Column

経営コラム

経営のヒントや考え方、時事トピック等をお届けします
経営理念が浸透しない:メルマガ3月21日号
◆ 経営理念が浸透しない◆   経営理念を社員に毎日説明しているのに全く理解を得られていないどうしたものかと相談に来られた。 その経営理念はどの会社でも当てはまるすごく抽象的な文言で一体何を言いたいのか良くわからない。 結構そのような経営理念を作って掲げている中小企業経営者も多い。 それは社長の自己満足であって私たちには何も響かないと社員からの訴えをよく聞く。 経営理念を社員で考えてもらうのは如何ですかと尋ねられる社長もいらっしゃる。 それは経営者放棄ですよとお答えします。 どういう志で会社を経営するかの根本を社員に任せるのは経営者責任から逃げている。 大企業の経営理念は難しい言葉で何行も書かれている事がある。 そのような経営理念は中小企業では必要ない。 その経営理念を聞いてすぐに理解できその経営理念に基づいて行動指針が分かればいい。 中小企業はそうあるべきだ。 スーパーに行っているおばちゃんでも理解できる分かり易くひと言で訴えるべきだといつも言っています。     ◆人材活用◆   コロナ禍で人手不足になり困っている会社も多い。出来る人間にしわ寄せになり生産性向上になっていない企業も多くみられる。 お金の稼げる部署には、稼げる人材を登用し、稼ぐことに専念させないと会社として効率が上がらない。 多様性の時代を受け入れずいつまでも9時から5時までの出勤を週休2日で求め社員を募集している社長もいる。 多様性の時代だからこそ臨機応変に対応すべきである。 40年ほど前に飲食事業をしていたが、なかなか思うような人材が集まらず悩んでいたことがありました。 あの時代の飲食業は今のように高学歴な人はまず来ない。 とても癖のある人が多かった。人のことで色々苦労をしました。 国立大学の学生や有名私立大学の学生を集めてアルバイトだけで店を運営した。 そんなこと無理だと言われましたが、結果的には上手くいった。 仕入れからレジ閉めからシフトの管理まですべてやってもらった。 自分たちで責任もって運営してくれた。学生では考えられない時給を支給していたからいい人材が集まった。 社員で運営するよりキチンと運営出来たので、頭を切り替えて社員にこだわるのを止めた。 そのお陰で多店舗化も出来た。 また若者の商売をするときに色々意見を言ってくれて有難かった経験がある。 最近たくさんの相談を受ける中で45歳以上の中間管理職が構造改革するのにすごく弊害になっている事が多い。 何故なら45歳以上の管理職は今までと同じようにしたいからです。 変化をとても嫌う。 それによってコロナ禍の会社の構造改革が遅れている中小企業も多い。 結局は経営者のやりきると言う覚悟しかない。     ◆ リスキング◆   中小企業のリスキリングは、非常に遅れている。 だから、中小企業の生産性も悪い状態のままである。 最近デジタル化など事業環境の変化に対応するためには社員の学び直し(リスキリング)が欠かせないと言われている。 先進国ではすでに進んでいるが、こういうことは日本の中小企業は非常に遅れている。 それは中小企業の粗利益率が低く、その費用を捻出するのに困っている状況だからである。 鶏が先か卵が先かという問題です。 先行投資して早く会社の生産性を上げるスキルを上げる努力をしなければ会社の将来は無くなってしまう。 社長本人が覚悟を決めて自ら変わり学び直し独自のシステムを構築した会社がある。 倒産危機に会った金型工作所のIBUKIはデジタル人材育成に力を注ぎ売上を2倍に増やして復活した。 社長がどう変われるかにかかっている。 アフターコロナを考えると待った無し状態である。 石油が高騰し、資源が高騰し、あらゆるものが値段が上がっている。 必要とするものも手に入らない状態である。 コストが上がった分をお客様にすべて転嫁できればいいがそうは行かない。 特に中小企業は転嫁が難しい。 頭を切り替えてやり方を変えて超効率的な経営をするしかない。 無駄を省き生産性を上げるしかない。 これが出来ない企業は5年後・10年後には存在できない。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八
本質をつかむ経営:メルマガ2月7日号
◆ 本質をつかむ経営◆   価値観が多様化して大ヒットを生み出すこと自体非常に難しくなった。 国民的アイドルとかは昔の話になった。多様化して好みが細分化していった。 小売業もサービス業もすべての業種でも同様で無難なものは売れない。 ゼロベースで考える必要があり、固定概念などは捨てる必要がある。 過去からの想像では失敗する。 顧客のニーズは何か何を求めているのかそこを深堀して追求する。 自分たちの強みを活かしお客様の心を鷲掴みにして虜にしないとダメである。 そこには妥協が命取りになる。経営者として考え抜く力が求められる。 均等に利を生むことはもうない。利があるかないかしかない。 お客様の心が読めるかである。経営に一切の妥協は禁物である。     ◆失敗は成功の元◆    社員が育たないとか社員が思うように働いてくれないとか言って悩んでいる社長が多い。 多くの社長は社員が失敗するのを恐れ色々指示をしている。 だから社員も受け身になり責任も持ちたくないし、独創的な発想もしない。 よくよく考えて見ると会社での一番の失敗者は社長なのです。 にも拘らず、社員にも失敗を責める。だから、社員は前向きに働かない。 九州に社員がイキイキして活気に満ちた会社があります。 元々ワンマン社長でしたが、頼りにしていた社員が辞めて社長の考え方を180度変えて大成功を収めている。 社員の失敗はすべて社長の責任で責任を一切問わない。 社員の中には何千万や億単位で会社に損害を与えたものもいる。 しかし、その社員はその失敗を活かしその何倍も会社に貢献している。 それでも創業以来ずっと黒字化を続けている。 社員がこれをしたいと言うと『やってみたらいい』と必ず言ってやらせる。 任された社員は何としても成功したいと頑張るそうだ。 自分で考え、自分で決断して前に進む力を社員がつけていく。力強くたくましいから創業以来黒字化を 続けている。 社員の力を信じて社員もそれに応える。 相乗効果が生まれて会社は好転しいく。 そこまで行くには社長も相当な苦労をしていたと思うが地道な努力が実を結ぶ。 ここまで行くと他社の追随を許さない。 そうなると一人勝ちになり益々発展していく。社長の生き様でしかない。     ◆ 純粋さが成功◆    珈琲ブームでスタバックスを筆頭にカフェが乱立し出した。 その一方で昔ながらの喫茶店が街から姿を消していっている。 珈琲専門店は増えていっている。 その中で異彩を放ち注目されている珈琲店がある。 猿田彦珈琲店である。 元々は恵比寿の小さなカフェ店を営んでいたが、その珈琲の魅力に惹かれてコカ・コーラがコラボして 猿田珈琲が世に広まった。 大塚社長は俳優で挫折してスタバのファンから珈琲にのめり込んで独立を果たした。 異色の存在である。 自家焙煎をしてお客様には手間暇かけてドリップコーヒーを提供している。 大塚社長の成功はガツガツしていない純粋さと素直さだと思う。 自分が追い求めている珈琲の魅力を伝えたいと必死に考え行動しているところだ。 なかなか出来そうで出来ないことである。 だから、原宿に出店した店はウイスキーの樽に珈琲豆を入れ香りづけしている。 邪道な方法だと言われているが自らを信じて提供している。 商売は過去に囚われたら終わりだ。 本格珈琲店でありながら焼きたてのパンを提供しているのも美味しい珈琲を知ってほしいと言う 純粋な気持ちから来ている。 如何わしさをお客様が感じたら商売は終わりである。 純粋な一途な気持ちが成功させる唯一の近道だと大塚社長を見ていると感じる。     ◆ 不安になる経営者◆    新型コロナで2年以上苦しいんで来た企業もたくさんあります。 大企業と違い中小企業は体力がないからボディーブローのように徐々に効いている。 多くの経営者は増えた借金をどのように返せばいいのか あるいはもう返せないのではと不安に思っている経営者も多いのではないでしょうか。 この窮地に経営者としてどうしていくのかがとても大切で今後の大きな転機になります。 もうダメだと思って借金付きで会社を売り抜ける人はラッキーだと思います。 多くの経営者はそうは行かずモヤモヤした日々を過ごされていると思います。 借金はどうにでもなるので、それより今後の人生をどう上手く渡っていくかが大切だと考えます。 私は会社の再生より経営者の人生の再生が一番大切だと考えています。 どう軟着陸させて生命力のある人生を取り戻すかです。 そのために今何をすべきかが大切なのですが多くの経営者は何をしたらいいかわかっていない。 正しい方法で正しい順番でコツコツと積み上げていくしかない。 だから、早めに準備しないと間に合わないのです。 2~3年前に死にそうになって相談に見えた経営者夫婦は再生もほぼ完了し人生を謳歌しています。 心に余裕が出来ると良い話が舞い込んでドンドン好転していくものです。 そんな社長は沢山いらっしゃいます。 その社長の素直さと愚直な姿勢しか成功への道はないです。 やればできるので、その社長のやる気次第です。諦めてはいけない。     ◆新たな売り方◆    コロナ禍でリアル店舗が大打撃を受けて赤字に陥った店も非常に多い。 コロナ前には、ランチ難民のために移動式の店舗(キッチンカ―)がビジネス街に犇めいていた。 コロナ禍で出社も減り移動式店舗の売上も減り郊外に移動していった。 物販も同じようにコロナの影響で街に買い物をすることも激減してしまった。 こういう時に商才のある経営者は知恵を絞る。 今まで遠方で街に出られずリアル店舗も行ったことのない人に移動式店舗を利用してもらい体感してもらおうと考えた。 すると意外にも珍しさもあり、またその店に行ってみたかったなど多くの利用者が現れ、売上も予想を 上回ることが多い。 人口の密集地域で商売をするのもいいがあまり競争相手が居ないところで勝機を見出した方が利益を生む場合もある。 地方ならではの商売の仕方もあり、画一的なやり方は当てはまらない。 しかし、ハマった時には大きな利益を生むことが出来る。 商売は知恵と工夫次第である。 コロナ禍だからこそ知恵比べが勝敗を決める。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八
地銀引当金見直し:メルマガ1月31日号
◆ 地銀引当金見直し◆   地方銀行が融資の焦げ付きに備えるために引当金を見直し始めた。 コロナ融資で金利ゼロの保証協会融資を金融機関は増大させた。 ゼロ金利と言っても金融機関は国から1,7%の金利を補助されていた。 コロナで一番恩恵を受けたのは金融機関である。 そのお陰で金融機関はコロナ禍で好決算になっていた。 金融機関はそれまでゼロ金利政策のお陰で半分以上の地銀が実質赤字経営に陥っていた。 ある意味、コロナで救われた。 緊急事態宣言が解除されて我慢していた消費がドッと拡大したが、一時的なものでしかなかった。 年末年始まではまだ良かったが、第6波が来て、コロナ感染者が急拡大し出し街から人が減っていくと同時に消費が落ち込みだした。 飲食業・旅館業・小売業などかなりの打撃を受けてしまっている。 やっと年末年始に盛り返してきたと思っていたのにキャンセルの嵐になっている。 デパートのテナントに入っている大手アパレルはすべて撤退してビジネスモデルの大転換図るという噂も流れている。 デパート自体も集客力の無いアパレルには出ていってもらい集客力のあるテナントに入れ替えたいらしい。 そのような経済情勢を鑑みて金融機関は取引先の査定を行い引当金を積み増している。 将来の倒産リスクを視野に入れている。 今後資金繰りが苦しくなり行き詰る企業が増えてくると見込んでいる。 更に公的支援を行い資金的な支援をすることは政府としても出来ない状況でしょうから景気は減速局面を迎えるだろう。 アフターコロナの経営をどうしていくか経営者の手腕にかかっている。 しかし、万が一のことも考え経営者としてリスクヘッジを講じないと痛い目にあう。 二段階構えで臨まないといけない。     ◆粗利益とフリーキャッシュフロー◆   中小企業は粗利益とフリーキャッシュフローがとても大切である。 特にコロナ後の経営を考えるとこの考え方が重要になってくる。 コロナで借入額が増えた企業は非常に多いはずです。 しかしながら売上も利益も戻っていない企業も多い。 何とか補助金や助成金で辻褄を合わせている所もある。 売上を取りに行くことばかり考え粗利益が取れなければ行き詰る経営になってしまう。 材料費が高騰し人件費も上昇しガソリンが高騰し商売としては値上げをしないと採算がのらないところも出ている。 だからこそ綿密な計算をして利益を確保する経営をしないと先行きが危うくなる。 顧問先で過去に大手流通業の仕事をして売上を拡大していったが急に自社でやるからと商売を打ち切られた企業がある。 そのお陰で多大な借金を抱え財務状態が非常に悪化して苦しんだ経験がある。 その経験から粗利益とフリーキャッシュフロー経営を基本として各商品別の粗利益を細かく算出している素晴らしい経営者がいます。 多くの中小企業経営者を見てきましたが自社製品やサービスの粗利益を正確に算出している中小企業は殆どない。 だから利益も出ないし、資金繰りも苦しくなる。 その社長のスキルは大したもので是非今まで培ってきたノウハウをパケージにして売ることも考えて欲しいと依頼した。 それが出来れば多くの中小企業経営者が助かる筈です。 何故なら中小企業経営者で一番大事なのは粗利益とフリーキャッシュフローだからです。     ◆ こだわりが競争力◆    新潟県三条市にアウトドア用品のスノーピークという会社がある。 アウトドア用品と言えばアメリカのコールマンが世界的に有名である。 このスノーピークは、5年で売上高を2倍にし急成長をしている。 コロナでアウトドアが更に注目されたが、この会社はコールマンなど競合他社に比べて価格が2倍ほどする。 高価でもこだわり抜いた製品をつくりブランド力を高めている。 安価な商品で溢れているキャンプ業界で異彩を放っている。 他では作れない独創的な商品を提供している。 例えば、紙一枚の精度で形成されたマグカップを他社の倍以上の値段で提供している。 永久保証のアフターサービスも充実している。 それだけ商品に自信があるのでしょう。中小企業ほど粗利益を稼がないと生きていけない世の中になってきた。 利の薄い商売はロットが大きければ成り立つ。 大企業しか無理である。 そこをわかって商売をしないと埋もれてしまい会社も無くなる。     ◆ 小さいから生きられる◆    参入が難しかった日本酒の製造で制限が緩和された。 免許を取得して日本酒製造に参入するスタートアップ企業が出てきている。 需要が伸びている輸出用に限って製造でき輸出専用のクラフト日本酒の若い起業家が出てきた。 それも日本酒業界に居なかった人たちが参入してきた。 若い彼らだからこそ老舗酒蔵が構造的に効率の悪い経営をしていることに気づいてきた。 効率悪いから人手も多くかかります。しかも品質管理に関わる設備も高コストになっている。 酒蔵の非効率的なことを排した小さな生産規模だから経営が成り立つのが分かりIT駆使して製造経営をしている。 このように外から見ると既存の業界の弱点が良く見え改革していけることが多い。 中小企業だからこそできる事中小企業だからこそ成り立つことが必ずある筈です。 そこを顕在化していけば成功を収めることが出来る。 中小企業だからこそ出来ることを極めれば必ず活路を見出せることが出来る。 それこそが中小企業の唯一の生きる道である。     ◆変わる飲食業界◆    コロナで大打撃を受けた飲食業界であるが、大きく変わっている。 和食店で『梅の花』は、豆腐や湯葉を中心にした和食店を展開して上場までしている。 女性や高齢者に多くのファンを持ち堅実な経営をして拡大していっていた。 宴会や会合の会食も減り今までの業態では成り立たなくなってきた。 中華料理の梅香をオープンしたり焼肉のKUROTOAKAをオープンしたりショッピング街や飲食街に 積極的な出店をしている。 ビジネス街から住宅街に出店を舵を切ったお店も数多くあります。 都心の駅前の家賃が高い店でも集客力があったから成り立っていたがコロナによって目途が立たなくなった。 こんなに素晴らしい立地なのに空き店舗のままになっているビルが街の中に存在している。 貸しビル業をしていた私にとっては衝撃的な出来事でした。 コロナによって大きく価値観が変わりビジネスのやり方も変えないといけないのだなと痛感させられる出来事がたくさんあります。 コロナによって今までの常識が通用しなくなった。 経営者は頭をリセットしないと生きていけなくなった。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八
ザクロ経営:メルマガ1月24日号
◆ ザクロ経営◆   ゲームや野球で有名なDNAが起業家輩出会社に変貌しようとしている。 創業者の南場会長はDNAから人材を流出したくないと当初は食い止め作戦を講じていたそうです。 しかし、時代と共に考え方がかわり、今では起業家を輩出する会社に変貌させようとしている。 起業する時には出資も2割どまりにして緩やかな関係にしているそうです。 年齢不問でどんどん打席に立たせてあえて失敗50%の仕事を無茶ぶりでさせる。 優秀な人ほど挑戦魂に火をつけて起業を促す。 それが人材育成術だと言っている。 商売のやり方や広告の仕方など全く10年前と違っている。 TikTokなどを利用しヒット商品を作り上げることなどの発想は若者しか出来ない。 自分の感受性と合うからこそこれだとわかる。 感性がずれていると必ず失敗する。 私も20代に20店舗以上の飲食店を展開していたが、30代になり自分の感性と違うと感じ、商売のやり方を方向転換した。 DNAと同じように飲食店をのれん分けして独立を促し自分の感性で店を運営させる仕組みに変えた。 そのお陰で店を閉めることをしなくて済んだ。 反対にどんどんと広げることが出来た。 経営者は年と共に必ず時代に付いていけなくなる。 その時にどうするかで大きく会社が変わる。 いきなりステーキが業績悪化して店をどんどんと閉めていっている。 あれはテレビで見ているとあまりにも社長がお客様の感性と食い違っているのに口を挟み過ぎだと思えた。 商売は感性が大切だ。感性も劣化していく。 それをどうカバーして事業に活かすかが勝負だ。     ◆社長は忍耐業◆   社長は忍耐業である。 特に中小企業の創業者はスーパーマンで何でも一人でやってきたからすぐに口出ししてしまう。 これが人育たない原因である。 しかし、自分ならもっと早く失敗しないで出来るという想いがあり、我慢できなくなり口を出してしまう。 段々と部下は自分で考えるより社長に直接聞いた方が楽だと知るともう自分で判断しなくなる。 この繰り返しが重なり会社全体が受け身となり考えない判断しない会社になってしまう。 出来る社長程そのような会社になり、社長は何故うちの社員は自分で考えず受け身なのかと悩んでいる。 すべて社長に原因があるわけです。 先代がワンマンで会社が考えない受け身の典型的な会社があった。 後継者はとても苦労する。 考えないことが美徳で染み付いた企業だから自発的に考えることをまずすることからリハビリしないといけない。 当初現社長は指示を出さないとか何を考えているかわからないとか色々批判を浴びましたが2年の歳月がかかりやっと自主的に考える会社に変貌していった。 創業時はスーパーマンの社長でないと伸びない時期があるのも事実かもしれないが組織が出来てくると社長自身も変わり我慢を覚えないといけない。 すぐに回答を述べるのは極力避けていくべきだ。 それより質問して自分の意見に近づけようにもっていける技を身につけるべきだ。 絶対に社長は答えを言わない。 こうしたらいいのではもダメである。 答えを待つ余裕がないと社員は育たない。     ◆ 社員は教育しない◆   社員が育たないと困っているという声をよく聞きます。 多くの場合には外部に委託して大金を使って教育しているのに上手くいかないと苦悩を訴えてくる。 いくら大金を使おうが社員が心から納得して共感していないのであれば心の底から動くはずがない。 教育という大それたことを言うから間違っている。 教育ではなくしつけをする。 これが大切だと思っている。 子供に親が何度も何度も同じことを言ってしつけします。 それと同じだと思う。 教育ではやらされた感があり定着していかない。 社員を育てるのは社長の責任であって育つ土壌を作っていないからである。 社長が考えている社員はこうあってほしいと言う基本的な考えがあるなら自ら社員に対してしつこく説いていく努力を惜しまないことです。 たいていの場合には面倒くさいから社員や外部に任せて社長の考えを説いていかない。 中小企業でまだ人数が少ない時こそ社長の考えていることを説いて会社の文化として育てていかないと 会社には根付かない。 愚直にも社長が毎日毎日耳にタコ出来るほど社員に訴えてきた会社は社員が社員を躾していく。     ◆ 社長には右腕が必要◆   才覚あって会社を創業しぐんぐんと業績を伸ばしてきた素晴らしい社長がいらっしゃる。 あまりにも猪突猛進するので周りが追い付いていけない。 社長本人にすれば周りの人間が何故出来ないのかと落ち込んで悩んでいる。 その時に言うのは社長のようなスーパーマンが会社に居たら恐らく独立してこの会社に居ませんよと返答している。 社長と同じ事が出来るだろうと望むこと自体間違っている。 社長の望む3割してくれたら有難いと思う気持ちでないと上手くいかないですよという。 あの大打者イチローでさえ10打席のうち7回ほど失敗する。 人は失敗して成長するものです。完璧に出来る人は誰も居ない。 会社で一番失敗の多い人は社長有る筈です。 成功している社長を見ていると社長を支えている右腕の存在が大きい。 社長一人では会社と社員をコントロールするには限界がある様に思います。 SMAPもやり手のマネージャーが居たからあそこまで成功したと言われている。メンバーの努力もあるでしょうが支える人の力も大きいはずです。 初めから成功を100%望むなんてあり得ないと思います。 自分は失敗しているのに部下には100%成功を望むこと自体あり得ない話である     ◆仕事は平準化◆   アフターコロナで大切なことは生産性の向上である。 先進国で一番生産性が低いのが日本でありますからこれを改善したいと政府は躍起になっている。 高度成長期に人が働く若い人もたくさんいて売上も所得もぐんぐん伸びて将来に希望の持てる日本だった。 その時の流れのまま商売をしている会社も多い。 所謂アナログで商売をしている。 それでも儲かっていたからアナログ経営を継承されている。 そんな企業もまだまだ日本にはある。 現場を見ていると理由のない仕事をしている。 例えば、右から左にモノを移動する時に何故しなきゃならないかと聞くと昔からやっているからと答える現場の担当者がいる。 それは理由のある仕事ではなく作業であって意味のない行為である。 その行為を省いていかない限りいつまでも生産性は上がらない。 例えばAからB、そしてBからCへと作業をしている時にBがとても優秀でBの人に仕事の負担が多い現場をよく見かける。 結局、Bに負荷がかかり仕事がBで停滞している時がある。A,B,Cの作業をストップウォッチで図りAが15秒、Bが30秒、Cが15秒掛かっているなら、Bの仕事をAとBに分け与え平準化して20秒平均の仕事にすればいい。 そうすればスムーズに仕事が出来生産性は20%以上上がり人も減らせることが出来る。 そのようなことを実践してコロナ前より25%以上生産性が向上し売上利益も増大している顧問先も存在する。 人がなかなか集まらないという声もありいかに生産性を上げて粗利を稼がないとコロナ前より増えた借入を返済する原資が出ない。 生産性向上は待ったなしの状況である。実践していかないと会社の将来は無いに等しい。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八
経営者の能力は仮説力:メルマガ12月20日号
◆ 経営者の能力は仮説力◆   優れた経営者は仮説を立てる能力にとても優れている。 仮説を立てる時に落とし穴がある。 それは得意なジャンルで仮説を立てる時である。 何故なら得意分野だから自分は知っているという先入観で物事を見てしまう。 業界に長い間いる人ほど業界の常識に囚われ新しい発想が浮かばない。 だから、全くの異業種からの新たな参入者に一気にシェアを奪われることがある。 新規参入者はITを駆使して斬新的な仕組みを構築して顧客を取り込んでしまう。 インターンネットの普及で業界1位が安泰ではなくなった。 シェアはいつでも奪われる。 思い込みの仮説が一番やってはいけない。 どこで素晴らしい仮説が思い浮かぶかわからない。 ちょっとしたきっかけが大きな利益を生むこともある。 会社の中に長い間居れば素晴らしい仮説が浮かぶかというとそれは全く別物である。 仕事のバリューというのは時間ではなく中身である。 経営者は365日24時間考え抜いているとどこかで素晴らしい仮説が浮かび上がってくるものです。 もう一つ経営者で思うのは、追い込まれるほど素晴らしい仮説が出てくる。 追い込まれたときに経営者の能力の差が出る。 経営者の真価が問われる時だ。     ◆何をしたいのか◆   社長の話を聞いていると会社の業績が悪いのは社長にあるなと思うことが多い。 それは社長の考えが纏まっていない。 つまり何をしたいのか良くわからない。 信念のある経営をしていない。 その時その時を乗り越え行き当たりばったりの経営をしている。 面談の時に色々と問いかけていくのですが答えが曖昧になってくる経営者もいらっしゃる。 自分の事業を通してどうしたいのか全く信念がない。 突き詰めて考えていない。 中途半端な考えだから競合他社に負ける。 単に考えるのではなく考え抜かないとダメである。 誰もが考えられることなら差別化出来ない。 誰も考えられないことを考えなきゃいけない。 そこまで考え抜く必要がある。 考え抜き力こそ社長の力である。     ◆ リメーク時代◆   生地を染め直したり、繋ぎ合わせたりする古着の「アップサイクル」に注目が集まってきている。 古着や在庫品を集めて他にない1点ものに生まれ変わらせて販売するサービスが自分らしさを大切にするZ世代の心を掴んでいる。 大量消費時代から脱大量消費時代に転換されつつある。 Z世代には新鮮であり他と被らないと言う個性が出せるのがなんとも言えない感じになっている。 カジュアル衣料「スピンズ」を運営する京都の古着屋「USEDを拡張する進化型古着屋【森】」には連日アップサイクルの注文が舞い込んでくる。 良品計画など大手も回収した衣料を洗い直しアップサイクル商品として再販売する所も出てきた。 どうやってZ世代の心を掴むかはそのセンスが一番の決め手である。 ただアップサイクルするだけでは時代に取り残されていく。 益々新しく作った服が売れない時代でアパレルメーカーは難しい時代に突入した。 物を買わない時代で利用する時代にハッキリ転換されてきた。 このような時代に自社ビジネスを頭をひねって時代に即した革新を遂げるかが生き延びるための秘策である。 頭の固い経営者はもう化石になって取り残される時代である。 昔の商売のやり方では本当に通用しなくなったと肌で感じる時代である。 アフターコロナでどうするかが問われている。 中小企業経営者は頭をリセットしないと生きていけない。 そのためには若い世代をどう活かすかとても重要なポイントになる。     ◆ 金融機関のリスクヘッジ◆   この2年で政府がコロナ対策として超金融緩和策を講じて中小企業に多大なる貸付を増やした。 そのお陰でコロナがなければ倒産していた企業が生き延びてしまった変な世の中になってしまった。 どうにもならないと民事再生を申請しようと考えていた企業が金融機関から多額のコロナ融資を受け生き続けている。 結局は焼け石に水で徐々に弱っていき資金も枯渇していき倒産してしまう結果になる。 コロナ融資を多大に受けさせて既存の金利の高いプロパー融資を金利が安いコロナ融資にシフトしましょうと上手く話をもっていき金融機関のリスクヘッジを講じている。 将来その会社が倒産しても保証協会付融資だけなら金融機関には損は生じないと他人事のように静観している金融機関も多い。 保証協会付融資だけなら金利も払わない状態にして代位弁済してくれた方が金融機関として手離れして 楽だと言っている。 変に金利だけ払われると毎月その会社に出向き様子を伺ったり手間暇がかかるから嫌がっている。 この企業を何とか救いたい助けて再生したいと考えている銀行員なんて殆どいないのではないか。 そんな気がしている。 昔は銀行員が親身になり何とかしようとしていた。 今はそこまで踏み込んで支援する銀行員は少ない。 これも政府が中小企業再生支援協会を設置して認定機関が経営改善計画を策定しそれに沿って再生しましょうと言う丸投げ行為をした後遺症である。 そのお陰で他人事になり何もしなくなった。 こんなことで良いのでしょうか。 だから貸主責任意識が希薄になっている様に思う。 金融機関が逃げることしか考えなくなっている。 これでは地方の再生も出来ないと危惧する。     ◆デジタル技術の進化◆   会計をするときのレジの混雑は非常に非効率的である。 急いでいる時などは何とかしてほしいといつも思ってしまう。 特にスーパーのレジは三密だしコロナ禍では非常に嫌がられる。 福岡にあるディスカウント店では先進的なレジを5000台導入し自動決済機能でレジの待ち時間を省きデータ分析でお客様のお薦め機能で販売促進をしている。 これからの日本を考えると労働力不足になるし、人しか出来ないサービスに店員が注力する必要がある。 先進国で一番低い日本の最低賃金はうなぎ上りに上昇していくだろうし、消費税も必ず上がるだろう。 こんなにコロナで政府が資金をバラまいたからには政府が資金を回収していくのは当たり前の論理である。 そう考えると企業はいかに効率化を図り粗利益率を上げる努力をしないと今後利益を生むことが 不可能になってくる。 先日銀行の方とお話をしていましたが、コロナ融資で倒産は減っている。 支援金や助成金など営業外収入でプラスになっている企業、つまり営業利益はマイナスの企業が今後どう回復するかが焦点であると危惧しているそうです。 それが出来ないようではコロナ融資の保証協会付融資が代位弁済されていく企業が増え景気もどこかで 急ブレーキがかかるときが来るように思いますと口をそろえて言っている。 いかに生産性を向上させる努力をしているかが今後の経営に大きく左右する。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八
不屈の精神:メルマガ12月6日号
◆ 不屈の精神◆   不屈の精神は人に感動を与える。 人に感動を与えるから人は何かを感じてその人に付いていく。 オリンピックのマラソンで力尽きそうになっていても完走している姿にも共感したはずです。 中小企業経営者も同じでコロナで会社に多大な被害を被っても諦めずに前を向いて必死に頑張っている姿には周りの人間も付いていくはずです。 指導力あるリーダーになりたいなら不屈の精神を持っていなければならない。 不屈の精神は周りを勇気づけ引き付ける。 自分に確信をもって周りに伝えればその経営者の言葉を信じて付いていくはずです。 言霊を発しなければ理解も得られないし信じてもらえない。 経営者が何を考え何をしようとしているかをはっきり伝えていく必要がある。 多くの経営者はもうひと頑張りすると先が見えてくるのにその手前で諦めてしまう。 私は顧問先の皆さんに前を向いて頑張れるように勇気づけている。 こうすれば出来るはずだといつも前に一歩推し進めている。 コロナ禍でも遠方からわざわざ元気をもらいたいと会いに来られる経営者も多い。 それは不屈の精神を沸き立たせることが私の仕事だからです。 不屈の精神は必ず業績の扉を開き苦難から這い上がることが出来ると信じて疑わない。     ◆現場と本部との責任意識◆   現場に経営者感覚をもって仕事をしてほしいとよく聞きます。 今まで本部の言う通りにしておけばいいのだと上から指示を出していた。 急に転換をされてしまった。 本部統制に限界を感じて経営者感覚を持てと言われても現場としてはなかなか出来るものではない。 現場がすべてだと言い、現場に利益責任を持たせて経営感覚をもって対処してほしいと責任転換されてしまって困り果てている現場をよく見る。 現場に余計な負荷を掛けると本来すべきことが出来ず悪循環になるケースがある。 飲食店でオーダーミスをしたりしてお客様に迷惑かける時がある。 その時の対応がおかしい時がある。 店側がどうしましょうと言ってくる。 謝らない店員も多いのに驚く。 物販でもそうですが今の時代ミスをミスと認めず謝らない時が多くなった。 一方ですごく丁寧で気持ちのいい接客をしてくれるとついつい買ってしまいたくなる。 恐らくその混乱状況を本部は把握していないだろう。 そうやって会社は劣化していく。 どの業種の商売でもそうだが、人間教育が大切である。 人としての最低限の思いやりや目配り気配りが出来ていないとどうにもならない。 無理な負担を掛ければムラが生じてしまい、ひいては無駄が生じて意味のない仕事になる。 仕事を丸投げして責任を取らせる体制になっているから現場は混乱してしまう。 本部は自分の身を守ることを第一としている。 だから責任を押し付けてしまっている。 上に行くほど責任を取るのが当たり前の時代から上に行くほど責任を取らず下の人間に責任を負わせる そんな世の中に変わったような気がする。 潔さが無くなってしまった。 責任を取らないトップが会社をダメにする。 会社の責任はトップにある。 そんな覚悟が無いようでは部下は誰も付いてこない。     ◆ ゼロ発想◆   新型コロナによって世の中の風向きが変わってきたのは、経営者なら感じているはず。 慣習や前例に基づいて何を判断すること自体危険なことでしかない。 実際に私のところにコロナによって大きく売り上げを下げて何とかしたいと相談にお見えになった方は たくさんいらっしゃいます。 売上を伸ばすためにどうしたらいいかという短期的な問題として処理をしても意味がない。 中長期的にこのビジネスモデルが通用しなくなるのが明白なら事業モデル事態やめた方が良いのではないかという提案をした経緯もある。 何が本質的に問題なのかを把握することが大切である。 そもそも問題を提起して議論する必要がある。 俯瞰視点で物事を見ないと判断を誤ってしまうことがある。 井の中の蛙になり広角に物事を捉えきれなくなる。 つまり自分視点ではなくお客様視点・相手視点で問題を解決することがとても大切になってくる。 出張する時や旅行する時に色々な交通手段が考えられます。その人の立場になりどれがいいかを選択する必要がある。 私は東京と神戸を毎月行き来してます。ある人から時間が無駄だから飛行機で行かないのと聞かれたときがある。 私の理由は、新幹線は時間が掛かるが、移動中仕事が出来るし本数が多いから時間を気にせず移動できるそんなメリットがあるからです。 相手視点で物事を考えられる力があれば成功するはずです。 商売はやはり相手に寄り添うことが一番大切である。     ◆ コロナ後の経営◆   コロナは時代の移り変わりを一気に10年早めてドップリとデジタル社会に引き込まれてしまった。 ゆっくり時代と共に商売の在り方も変えていこうと思っていたのにこの急激な変化に付いて来られない企業も出てきている。 そういう意味で淘汰される時が早まった。 一番大切なことは企業である以上、利益を出さないと存在意義がなくなる。 そのためにどうすればいいか経営者として考えなくては将来はない。 未だにコロナ前と同様な商売のやり方をして赤字を垂れ流している企業もある。 そしていかにデジタル化を進め生産性を上げるかを促進すべきである。 コロナ融資はここに投資するのが一番有効なやり方だ。 無駄なこと・競争力のない事競合他社に勝てない事を削ぎ落して何で勝つかを決定して更に尖がった戦略で勝ち進めるべきである。 中途半端が一番危険だ。     ◆問題解決能力◆   会社の問題はたくさんある筈である。 しかし、多くの経営者はたくさんあり過ぎて何から処理していいか分からない時がある。 何事にも優先順位があります。 会社にとって何が重要な課題かを見つけ出すことが大切です。 それが出来ないのに右往左往しても始まらない。 そのためには経営者が考える問題を箇条書きに列記してみるのが一番分かり易い。 次にやるべきことはリサーチである。業界のことを調べる。 競合他社のことを調査し強みや弱みも調べまくる。 インターンネットだけで調べるのではなく自分自身で動いて生きた情報をキャッチすることがとても大切になってくる。 そのためにも現場に行って生の情報を取得し想定外の情報収集が出来るはずです。 ここが競合他社に勝つためには大切な要因になる。 問題解決能力はいかに多くの情報を集め取捨選択していくかが欠かせない。 薄っぺらな情報だけで大切な判断をしては必ず失敗する。   株式会社 Jライフサポート 三條慶八