倒産、低水準の裏側:メルマガ8月2日号

倒産、低水準の裏側

 

東京商工リサーチが発表した今年の1月から6月(上半期)の企業倒産件数は、前年対比24%減の3044件でした。上半期としては1990年以来の低水準である。

これは政府や行政、そして日本政策金融・商工中金などの金融機関が資金繰り支援を行い倒産を食い止めたからである。

企業はいくら赤字でも資金があれば生き延びる。結局は倒産の先延ばしをして最終的には企業は苦しむ。そんな状況を作り出している。

コロナ前より借入が増えているが、売上はコロナ前にも戻らないし、利益は逆に減っている、そんな企業も多いと思います。

結果的に借入過多になり借入を返済する原資が枯渇していくだけになる。

リーマン後と同じで倒産回避のためにリスケをして生産性の低い経営をしてただ経営を持続しているだけである。

新しい事業にチャレンジして活性化させることもしない。ただ耐え忍ぶだけになる。

黒字化出来るならリセットして再スタートさせ新たな挑戦をした方が日本の中小企業の
将来も明るくなる。

金融機関は出来るだけ倒産を回避して先延ばししようとする。引当金を積み終わるまで延命策を取ろうとする。飼い殺し状態にしている。

真の中小企業再生ではない。

再チャレンジ出来る中小企業政策をしないといつまで経っても先進国で一番生産性が低い国のままである。

資金を出すだけが支援策ではない。債権カットをスムーズにするべきである。
中小企業再生支援協議かが進める全行一致で進めると長い調整期間で体力のない中小企業は持たなくなる。

とにかく自らの保身のために企業を救うのを第一とせず規則・規約通り進める。
一度決めたことを変えない制度が日本を硬直化している。

経営者責任ばかり追及するのではなくその経営者の才覚が早期に活かされる制度に
変えていく必要がある。それが真の中小企業再生である。

 

 

ネット仲介で事業継承

 

事業継承で困っている企業は非常に多くなっている。

私の顧問先でも将来の後継者がいないのでそろそろ考えないといけないと訴える社長も居ます。

M&Aは非常に盛んになりましたが高額な手数料が必要となり困惑している経営者も多い。

顧問先で数社M&A経験しましたがかなりの高額手数料で売る方も買う方も戸惑ってしまう。

ある程度の規模で資金力がないと難しい面がある。だから小さな企業のM&Aがやりずらかった。

そこで個人が会社を買収して経営者になる時代が訪れた。

後継者に悩む売り手を探すのが個人では非常に難しかった。
インターネットで買い手と売り手をつなぐサービスが広がってきた。

M&Aを仲介するバトンズ(東京・千代田区)のマッチングサイトに登録すると会社を引き継ぐ人を探せる。

またそのサイトから起業をする人も増えてきた。

コロナで働き方も変わり、収入も減ったり社会変化が起こった。働くことの概念も変わってきた。

地元に帰り地域貢献を考えたり自分の実体験をサービスにしたり海外経験を活かしたり多様化の時代にマッチしてきた。

多くの起業家が現れ活力ある日本を取り戻せばこれ程嬉しい事はない。

 

 

第二創業期

 

新型コロナの影響で居酒屋が考えられないほどダメージを受けてしまった。
東京では4回目の緊急事態宣言でお酒の提供も出来ない状態になった。

ワタミは本格的に居酒屋から撤退していく覚悟を決めて業態転換を図っている。
焼肉や唐揚げのチェーン展開をしている。再度中国にも進出する。

鳥貴族もかなりのダメージを受けこのままでは倒産危機を迎える。鳥貴族は東南アジアでは勝算はないと考え、新規事業にチャレンジしていく。

追い込まれている居酒屋チェーンはたくさんある。潰れていくところもこれからたくさん出てくるでしょう。

焼き鳥や居酒屋はお酒とセットですから緊急事態宣言でお酒の提供が出来ないのであればお客様も来るはずがない。

鳥貴族はする鳥肉を使ったバーガーチェーンを展開する。鶏肉ならケンタッキー・フライド・チキンがあるが打って出る。

創業者である大倉社長は『トリキバーガー』で第二創業期とし、残りの人生をバーガーにかけると言っている。

コロナで大ダメージを受けた経営者も多い。時代の流れに任せて受け身では倒れるのを待つだけ。

商売は攻めなければ会社は衰退する。
リセットして次なるチャレンジを果敢に攻めてこのピンチをチャンスに変えて欲しい。

 

 

オフィス革命

 

新型コロナウイルスによってリモートワークが拡大してオフィス面積を縮小する傾向が増してきた。

事務機器・オフィス家具メーカーは、厳しい状況を見越して最悪の決算になると予想していた。

ところが蓋を開けると最高益の決算となった。

何故ならオフィス革命が起こりオフィスのレイアウトが変わり新しい需要が急激に増えたからだ。

今までは1人ひとりのスペースを十二分にとって事務スペースもかなり必要だった。

ところが新型コロナによって全員が一度に出社することが無くなりスペースも30%~50%と減らして固定の場所が無くなった。

デジタル化で作業空間は減り偶発的な出会いを生むカフェラウンジ・ウエブ会議のための個室・オープンなコラボ空間など社員の創造力を育む場に変身させていった。

この急激なオフィス革命によって働きやすい環境になったが代替性の高い業務は絞りこみ
中間管理職の居場所が少なくなり組織革命も起きている。

フラットな関係が風通しを良くして活性化するようになった。

能力のない中間管理職は居場所がなくなりつつある。

アイデアの発想力やコミュニケーション力が非常に問われるオフィスに変わってしまった。

社員にとって年功序列が更に崩れウカウカできない厳しい時代となった。

 

 

会社の実態を知るには

 

会社の会議で数字を並べて説明しているが的外れになっている。

金額や数字だけ並べて前年対比などの説明をしている。余りピンとこない時が多い。

パーセントで示した方が想像しやすい。

つまり、率の推移を検証する方が様々な問題点が露呈する。

商売はいくら売上が伸びても売掛金が増えて在庫が増えれば資金繰りが苦しくなり会社はピンチになる。

売上が伸びているのに利益が落ちているなら利益率が下がっている訳です。

その率が下がっているのは何が原因か追求する必要がある。

大事なことは何の数字がどう推移しその比率が動くことで会社に何が起きるのか、そして
どのような手を打つべきか考えることである。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

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