二極化:メルマガ10月25日号

二極化

 

コロナ禍で消費の二極化が加速しているようだ。

1つは、所得の二極化がある。
株価も上昇し、収入が増えた人と給与が下がったり、残業が減ったりして収入が減った人もいる。

コロナ禍で外出しないので、消費をしなくなった分各家庭の預金が増えている。

コロナ禍でありながら高額な商品が売れている。
高級時計や絵画など百貨店でも売り上げを伸ばしている。

2020年のクリスマス商戦でも3万円が主流だったダイヤモンドも5万が主流になっている。

高くても売れる商品は化粧品や宝飾品だけではなく食品関係も同様である。

健康に即したものやモスバーガーの様に通常より200円高いのに限定商品が220万個売れたりしている。

ニッチだから売れないかもしれないと恐れて値上げが出来ない商品はたくさんある。

ニッチであるからこそ付加価値が高いという戦略でリスクを恐れず果敢に攻めている所は成功を収めている。

消費の二極化で消費動向が変化している。
世の中の動きを肌で感じて商売をしないと成功を収めることは出来ない。

経営者にも『感性』が大切である。

 

 

会社の構造改革

 

コロナ禍で会社の構造改革を推し進めようとしているが、上手くいっていない企業が多い。

それは誰もが変えることに違和感を感じて抵抗するからです。
歴史の長い会社ほどその傾向が強い。

会社の規模や財務状態によって出来ることと出来ないことがある。
出来ないことも工夫次第でシステム開発費を投入しないでも出来ることはある。

それは社長の力量次第である。

ある地方の旅館ではお客様のチェックアウト状況を部屋に何度も往復してフロントとやり取りをしていた。

システムを構築すれば出来るが予算がなくて考え抜いた結果タブレットを使いLINEでやり取りすることに変えた。

生産性の向上を図るために社員だけでは前に進まない。

社長が入り込んでどこがおかしいとかこれを何とか出来ないかなど具体的なことを身をもって解決していかないと進まない。

何故なら社員は責任を被って進めることは初めから絶対にしないからだ。

業務の効率化を図ることがとても重要なことである。

そんなことは出来ないと思い込んで仕事を継承しているから前に進まないのは当たり前である。

その時にその仕事は何の為にしているのかを明確化する必要がある。

その仕事をする理由が不明瞭ならする必要がない仕事である。

中小企業なら自分の仕事をやればいいのではなく一人何役もこなせないと業務の効率化なんて出来ない。

その反発は大きいと思いますが、そこを乗り越えていけば風通しの良い社風に変わって行く。

業務効率が上がって何か良いことがないと意味がない。
休日が増えて給与が上がらないと社員もやる気が出なくなる。

会社の構造改革は、社長の本気度がどのくらいあるかにかかっている。

 

 

老舗企業からの脱皮

 

多くの老舗企業の相談を受けるが、一番の問題は守るものと捨てるものとの取捨選択が出来るかである。

伝統を守らないといけないとかこのやり方を踏襲しないといけないとか考え方が凝り固まって身動きが取れない状況になっている老舗企業が非常に多い。
何を残すかを考えるべきである。

愛媛県の人口3万人の小さな東温市に大正8年創業の老舗黒板メーカーがある。

その4代目社長である坂和社長は老舗の看板を下ろし斬新的な発想で次世代の黒板を作り上げて事業を伸ばしている。

私の世代の黒板と言うとチョークで書かれた黒板を思い出します。

黒板の文字を消すときに白い粉が目と喉に入り気分が悪くなった記憶がある。

授業中に話をしているとチョークが飛んできた怖い先生もいました。
いい思い出は少ない。

黒板を奇麗に消すのも一苦労な時代でした。

その社長がこの会社に入社したら古参の社員からは嫌われていた。

普通にしていたら古参社員から評価されないと思いがむしゃらに働いたそうです。

私も親父の会社に入社した時に古参の社員から誰のお陰で大学に行けたと思うんだと色々嫌がらせをされました。

だから、見返してやろうと必死に仕事を覚えて見返してやろうと思いました。

坂和社長は黒板と言う古臭い事業に限界を感じて『これはヤバい』と感じていた。

変化を嫌う社風に危機感を覚えていた。

黒板を販売しつつ新たな事業を、そして、利益を生む事業を何とかしたいと思い、ハイブリット黒板『コクリ(kocri)』と言うアプリの開発を行った。

アプリを使い黒板に書かなくてもよいので時間短縮になり先生も生徒もスマホあれば使える便利なツールになった。

コロナ禍で厳しい時代だからこそ人は追い込まれるとすごい閃きと発想が浮かぶものです。

是非自社の経営資源を見つめ直し新しい発想で新規事業を展開しアフターコロナを生き抜いてほしい。
それが社長の思いですぐに出来るのが中小企業の強みです。

 

 

土着性と中小企業

 

日本の伝統工芸は崩壊状態になりつつある。

よく百貨店の催しで日本の伝統工芸市が開催されている。

見に行くと素晴らしい日本の職人技が光る商品が並べてある。

勿体ないと、いつも思うことがある。

こうすればもっと売れるのにと違う角度で見てしまう。

職人だから技を磨いて良いものを作りたいと一生懸命ではある。

しかし時代にマッチしていないので売れていないところが多い。

そんな中で奈良に中川政七商店と言う元々絹を扱う問屋だった店がある。

十三代目の社長が老舗に胡坐をかくことなくセンスある時代にマッチしたオリジナル商品を拡充していった。

高いけど納得できる今までにはない商品で女性客を虜にしている。

2013年には東京に進出し大成功を収めている。

全国の伝統工芸を元気にするために自社の成功例から伝授し多くの伝統工芸会社を復活させている。

中小企業は地元に愛され地元の文化を発信して常にアップデートしていないと取り残されてしまう。

携帯にアプリでも日々アップデートされている様に企業も日々進化してアップデートしないと
生きていけない。

老舗会社ほど苦しんでいる。それは変えられないからだ。

変化こそ怖いものはない。
しかし変わらないのは死滅を意味する。

そこには社長の勇気と覚悟しかない。

コロナから新たなステージに行くのに迷って動けなくなっている社長もいる。

今のまま維持し衰退していくのを遅らせて防戦一方の守りの姿勢を貫き通している会社もある。

いつか死滅する時がくる。

あるいは勇気と覚悟をもって大変だが変化を試み明るい未来を目指すかは社長次第である。

 

 

コロナ後の経営

 

今まではコロナ融資で資金繰りも困ることなく補助金や給付金などで凌いできた中小企業も多い。

営業利益はマイナスだから補助金や給付金が無くなると赤字経営に突入してしまう。

その赤字で毎月キャッシュアウトし、ボディブロ-のように効いてきてくる。

資金が枯渇すると中小企業は前向きな経営が出来なくなる。

銀行に責め立てられて経費削減・人員削減など内向きな経営しか出来なくなる。

こうなると復活するためのエネルギーが無くなりただ耐え忍び生きていくしか道はない。

最終的には銀行が倒産の準備が出来るとその方向に持っていかれる。

そうならないために今のうちに営業利益が出る経営に舵を切っておく必要がある。

コロナで必要な人材と不要な人材の色分けが出来たという経営者が多い。

今こそ必要な人材で第二創業に転換すべきだ。

それが出来ないようでは会社の将来は危うい。

顧問先にいつも言うのですが、悪玉菌の社員がいると善玉菌の社員も食い荒らし悪玉菌にしてしまう。

だから会社に悪玉菌を繁殖させない経営をしないと恐ろしい結果になる。

まだ銀行はコロナの影響で好意的に見てくれます。

来年になるとそうはいかなくなる。
だからこそ今のうちに構造改革し利益が出るように転換しておく必要がある。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

一覧へ戻る