◆新たな市場を切り開く◆
元商社マンが独立して何をするか考え抜いて「はやり廃りがない、皆が持っている腐らない、場所を取らずに持ち運びにお金がかからない」以上に当てはまる商売を模索した。行きついたところは、「ダイヤモンドか箸」となった。
店名などをあしらったシックなデザインの紙箱に意匠を凝らしたカラフルな箸。丸や3角や6角、頭が8角で先端は4角など複雑な作りの箸もある。
BO PROJECT(ボープロジェクト高松市)が作り出す多彩な形状の箸が高級レストランや有名ホテルで200以上個別仕様で使われている。
客単価2万円以上の飲食店の3割近くは香川社長が手掛けた箸を使用している。
新しい市場をつくり出した。箸の国なのにブランドが無かった。そのブランドを確立しようとしている。今では世界にそのブランドが轟いている。
日本には箸職人がいて老舗の箸屋さんもたくさんありました。しかし、香川社長のような発想はなかった。このようなに全くの素人が伝統的な歴史のある業界を一変させることは今の時代よくある。
今までと同じ目線で同じことをしていてはどうにもならない。
業界の常識を捨て去ることが新しいものが生まれるキッカケとなる。
コロナ禍で多くの企業が現状打破に苦しんでいる。
現状打破が出来ないのは今までの固定概念があるからだ。
海外の人の方が斬新な考えで面白いものを創造してくれることも有る。
経営者のセンスが問われる。
◆着眼点を変えてみる◆
物事をいつまでも同じ発想でいると新しいものは生まれない。
遊び心も大切な要素である。『着眼点』を変えることで新たな需要を掘り起こす可能性が高まる。
PLUSから面白い消しゴムが発売され話題を呼んだ。
「エアイン富士山消しゴム」は普通の四角い消しゴムである。使っていくうちに角が取れて
雪をかぶった富士山の姿が現れる。
2019年に富士山の開山日に合わせて「青富士」「赤富士」を限定販売された。即完売となった。
開発のきっかけは消しゴムは間違った文字や修正したい個所を消す道具である。
それはつまらない作業だと考えた。ならば、楽しい作業にするためにどうすればいいかを考えた。
『物消費』から『コト消費』への
転換を図ったわけである。
『コト消費』とは、モノを所有することより、『体験』に価値を見出す消費傾向である。
世の中、ただモノを買う時代ではなく、体験を通すという付加価値を付けて売り出す方が良く売れる。買う行為だけならつまらないからだ。
着眼点を変えることで新たな顧客開拓が出来る。
◆小さな不満を解消する◆
商売というのは、人の困っている事や不満に思っている事を解決することが基本である。
世界中には様々なボールペンが存在する。
日本では右利きの人が多い。だから、横書きであろうと縦書きであろうとインクが滲んで困るということはあまりない。
左利きの多い欧米などでは、左利きの人が横書きをするとインクがすぐ滲んでしまうことがある。
この小さな不満を解消したのがゼブラの『サラサドライ』だ。
速乾性に優れ、書いた先から乾いていくために左利きの人も手が汚れないで済む。
2016年の発売以来400万本の大ヒットとなった。
ボールペンはそういうものだという固定概念が染み付いており、消費者自身もメーカーサイドも諦めていたところがある。
その小さな不満を見つけて改善して大ヒットを生んだ。
3000種類のインクと3年以上の開発期間を得てサラサドライを世に送り出した。
研究員の執念によるものである。
いかにお客様の小さな不満を見出し解決することで大きな支持を得られる。
◆人の心理を突く◆
人の心理を突いたロボットが売れている。
普通ロボットは、人の手間を減らすためにつくられたものである。
それが『人に役立たない』ロボットが人気になっている。
ロボット開発ベンチャーのGROOVEが手掛けた家族型ロボット『LOVOT(らぼっと)』である。
人が近づくと不思議そうな表情をして見上げてきて手を伸ばして触れると嬉しそうに手を伸ばしてバタバタとする。抱き上げるとほんのり温かい。人の顔を覚えていて後をついてきたりする。
自分の子供が出来たそのような感情になる。
子供は手間暇かけられるから文句言いながらも楽しい。そんな気分にさせられる。
大昔に小学校の同窓会に行ったときに担任の先生からあなたみたいな手間の掛かった生徒は長い教師生活で居なかったと言われたことがある。だから、いつまでもあなたのことは忘れないと言われた。そのことを思い出した。
サービス業でも一緒だと思う。
マニュアル通りにサービスされてもこころには残らない。
手間のかかったお客様はいつまでも忘れない。お客さまもいつまでも良いお客様で来てくれる。そこには心の通じ合いがある。
人は愛されたいと思う見返りを期待し、不安や不満が募りがちになる。一方では愛でる分は見返りを求めない。
他人を愛でると気持ちが穏やかになる脳内物質が分泌され精神も安定する。
人の心理まで掴んだ商売というのは絶対的である。
◆失敗が成功の元◆
コロナによって家にいる時間が多くなり快適に過ごすために電化製品が良く売れている。ロボット掃除機も良く売れている。
私自身もロボット掃除機を何種類か購入した経験がある。確かにそれぞれ長所短所がある。
ロボット掃除機と言えば『ルンバ』と言えるほど全世界で2000万台以上販売されている。
開発を手掛けたのはアメリカのロボットメーカーiRobot社である。
米国の軍事用ロボットなどを技術を培ってきた会社である。
ロボット技術を駆使して様々な試みをしてきたがなかなか収益が上がらず挑戦と失敗の連続であった。その苦難の時期に自分たちの技術を活かせる部門はどこか何を作ればいいのかなど様々な検証を試みてきた。そこで行きついたところが『人に役立つ事』だという結論に達した。生活者の負担である掃除を楽にすることが一番だと結論に達して開発された。
自社の強みを生かし自社しかできないものを作り上げることが優位性になるのだ。
コロナ禍だからこそ自社の強みの掘り起こしをして今後の戦略に活かさないと生きていけなくなる。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆気配り力が成功の秘訣◆
成功している経営者とそうでない経営者の違いは、気配り力にあると感じる。
芸能界でも政治の世界でも生き残っているのは、気配り力に因るところが大きい。
芸人でも賞をとったのにそれほどブレークしない人もいれば、賞をとれなかったのにブレークしている人もいる。
よくよく注視していると先輩や周りのスタッフから可愛がられ気配り力があるからだ。
政治の世界でも一緒で元々大物ではなかった菅官房長官がこれほどの実力者になったのも苦労して政治の世界に入り、偉ぶることなく気配り力が長けていたからだと聞く。頭の良くて、能力があるだけでは政治の世界では成功しない。これは経済界でも一緒である。
気配りがあるということは周りを見ているということで変化に敏感だということである観察力が優れているのだ。
観察力に優れて少しの変化に気づき商売のヒントになり新しいビジネスモデルを考え大きく発展した経営者も多い。
普通の人はその変化に気づかず通り過ぎてしまう。
気配り力があると情報量の各段に増えネットワークも広がる。
成功の確率が上がるのだ。
◆危機脱出は会社一丸◆
コロナ禍で苦しんでいる経営者はたくさんおられます。諦めたら終わりです。危機脱出には会社一丸になって突破しないと難しい。
カイワレの村上農園という会社を憶えている方もいると思います。大根のスプラウト(発芽直後の新芽)であるカイワレの生産量が日本一の会社である。1976年に特殊なスポンジを開発して水耕栽培の難点だった傷みやすさを克服して飛躍的に業績を伸ばした会社です。ところが1996年大腸菌Oー157の原因がカイワレだという大誤報を厚生労働省が発表した。そのお陰で会社の売上は超激減して倒産寸前まで追い込まれてしまった。しかし、この会社は諦めなかった。地獄から這い上がり今では100億を誇る日本一のスプラウト生産者になった。カイワレ大根の代わりに豆苗やルッコラなど珍しい野菜を次々に栽培していった。ガンの抑制効果があるブロッコリーのスプラウトも生産して研究員もスーパーの売り場に立ち実演販売をした。
なかなか研究員が販売を手伝うことはない。普通の会社なら考えられない。
それが出来た会社というのはとても素晴らしい社風である。その会社一丸の姿勢があったから復活できたわけです。
コロナ危機だからこそその姿勢が必要である。
◆地道な努力が実を結ぶ◆
デパートの北海道物産に行くと必ず買うものがあります。それは「ハッカ油」です。
ハッカのウエットシートは、眠気覚ましにもってこいです。目のまわりを拭くと涙が出まくりですが、効果てき面です。アブとかに刺されないように予防にも最適です。スプレーしておけば万全です。ゴルフの時などはお薦めです。
このハッカ草の産地は北海道北見市である。元々世界シェア70%以上のハッカ草の産地である。このハッカ油がコロナ禍で注目を浴びて売上をグングン伸ばしている。
マスクにこのハッカ油をスプレーをすると気持ちいいとSNSやテレビで取り上げられ一気に広がっていった。元々は花粉症で悩んでいた人に活用されていたが、コロナ禍でも口コミで広がっていった。元々は知名度のない目立たない商品であった。
デパートなどでの北海道物産に積極的に出店したり、海外にも市場開拓したり地道な営業活動をしていた。
他にはない商品であることは間違いの無い事実であったが、ブレイクするほどのものではなかった。
コロナ禍のマスク需要に比例して爆発的に売れ出していった。
売れるには売れる素地を地道に作っておく必要がある。
信念を貫き諦めずに愚直な努力が実を結ぶのです。
◆商品の強みを生かす◆
世の中には廃れて消えていく商品はたくさん存在する。しかし、廃れていく商品を見方を変えていくととんでもない商品に蘇ることもある。
「ウタマロ石けん」というのは、洗濯機の普及とともに売上も3分の一になり消えていく商品となっていた。この石けんは1957年に洗濯板で手洗いする時の洗濯石鹸として登場した。当初は300万個売れるほど好調な商品であったが、洗濯機の普及で売れなくなった。販売数が落ちているにも関わらず一定の数が売れるので、調査すると意外なことがわかった。洗濯機では取れない袖の汚れや泥汚れを部分洗い用として利用されていた。石けんの色が緑で擦ったところがわかり使い勝手が良かった。部分洗い用としてお子様がいる親に向けてSNS上で「汚れ激落ち」「神石けん」として拡散され認知度を上げて復活した商品である。
いかに強みを前面に打ち出しターゲットを絞って広げていくかが大切である。
単に売上は落ちて、そこそこ売れているという判断を下していたらこのような再ブレークはなかった。
数字を深堀したからこそ自社の強みの真実が見えてきた。
上辺だけで物事を判断してはいけない。
◆告知方法を変える◆
世界初の市販レトルトカレーとして1968年に発売された大塚食品の『ボンカレー』がある。発売から50年以上経っていますが、未だに売れ続けているロングセラー商品である。子供のころは本当にお世話になった。懐かしくてたまに買って食べます。
2020年にはgooランキングで正直一番美味しいレトルトカレーランキングで堂々1位になる程その人気は健在である。
昔は有名人を起用してテレビCMを放映してきたが、2013年45周年を迎えて以降テレビCMから撤退した。テレビで宣伝しても電子レンジ対応や国産の野菜を使用していることなど全く伝わらなかった。代わりに活用したのがYou Tubeで公開した。
ボンカレーのターゲットを絞り働く母親に訴えかける内容にした。
動画回数100万回を超え広告費6割減でも売上増を達成できた。
時代の変化に即したやり方に変えないと声が届かない時代になった。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八無料
https://jlifesupport.com/newsite/mail/
◆古いものを蘇らせる◆
不動産価値が多様化している。
銀行の評価は不動産鑑定に基づきその価値を算出している。
もうその評価制度も改める時代に来たと思う。
土地の相場がいくらで建物は償却されてもう価値はないという査定をする銀行の評価制度は、もう古臭い。
リノベーションすると借り手はいくらでもいて収益になるのにその価値を認めない。そのようなことがよくある。時代に即していない資産算定制度になっている。
「団地リノベ」ブームで、天井や壁をコンクリートの打ちっぱなし状態にして快適に暮らしている人も多い。新しい不動産収益ビジネスである。
2000年以降に成人式を迎えるミレニアム世代は、高度成長期に建てた古くて・使い勝手の悪い中古物件を安く購入し浮いたお金で自分の好みに合った空間に作り替えてしまう。
自分のいる空間がいかに自分に快適化がとても重要となり、建物の外観などはあまり気にしていない。彼らはタワーマンションには全く興味を示さない。タワーマンションの評価も時代と共に変わってくるかもしれない。
欧米に行くと100年前の古い建物をリノベーションしてステキな空間にして快適に過ごしているのをよく見かけます。
分譲だけでなく賃貸でも同じ現象がおきてい。都市再生機構(UR)と無印良品がコラボしてゴーストタウン化した団地をリノベーションして再生している。借り手が居なかった団地がいきなり募集は30倍です。
センスある居心地が求められている。
家にいることが多くなってきたコロナ禍ではよりそういう需要は益々増えていく。
時代の流れを読み間違えたら商売も衰退してしまう。
◆感動・感激◆
感動と感激がないとお客様の心を揺さぶることは出来ない。
一生懸命お客様に情報を提供しているが全く効果がないと嘆かれている。
すごい・ヤバい・ステキ・ほんと
など感動感激のひと言がお客様から出てこないと振り向いてくれない。
メールや手紙・はがきなどあらゆる方法でお客様へアプローチをしているのに結果が表れないことが多い。
ただ情報提供したらいいのだと錯覚して送っているからだ。
情報提供よりお客様に突き刺さるメッセージが欲しい。
相手の側に立ってみてどうしたら感動感激してくれるのか考える必要がある。
お客様には大量の情報提供が毎日届いている訳です。
その中から取り出して読んでくれて更に行動してもらいたい。ならばどうすべきかもっと真剣に考えるべきだ。
大量の情報が目の前を通っていく時代。よっぽど感動感激が無いと目にとめてくれない。
ただ情報提供しておけば何とかなるという安直なやり方では無駄にしかならない。
心のこもったメッセージが大切である。
◆支払い意識額を高める◆
お客様がこの商品・このサービスにいくら払ってもいいか(WTP)〈willing to pay〉がとても重要になってくる。
その金額を上げることが会社にとって粗利益が増えることになる。
その為には顧客満足度を上げるしかない。
例えば、ネッツトヨタ南国は、トヨタの販社の規模としては非常に小さい。お客様が高級ホテルに来た気分になるような徹底した接客で対応してすべてに渡って手を抜かない。顧客満足度は非常に高い。しかも、従業員の満足度も高い。だから、値引き販売は一切しない。
商売で手抜きをしないというのは至難の業である。当たり前のこともなかなか出来ないのに徹底したサービスをするのは大変なことである。普通の企業なら諦めてしまう。
顧客の悩みを分析して解決することもWTPを上げるのに役立つ。その為には観察力が求められる。電化製品には多くの種類がある。毎年、高度化して使わない機能がやたらと多いことも有る。
パナソニックや大手企業は競って多機能をうたって新製品を出している。
顧客の中には要らない機能が多すぎて使い勝手が悪いという層もある。引き算によって顧客価値を明確化してアイリスオーヤマは商品を提供している。明確な戦略によりオーヤマは高収益を生んでいる。
商売は万人に受けることを考えず、熱狂的なユーザーに支持されることが一番である。
それこそがWTPを高める。
支払い意識額を高めるためにどうすべきか考えることで、会社の粗利益額も上昇する。
◆時代の先読み◆
コロナ禍で電動自転車や電動バイクで通勤している姿もよく見ます。コロナ対策で電車通勤を避けているのでしょう。
和歌山県のベンチャー企業「glafitグラフィット」2017年電動バイクを販売した。年間2000台の販売が大ヒットと言われていたのに4か月で3000台売れた。
この会社は売れ筋商品を後追いして大失敗した経験を持つ。世の中で流行っているからと飛びついて商売を始めるのと一緒で上手く行くはずがない。
ここで学んだことは流行している時点で後追いしても遅いということである。
流行した時点で下火になりかけておりもうそこから始めても大きな利益は生まないということを学んだ。
人が儲かったと思うとすぐにマネをして始めようとしますが、既に遅いということです。
電動で二酸化炭素の排出はゼロで電気代10円でフル充電でき40キロ走行できる。しかも折りたたんで車に積める。そんな夢のようなバイクを開発した。
通勤はバイクで郊外は自転車で走り坂道はハイブリットで走る。新世代の乗り物である。
時代を先読みして望まれるものを提供すれば購買してくれる。
売れないということはお客様の心に刺さっていない。
本当に望まれるものを提供すればお客様は買ってくれるのです。
◆行動計画が無い計画は失敗する◆
事業計画を発表して推し進めようとする経営者も多いと思います。しかし、1年経っても計画が達成できないことが殆どではないでしょうか。
それは社長や幹部はその計画をわかっていても誰にいつまでに何をして貰わないとこの計画が達成できない。その大切なことが全く落とし込んでいないから中途半端に終わってしまう。
社員1人ひとり、パート1人ひとり、アルバイト1人ひとりが自覚をもって能動的に行動できるかがとても重要になってくる。そこが抜けている会社が殆どのような気がします。その為には行動計画書を各自が描きそれに基づいて行動できなくてはいけない。その行動計画書も毎日更新しておかねばならない。それが実現できている会社はコロナ禍でも業績はいい。
会社は社長一人では回せない。社員が考えて行動する想像力のある仕事が求められる。
その為に社長として何をすべきか考える必要がある。
能動的に考え動く集団に変貌させる必要がある。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆見る目が違う◆
成功する人とそうでない人とではどこが違うのかと聞かれる。見る目が違うと思う。
世の中にある素朴な疑問を流さないで解決しようとする。そこに商売の大きなヒントがある。
その中で自分の人生を掛けて取り組むことは何なのかを見出した人は成功する。
韓国で食料品の早朝宅配サービスを手掛けるカーリーの創業者キム・スラ(37歳)は、その見る目が違っていた。
食料品の通販サービスは今ではどこでもある。普通は昼から夕方に届けるのが通常ではないかと思います。
マーケットカーリーは単身者や共働き家族に的を絞り新鮮野菜・魚介類、調理が簡単な半調理品・簡便食品を揃えて、『早朝配達』する。
女性経営者ならではの『早朝配達』の発想である。夜11時までに注文すれば、翌朝7時までに自宅の玄関前に到着する。ソウル首都圏の人口の2割超の会員を獲得している。絶対的なシェアを握ってしまった。他が追随できない。
商品についても本当の価値のある商品を顧客に代わって選びベストの状態で届けるのが使命だとキム社長は妥協しない。
コロナ禍で需要は大きく伸びているが鮮度と品質が命なのでいくら受注が増えても十分な品質保証が出来ない商品は受注を停止する。
「最優先すべき顧客との長期的な信頼関係」を築いていった。
人生をかける課題を解決するという大きな志が無いと事業は成功しない。
◆越境ECサイト◆
海外の通販サイトなど国境を越えて商品を購入する越境ECが急拡大している。
若者はSNSで拡散された情報をキャッチして抵抗もなく海外の通販サイトから商品を購入する。
もう10年前と全く違った世界になっている。時代の流れが昔と全く違う。10年が1年で変革している。
翻訳サイトもあるし、購入する方法の説明書が日本語でSNSに存在する。
配送や決済サービスも整備されたことも一因である。
ロシアのアイシャドーが#ロシアのヤバい粉と呼ばれ若い人に人気である。人気が出たのは18年でロシア側の担当者は何故売れたかわからなかった。
どこでブレークするか分からない時代である。とにかくSNSで露出しないとどうにもならない。
顧問先で日本郵政の海外配送や決済サービスサイトを一手に引き受けている会社がある。ノウハウがすごいのでコロナ禍でも忙しい。そのノウハウが素晴らしく国内外の多くの企業からアプローチがすごい。
商売というのは発想力だなと実感する。その社長は実践から生まれたノウハウなので他社には発想出来ない。
日本だけで売る発想はもう捨てなければいけない。
日本は島国で生きてきたので、なかなか発想転換できない。
地球儀で商売を考える必要がある。
◆信念を貫き通す◆
食パンブームが少しずつ下火になってきた。
お客様は移り気なので、ブームになる前にオープンした店は儲けている。
ここ1年程度のオープンなら予定の売上も利益も達成できない店が殆どである。
パンは、夏場になると売上が急低下する。
そんな中愛媛県のパン・メゾンの平田オーナーが夏場対策のパンとして塩パンを開発販売した。中はもちもちで溶けたバターがぱりぱりして新食感のパンが出来上がった。肝心の塩もいろいろ試してみてある岩塩がマッチした。試行錯誤の自信作であった。
本人はこれは売れると平田さんは直感した。しかし、売れなかった。
売り続けて4年が経過して徐々に売れ出して評判となり人気爆発して長い行列が出来るようになった。
1日6000個を売る超ヒット商品となった。これが塩パンに誕生である。
自分を信じて信念を貫き通すことはとても勇気がいる。しかし、信念を貫き通す強い意志が無いと商売はブレてしまう。
コロナ禍で大変な状況に陥ってどうすればいいか先が見えない経営者もいる。
自分が自信をもって貫き通せるものは何かをしっかりと見極めて惑わず進めることである。
自分は何をもって社会に貢献できるのかがとても大切になってくる。
社会にとって存在価値が無いものは将来消えていくしかない。
◆工場のデジタル化◆
日本の中小企業の工場は昭和時代からの流れの労テク中心の工場が多い。職人に頼った生産性の低い現場になっている。
菅総理は生産性を向上させ中小企業の競争力強化を図ろうとしている。しかし、資金も人材もない中小企業にとってとても難しい課題である。
工場のデジタル化を後押しする助っ人として『ファクトリーサイエンティスト(FC)』が出現した。
FCとは、現場起点でIOTなどを活用したデジタル革命を経営陣へ提案し実装出来る人材である。より現場を尊重して発想できる人材である。
例えば金型加工工程で側面にセンサーを取り付け異常な状態になっているとアラートで知らせる。
従来なら点検に一日3時間かかっていたのが時間削減でき、生産性向上が図れる。
ファクトリーサイエンティスト協会で学んだ経験と知識で工場の生産性を上げている。
この協会は中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の後押しをしている。
製造現場のIOT化で浮かせた時間と資本を付加価値の高まる起爆剤にする必要がある。
先進国で一番労働生産性が低い国(日本)からの脱却を図らないと中小企業の将来はない
◆ファクタリングの危うさ◆
中小企業の資金繰り対策でファクタリングや購入型のクラウドファンディングなど新手法があり経営者が上手く活用すれば利点も多い。
資金に行き詰まり銀行から資金調達出来ないからファクタリングを利用する経営者もいます。手数料も売掛金の10%超を取るファクタリング会社もあります。
中小企業ではそれほど多くの粗利のある商売をしているとは思えない。一時的に使うならいいが、頻繁に使っているようでは、必ずどこかで行き詰る。
銀行融資に1~2か月かかりそれまでの資金調達として利用するなら効果的だと言える。
ファクタリングが慢性化した資金調達方法になれば先行きは危うい経営になる。
中小企業と言うのは、資金繰りがとても大切である。
社長自ら資金繰り表を作成できる力が無いと安心した経営が出来ない。
お金の流れを把握していない中小企業経営者が多い。
私がこの商売をして驚いたのは、資金繰り表を作成していない中小企業が多いことである。それは暗闇の中で商売をしているのと同じである。
銀行に資金繰り表を求められると税理士や会計士あるいは経理に委ねて自分でチェックも出来ず提出している社長も多くいる。
銀行はその資金繰り表を見て質問しても答えられない社長は経営者として信用できなくなる。
拙い資金繰り表でも自分で作成した資金繰り表を提出した経営者の方が銀行からの評価は高い。
行き当たりバッタリの経営をしていては安定した経営はいつまで経っても出来ない。
正確な数字を把握しないで勢いで売上を上げて黒字化していた社長が勢いが止まって赤字になると会社のどこが悪いのかどう改善したらいいか何から始めたらいいのか全く分からなくなっている社長が多い。
経営者・社長にとって『数字』は生きていくための心臓で血管が詰まってしまうと死に至る。
スムーズに流れていると常に確認できていないとイレギュラーな資金調達に走ってしまう。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆売る力とブランド力◆
昔は市場や商店街には必ず豆腐屋さんがあり、地域では欠かせないお店でした。何故なら豆腐は日持ちのしない食品であったから大手食品が手を出せなかった。スーパーでも地域のお豆腐屋さんが品物を卸していた。
技術革新によって1週間以上日持ちする豆腐が大手豆腐メーカーが売る様になり、町の豆腐屋さんは姿を消していった。町の豆腐屋さんは価格競争に巻き込まれて利益が出なくなっていった。
豆乳などの食品を主に販売している「三代目茂蔵」は東京や首都圏に40店舗以上展開して非常に元気のいい豆腐屋さんである。
運営会社は篠崎屋という会社で埼玉県越谷市に本店がある。ブランド戦略が功を奏している。もともと町の豆腐屋さんでスーパーなどに商品を販売していた。昔と違い、段々と利益の出ない商売になっていった。
三代目の樽見茂会長が「豆腐はただ作るだけではダメだ。自分で売らないとダメだ」と考え、工場の敷地内に直販店を設けて、これを機に小売業に転換していった。
2000年にはスーパーとの取引を止め全商品を委託生産にして開発に特化したビジネスモデルに転換していった。
強みは良い材料を使ったものを低価格で提供する。豆腐以外のラインアップもそろえ新商品をどんどんと打ち出している。
高付加価値商品をと生活を支える安価な商品を組み合わせてお客様に飽きさせない売る力があるから成功している。
中小企業は『売る力』がないといくらいい商品を作っても値段を叩かれるだけである。
『売る力』があるというのは、すごい強みである。
◆お一人様市場◆
コロナ下でも密を気にせず楽しみたいとお一人様市場が広がっている。
もともと単身者が増えているので、潜在的需要は年々増えてはいた。
繋がりを求める時代ではあるが、その疲れを癒したいと「独りになりたい」との願望が生まれている。
スポーツジムでも店内の個室で筋肉トレーニングが出来るように改装をしている所も多い。
サウナも完全個室で予約制のスタイルが好まれている。
キャンプもソロキャンプがブームにもなっている。
ゴルフも1人で回れるコースの予約は一杯になっている。
卓球やテニスも室内で行うときに1人で出来るように改良して予約が一杯になっている。
密にならないようにそして、リフレッシュをしたいというそんな願いを叶えてくれるところを探し求めている。
企業側が知恵を出していかに時代のニーズにマッチさせて提供できるかが勝負である。
時代と共にビジネスモデルを変えないとお客様は離れてしまう。
ビジネスモデルは永遠ではない。
◆健康志向食品◆
世界人口増加と生活水準が上がり食料不足が叫ばれている。
健康志向や環境への配慮も非常に強まっている。
今後の食生活はどのようになっていくのでしょうか?
顧問先でハラール専門の食品を製造販売している会社がある。
ハラール専門の商品なのに三越伊勢丹グループのお中元お歳暮用としてカタログに載っている。ハラールはイスラム教の方専門の食品だと思っていた。高収入で健康に非常に気を遣っている層がハラールの食べ物を好んで購入するという話を聞きました。
ドトールでは大豆ミートを使ったハンバーガーが売られている。食べてみると結構美味しい。
食品製造のフェリーチェ(山口県)は自家製豆腐を原料に代替肉の『TOFU MEAT』の生産能力を倍増するほど需要が高まっている。一般的な大豆ミートに比べて臭いが無く好まれている。この会社は豆腐製造の老舗でもなく異業種からの参入である。
業界に長い間いる会社ほどこのような革新的な発想がなく停滞していることが多い。
今までの常識を否定して事業を進めないと新たな発想は生まれない。
時代は加速的に変化している。
変化を好む会社にすべきである。
◆伝統プラス斬新さ◆
お寺や神社も参拝者が減り経営が苦しいところも多くなってきた。
400年続く築地本願寺も同様でリブランディングに取り組み経営の安定化を図っている。新しい顧客創造をしないと生きていけないので、「開かれたお寺」を目指している。
「築地本願寺カフェ Tsumugi」を創設した。誰もが気楽に立ち寄れるように「18品目の朝ごはん」を提供している。
18という数字は、阿弥陀如来が人々を救うために請願の中の第十八願から来ている。物語が確立されているのも強い。お粥とお味噌汁と16の小鉢が付いて非常にインスタ映えもする。1800円(税抜き)というお値段的には高いが、女性から非常に人気になっている。
伝統にしがみ付いてもダメで、伝統に斬新さを加味させて新たな顧客創造をしないと廃れるだけである。
非常に伝統ある商品も売れなくなってしまって困っている会社を見かける。
良い時代を忘れることが出来ず、新たな試みにチャレンジできずただ防戦一方の会社もある。それでは先はない。
社長の勇気ある決断力が会社の将来を左右する。
リブランディングをして新しい顧客創造が需要になってくる。
◆経営者の統率力◆
多くの経営者は従業員がなかなか思うように動かず悩んでいる。
よくカリスマ性が無いと難しいとか言われる方がいますが、一番大切なことは信頼性である。
未だに田中角栄のことを素晴らしい人物であったと褒め称えている書物も多い。それには訳がある。霞が関の役人は高級官僚で頭脳明晰で専門職的立場ですから政治家も知識では太刀打ちできない。高学歴でない田中角栄は絶対に自分の手柄を部下の手柄としていつも披露していた。部下に花を持たせる達人であった。霞が関で絶大なる支持者も多かった。
よく政治家の演説を聞いているといかにも自分が何かをしたような口ぶりで言っている軽い政治家が居ます。
田中角栄は自分のことを自慢げには披露しなかった。
経営者も一緒で熱狂的な信者が社内にいるかどうかだ。
そして曖昧なことを言わない。YESかNOかはっきり言うことです。
出来ないことを出来るような言い方をすると結果的に信用を無くす。
指示がぶれる経営者は社員から総スカンを食らう。そういう経営者は経営もブレる。
信念のある筋が通ったところが無いとダメなのである。
菅総理の支持率が下がっている。正しくブレた政治判断をしているからだと思う。
国民の命と財産を第一に守ると言っているがそうではない判断をしていると見られてしまっている。信頼を失っているのだ。
圧倒的な支持者を集めているのは、いくら大炎上しようとも信頼性がある人である。そこには嘘が無いからである。
認知度は高いが信頼性が無いと発言力も弱い。
『信用』『信頼』が今の時代にとても大切なキーワードである。
誰のために何のためにこの会社を運営されているか経営者として肝心である。
そこに私利私欲があれば社員の心が離れてしまう。
コロナ禍だからこそ社長の統率力が大切である。
自分を見つめ直し、会社を見つめ直し、社長が今何をすべきかが問われている。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八
◆迷う経営◆
コロナ禍で赤字に転落し、今までのビジネスモデルが通用しなくなった企業も多い。
そのような経営者は本当に苦しんでいる。
今の商売の限界を感じていたが、まだ何とか大丈夫だろうと油断をして経営していた。ところがコロナによって時代の流れが急に早くなって自社のビジネスモデルの陳腐化が加速してしまった。
迷う社長は幹部とどうすればいいかと議論するが答えは出てこない。逆に迷う社長に幹部や社員が不安を抱いて離れていく。逆効果になっていることも有る。
中小企業の場合には社長の色で会社の成長が決まる。社長が迷いを社員などに見せたら不安が蔓延するだけ。
常に社長は安心できる道先案内人でなくてはいけない。
会社の5年先・10年先そして、将来の青写真を描き明確なビジョンを示さないといけない。
コロナ危機のような将来が不安な状況では、社長の統率力が鍵を握る。
誰も経験したことないことを社員にどうすればいいのかと質問しても責任ある回答は出来ない。何故なら社運の判断は出来ない。それは社長しかできないからだ。
社長は不安でしょうがないはず。しかし、不安を社内で蔓延させてはマイナスしかない。
自信をもって導く心意気が必要だ。
社長の迷いこそ会社を空中分解してしまう。このような時こそ自信をもって道先案内人にならなければならない。
経営に迷いは禁物である。
◆生き抜く中小企業◆
緊急事態宣言によって企業活動がまた停滞している。少し上向き加減のところに水を差してしまった。
工場の稼働も激減している。大手が投資を抑えているから受注が減って赤字になっている。職人を置いているから業績が回復した時に仕事がさばけなくなりリストラも出来ずにいる会社も非常に多い。
少ない仕事の取り合いになり価格競争が激しくなり粗利益が少なくなっている。状況が日増しに悪くなっている。
この中で経営者としてどう生き抜くかを考えていないと企業の先はありません。
今までと同じ事をやっていると競争相手も増えて価格競争に巻き込まれ仕事の受注も減ってしまう。
競争相手の無い領域で他社では出来ないものを提供できないと指名の仕事がなく粗利を確保できない。
コロナ禍の間に自社を見つめ直し何で生き抜くかを真剣に考えないと先はない。
生き抜く中小企業は特色が無いと難しいので得意技が無いといけない。その得意技を見出し磨きを掛けていく必要がある。
このコロナ危機を乗り越えるために今までのビジネスモデルではなく生き抜けるビジネスモデルの構築がとても大切になってくる。それを探し出して自社の強みにしないと恐らくコロナが終息後には競争力が無くなり会社の存在意義がなくなる。
時代の流れが速いのでビジネスモデルの寿命も3年だと考えて先さきに次の一手を講じておかないとまた事業が息詰まる。経営に休息はない。
◆遅れた企業改革◆
スーツの青山商事が大リストラを断行する。
2005年のクールビズからスーツ離れは起こっていた。
青山が提供していた2万5000円前後のスーツも割安感が無くなってきた。
ワークマンでは機能性スーツを4800円で提供している。
コロナの影響でスーツ市場が1年で10年分縮んでしまった。想定外の減少に対応が追いついていけなかった。テレワークが行われ会社に行かずに済んだ。スーツを着る機会が激減してしまった。カジュアル化が進みスーツ離れに拍車がかかった。青山は2割に当たる160店舗を閉鎖して残る700店舗のうち6割は売り場を半分にしてスペースを貸す賃貸業に転換する。
スーツの競合店が現れ収益が落ち込み売上も落ちていたが、スーツで稼いでいた青山のスタイルから脱皮できずにいた。
まだ大丈夫だろうという甘えがあった。遅れた企業改革が招いた結果でもある。
将来今の事業は衰退するだろうと予測はしていたがまだ大丈夫だと言い聞かせ変革断行を遅らせてきた多くの企業はコロナ禍で苦しんでいる。
もう、待ったなしの時期が来た。今やらないと会社は消滅する。
スピード感が無いと命取りになる。
◆変化に気づける社長◆
コロナ禍で大変な思いをして商売をされているのが社長です。悩みは尽きないと思います。
余りにも不安が多くて何から手を付けたらいいか分からなくなっている経営者もいらっしゃいます。
会社の今の姿をどこまで正確にしているかとても大切なことです。
それぞれの部署やポジションが組織的に動いているから凝視しなくても流れ作業のように業務は進んでいきます。そこに今までと違う変化や数字の異常値が発生していないか見抜いているのでしょうか。多くの会社は気付いていたとしてもスルーして見逃している。
コロナ禍では具合の悪い事が発生していないのでしょうか思いもよらない数字の異常値が発生していないのでしょうかそこを突き詰めて改善していかないと何が会社で起こっているか
全く分からなくなる。その為には風通しの良い企業でないと真実が表面化しない。分かっていてもややこしくて報告しない。目配り気配りのある会社は必ず発展していく。
会社の企業文化というのはそういう意味でとても大切である。
少しの変化でも逃さない目を持った企業だけがこのコロナ危機からの脱却が出来る。
◆3人組織論◆
中小企業は人材がいないとボヤいている社長も多い。そんなことを言っても今ある人材を有効に活用し最大限の力を出し切っていない。そのような勿体ない企業が多い。
60%の力しか出ていないのかそれとも120%の力を出してくれているのかで大きく結果は違ってくる。
顧問先で試行錯誤しながら今では十二分の力を出して業績も急上昇の会社もある。それもほとんどがパートで工場を回している。社員以上に活躍してくれて社長は非常に顔色も良くなった。数年前はチームを編成してそのチームを管理する人間を設け所謂普通の組織体系で仕事をして貰っていた。ところが全く上手く行かず生産性も向上することもなかった
チーム長が当初は10人~20人の人を見ていたがどうにも人の管理が上手く行かない。コミュニケーション不足も生じ、仕事が円滑に進まなかった。そのチームを徐々に小さくしていった。すると3人編成にすると長は人の管理もフォローも出来生産性も急上昇していった。
人は3人までしか目配り気配り出来ないとの結論に達した。
この方法を他社でも応用すると上手く行くことが多い。
チームは3人編成にし、その上の長を管理するのも3人までとした。そんな組織を積み上げていくと非常に風通しが良い生産性がいい状態になった。
人が隅から隅まで見渡せるのは3人までというのは論理的に間違いではないようだ。
是非、試してみる価値はあると思う。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八