地銀引当金見直し:メルマガ1月31日号

地銀引当金見直し

 

地方銀行が融資の焦げ付きに備えるために引当金を見直し始めた。

コロナ融資で金利ゼロの保証協会融資を金融機関は増大させた。

ゼロ金利と言っても金融機関は国から1,7%の金利を補助されていた。
コロナで一番恩恵を受けたのは金融機関である。

そのお陰で金融機関はコロナ禍で好決算になっていた。

金融機関はそれまでゼロ金利政策のお陰で半分以上の地銀が実質赤字経営に陥っていた。
ある意味、コロナで救われた。

緊急事態宣言が解除されて我慢していた消費がドッと拡大したが、一時的なものでしかなかった。

年末年始まではまだ良かったが、第6波が来て、コロナ感染者が急拡大し出し街から人が減っていくと同時に消費が落ち込みだした。

飲食業・旅館業・小売業などかなりの打撃を受けてしまっている。
やっと年末年始に盛り返してきたと思っていたのにキャンセルの嵐になっている。

デパートのテナントに入っている大手アパレルはすべて撤退してビジネスモデルの大転換図るという噂も流れている。

デパート自体も集客力の無いアパレルには出ていってもらい集客力のあるテナントに入れ替えたいらしい。

そのような経済情勢を鑑みて金融機関は取引先の査定を行い引当金を積み増している。
将来の倒産リスクを視野に入れている。

今後資金繰りが苦しくなり行き詰る企業が増えてくると見込んでいる。

更に公的支援を行い資金的な支援をすることは政府としても出来ない状況でしょうから景気は減速局面を迎えるだろう。

アフターコロナの経営をどうしていくか経営者の手腕にかかっている。

しかし、万が一のことも考え経営者としてリスクヘッジを講じないと痛い目にあう。
二段階構えで臨まないといけない。

 

 

粗利益とフリーキャッシュフロー

 

中小企業は粗利益とフリーキャッシュフローがとても大切である。
特にコロナ後の経営を考えるとこの考え方が重要になってくる。

コロナで借入額が増えた企業は非常に多いはずです。

しかしながら売上も利益も戻っていない企業も多い。

何とか補助金や助成金で辻褄を合わせている所もある。

売上を取りに行くことばかり考え粗利益が取れなければ行き詰る経営になってしまう。

材料費が高騰し人件費も上昇しガソリンが高騰し商売としては値上げをしないと採算がのらないところも出ている。

だからこそ綿密な計算をして利益を確保する経営をしないと先行きが危うくなる。

顧問先で過去に大手流通業の仕事をして売上を拡大していったが急に自社でやるからと商売を打ち切られた企業がある。

そのお陰で多大な借金を抱え財務状態が非常に悪化して苦しんだ経験がある。

その経験から粗利益とフリーキャッシュフロー経営を基本として各商品別の粗利益を細かく算出している素晴らしい経営者がいます。

多くの中小企業経営者を見てきましたが自社製品やサービスの粗利益を正確に算出している中小企業は殆どない。

だから利益も出ないし、資金繰りも苦しくなる。

その社長のスキルは大したもので是非今まで培ってきたノウハウをパケージにして売ることも考えて欲しいと依頼した。

それが出来れば多くの中小企業経営者が助かる筈です。

何故なら中小企業経営者で一番大事なのは粗利益とフリーキャッシュフローだからです。

 

 

こだわりが競争力◆ 

 

新潟県三条市にアウトドア用品のスノーピークという会社がある。

アウトドア用品と言えばアメリカのコールマンが世界的に有名である。

このスノーピークは、5年で売上高を2倍にし急成長をしている。

コロナでアウトドアが更に注目されたが、この会社はコールマンなど競合他社に比べて価格が2倍ほどする。

高価でもこだわり抜いた製品をつくりブランド力を高めている。

安価な商品で溢れているキャンプ業界で異彩を放っている。

他では作れない独創的な商品を提供している。

例えば、紙一枚の精度で形成されたマグカップを他社の倍以上の値段で提供している。

永久保証のアフターサービスも充実している。
それだけ商品に自信があるのでしょう。中小企業ほど粗利益を稼がないと生きていけない世の中になってきた。
利の薄い商売はロットが大きければ成り立つ。
大企業しか無理である。

そこをわかって商売をしないと埋もれてしまい会社も無くなる。

 

 

小さいから生きられる◆ 

 

参入が難しかった日本酒の製造で制限が緩和された。

免許を取得して日本酒製造に参入するスタートアップ企業が出てきている。

需要が伸びている輸出用に限って製造でき輸出専用のクラフト日本酒の若い起業家が出てきた。

それも日本酒業界に居なかった人たちが参入してきた。

若い彼らだからこそ老舗酒蔵が構造的に効率の悪い経営をしていることに気づいてきた。

効率悪いから人手も多くかかります。しかも品質管理に関わる設備も高コストになっている。

酒蔵の非効率的なことを排した小さな生産規模だから経営が成り立つのが分かりIT駆使して製造経営をしている。

このように外から見ると既存の業界の弱点が良く見え改革していけることが多い。

中小企業だからこそできる事中小企業だからこそ成り立つことが必ずある筈です。

そこを顕在化していけば成功を収めることが出来る。

中小企業だからこそ出来ることを極めれば必ず活路を見出せることが出来る。
それこそが中小企業の唯一の生きる道である。

 

 

変わる飲食業界◆ 

 

コロナで大打撃を受けた飲食業界であるが、大きく変わっている。

和食店で『梅の花』は、豆腐や湯葉を中心にした和食店を展開して上場までしている。

女性や高齢者に多くのファンを持ち堅実な経営をして拡大していっていた。

宴会や会合の会食も減り今までの業態では成り立たなくなってきた。

中華料理の梅香をオープンしたり焼肉のKUROTOAKAをオープンしたりショッピング街や飲食街に
積極的な出店をしている。

ビジネス街から住宅街に出店を舵を切ったお店も数多くあります。

都心の駅前の家賃が高い店でも集客力があったから成り立っていたがコロナによって目途が立たなくなった。

こんなに素晴らしい立地なのに空き店舗のままになっているビルが街の中に存在している。

貸しビル業をしていた私にとっては衝撃的な出来事でした。

コロナによって大きく価値観が変わりビジネスのやり方も変えないといけないのだなと痛感させられる出来事がたくさんあります。

コロナによって今までの常識が通用しなくなった。

経営者は頭をリセットしないと生きていけなくなった。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

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