになった。

仕事は人が嫌がることをいかに率先してやるかが大きなポイントになる。

誰でもできる普通のことをしていると競争も激しく利も少ない。
お客様の無理をいかに聞くかが大きな価値を生み出す。

 

 

発想の転嫁

 

『コロコロ』はどこの家庭でも使われていると思います。

便利な掃除道具『コロコロ』は国内粘着クリーナー市場でシェア50%以上を握っている。圧倒的なシェアでトップを独走している。

開発したのは工業用粘着テープの製造販売会社日東電工の子会社であるニトズムという会社である。

社運をかけて発売した粘着シートのゴキブリ捕獲棒が全く売れず大量の在庫の山となった。普通の会社ならここで廃棄処分でしょうという判断になっている。

女子社員がテープを裏返しにして服のほこりを取っていた光景を見ていた時に「粘着テープはホコリを取る画期的な掃除の道具になると」確信してコロコロを開発した。

このように事業には失敗はつきものです。その失敗を活かすことが次の発展に結び付く。柔軟な発想の転換が必要である。コロナ禍で大変な思いをされている中小企業経営者は沢山おられる。

今までと違う発想の転換を図り新たな商品やサービスをつくり出さないと売上の落ち込みはカバーできない。その為には観察力が重要な要因になる。商売のネタはちょっとしたことから発見できるものです。そのネタを見逃す人とモノに出来る人との差が大きく左右する。

だからいつどんな時も商売感覚でものを見ておく。そのセンスを磨く必要がある。修練すれば身につくものである。いつもお客様の立場で見ていることが大切である。

 

 

成功体験を捨てる

 

コロナ禍で売り上げ低迷しオタオタしている経営者も多い。

今まで順調に推移していたのが、コロナによって売上が激減して赤字に転落した企業も多い。

何とか売り上げ回復するために今までの成功体験を活かし売れなくなったものをこうしたら売れるだろうと考えるのが普通の経営者の発想である。その為に資金も人も投入して売り上げ回復策を講じる。それでも売上が回復する感触が全く感じられない、そんな経営者も多くいる。

売れないもの売れなくなったものを売ることは至難の業である。
同じものを売ることは努力して叶う時代ではなくなった。

コロナによって10年以上一気に時代が進んだ。
そのことを理解して対策を講じるべきだが、成功体験が邪魔している。もう過去のやり方は通用しないのだ。

売れないものを見切りをつけ売れるものを作り売ることを考えなくてはいけない。

売上を拡大していたのを止めて利益の追求を図る時代となった。

売れ・売れと号令をかけると多くを仕入れて在庫を持ち人も増やして人件費増となり
資金繰りが苦しくなる。売ろうとしたために不良在庫も増えて最終的に利益も減る結果になる。

過去の成功体験を捨てて一からビジネスモデルやり替えるぐらいの覚悟が今求められている。待ったなしである。

 

 

営業管理

 

業績を伸ばすには、第一に商品力が大切であるが、販売管理も重要である。

販売力は、営業力である。営業の管理は、基本的に行動管理である。

計画・実行・検討・処理が基本でそれに基づいて営業の行動管理をどこまで出来るかが大きなポイントである。

今日やるべきことを必ずするという躾を会社として出来ているかである。

やらなくても大丈夫というそんな甘えた土壌では業績も良くもならない。

一日の行動を細かくキチンと事前報告してそれに沿ってどういう営業をしているかを毎日チェックする必要がある。

殆どの会社は細かいチェックなどせず目標を掲げて頑張ってくれと言っているだけである。

チェックから改善策を練って次に活かすことが大切になってくる。

行動管理が出来ていないから昼間にスーツ姿の人間がパチンコ屋や喫茶店でサボっている。そのような光景をよく見る。

外資のビジネスマンからは不思議な光景だと映るらしい。彼らは徹底的な行動管理をすることが当たり前だからサボって給与をもらえることが不思議でならない。

今では携帯で位置情報を確認して営業管理をしている会社もある。それだけでは内容の管理は出来ず限界がある。結局はダラダラ仕事をして効果も出ないのに経営者は残業代を払う羽目になる。

営業は大切だが営業は細やかな管理が必要である。

 

 

「モノ」から「心」

 

ディズニーが何故あれほどお客様に喜ばれ何度も何度も訪れてくれるのでしょうか。

あの立派な施設を売ろうと誰も考えていないからです。

エンターテイメントを提供して効率を追い求めていないからである。

モノを売るのではなく感動を売っているのである。つまり心を売っている。だから、心が癒されるのである。

ディズニー翁曰く「ショービジネスは非常にのぞまれるのだが、ショーをやってほしいというお客さんがいかに多いことか。だから私たちのやるパフォーマンスは、昼も夜もないし、夏も冬もない。とにかく毎日続けなければならない。何故ならお客さんが、数千マイルのドライブ、また世界各国から飛行機でこのディズニーへ、少ない貴重な休暇を楽しむために集まってくださる。我々は、そうしたお客様に、だから、ショーを続けなければならないのだ。お客さまは、ディズニーへ来て、最初に私たちに出会う。私たちの相手はいつも初めての人だ。だから、私たちのやっているショーは、同じことであっても見てくださるのは、常に初めての人だ。だから、新鮮な効果を上げないといけない。」

このディズニー翁の精神が脈々を受け継がれている文化がディズニーの強さである。

いくらお金を掛けても立派な設備を備えて心がないところにはお客様から心底愛されない。

商売が成功するかどうかは、経営者の事業に対する「心」次第である。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

三條慶八の本