取引する銀行は1行? それとも複数?

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『経営の極意』(フォレスト出版)
「会社と家族を守るための銀行交渉術」より
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【取引銀行が一つだと、その銀行の思うツボ】 

地方に行くと、1つの銀行だけとしか取引がない会社がけっこうあります。 

話を聞いてみると、高い金利を設定されていたり、
自宅まで担保に取られたりと、概して、その企業にとっていい条件で
取り引きしていません。 

銀行にとっては、他に競争相手がいないのをいいことに、
割のいい商売をしているわけです。

「なぜ他の銀行とは付き合わないんですか?」 と聞くと、
「お世話になっているから」「よくしてくれるから」
「悪いと思って」などという、きわめて日本人的な答えが返ってきます。

しかし、社長が低く出れば出るほど、銀行は勘違いして横暴になっていくのが現実です。
腹の中で「誰のおかげで商売ができるんだ」と思われているかもしれません。 

【できれば3行から借入して競争させる】 

銀行との取引もビジネスのうちです。 
完全に主導権を握られてはいけません。対等であるべきです。 

複数の銀行、できれば3行と借入して、競争させていい条件を勝ち取りたいものです。 

新規の借り入れができるとなれば、安い金利、担保なしの融資など、特別の条件を出してくれるかもしれません。

銀行は貸出先の企業が激減しています。 
なぜなら、後継者がいなくて、やめていく企業が増えているからです。

銀行が提携や合併するのは、取引先がドンドン減っているからです。

金利をもらわないと、銀行として商売が成り立ちません。 
新規の取引先が増えるのは、ありがたいことなのです。 

あくまでも、銀行とは持ちつ持たれつ、対等の関係が理想です。 

【付き合うべき銀行の見分け方】

では、どんな銀行と付き合えばいいでしょうか。
まずは日本政策金融公庫に窓口を開いておくことをおすすめします。 

日本政策金融公庫は財務省管轄の特殊会社で、
5つある政策金融機関の1つです。 
コロナ禍で増えたとはいえ、まだ付き合いがないという中小企業が時々あります。

次に、地元の信用金庫、地方銀行です。
近年、都市銀行は行員や支店を減らしているので、信用金庫や地銀がいいでしょう。 

複数の銀行に借入れ窓口を広げておくと、経営に幅が出ます。
銀行は貸し出しを積極的に行う支店長の次に、
消極的で固い支店長が赴任することが多いものです。

ですから、複数行と取り引きしていないと、
うまくかみ合わない時があります。 そのリスクヘッジのためにも、
複数行と取り引きをしておきたいところです。

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