◆発想の転換◆
サクラクレパスと言えば子供の時にお世話になったクレヨンだと想像できます。
少子化で教育需要が減りコロナ禍でオフィス需要も落ち込み文具業界の取り巻く環境は厳しい。
創業100周年を迎えインク技術を生かし色にこだわった筆記用具や海外市場の顧客深耕を図ファンの拡大を急いでいる。
ナガザワとのコラボでは100種類のパーツからオリジナルの時計が作れて非常に好評を得ている。
黒でもいろいろな黒色があり、6色の黒色のボールペンを開発して販売している。
色の沼にはまっている人も多く気分によって使い方を変えている。
このように自社製品の強みを生かし他社とのコラボをしたり強みを生かした商品開発をしたり今までにはない発想で売上を伸ばすことで商売の幅が広がる。
商売は固定観念を捨て新しい発想で新たな活路を見出すことが大切である。
コロナ禍だからこそ自社を見つめ直すいいチャンスである。必ずどこかに宝が有る筈です。その宝探しが出来る経営者はこのコロナ危機を乗り越え大き羽ばたくに違いない。
◆コロナ倒産動向◆
新型コロナによって今は表面化してないが倒産予備軍がかなり存在する。
コロナ融資や支援金などで資金的に何とかなっている企業も非常に多い。
本来なら赤字で大変なのに資金があるために焦っていない経営者も多い。
コロナ関連での倒産が1700社近く存在する。一番多いのは飲食業である。
小規模の飲食業を営んでいる所は生き延びることが出来る。中型・大型の飲食店を展開して従業員を多く抱えている所は赤字の垂れ流しですぐに資金が枯渇してしまう。
東京など大都市では家賃が高いので会社として支えきれず撤退した。緊急事態宣言でお酒の提供が禁止になりノックアウトになったところもある。
飲食店に納品している業者も大変で歓楽街専門の酒販店などは命綱を切られた感じである。
その次に多いのが建築工事業である。大手ゼネコンなどは全く関係ないが中小零細になると地域に根差した飲食店やアパレル・ホテル・旅館などコロナで影響を受け入る企業から受注している傾向があるから受注が減り倒産してしまうケースがある。
飲食店は140万店以上あり、コンビニよりい多い美容院でさえ40万店ですからいかに中小零細の建築業者に影響を及ぼしてるかがわかる。
さらに「ウッドショック」といわれ木材価格が高騰しているのでさらに倒産が増えると言われている。
今後ワクチン接種が進み秋ごろから経済も急浮上すると言われてる一方息切れする企業も多く、倒産も増えていく可能性がある。
中小企業は大企業の様に政府や金融機関が支援してくれるわけではない。
アフターコロナの自社がどうなるかを考えリスクヘッジ策を講じておくのが経営者の務めである。
◆デジタルシフト◆
コロナ融資のお陰で資金に余裕のある企業もある。
100年に一度の金融緩和策で中小企業はコロナで被害を受けたが、その反面で資金的にコロナ前より楽になった企業も多い。
コロナの終息を待ってじっとしているようではその企業の将来はない。
今こそデジタルシフトをしてDXの潮流に乗りAIを取り入れる準備をしなくては負け組になってしまう。
世界最大のウォルマートはデジタル戦略を突き進みデジタル広告を強化している。
ウオルマート78億ドルの投資額のうち新規出店投資は1億ドルで7割はECやテクノロジー関連の投資である。
イオンでも同様でAIカメラを駆使してデジタルシフトを加速している。
今こそアフターコロナに向けて自社のデジタルシフトで何にどう投資して進めるか計画実行しないと乗り遅れる。
絶対にコロナ借入の余裕資金を寝かしていては手遅れになってしまう。
いかにデータを蓄積してAIを活用して生産性を上げて売上を伸ばすかを考える時期に来た。
◆商売は信用第一◆
コロナ禍で売上が落ち利益が大幅に減り苦戦している会社も多い。
利益が欲しいからとコロナ前にやっていたことを利益優先に考えてコストがかかるからと言って省いてしまっていることがある。
お客様は気付かないと思っているかもしれないが、意外にしっかり見ているので見破られている。
ある食品スーパーに行くといつも十二分なほど保冷剤が入っており家に帰るまで安心だった。
他のレジにいる人も観察すると同じような感じであった。他のお客様も気付いたようで帰りがけに文句を言っていた。
ちょっとした変化にもお客様は敏感である。その1回の裏切り行為だけで二度とお客様は来なくなる。
今までやってきたお客様との暗黙の約束事を勝手に変えてはいけない。
商売で一時的に儲けることは出来ても継続的に儲けさせてもらうには『信用が第一』である。
信用は使ってはならない。信用を使わなければどんどん増えていく。
商売は信用を重ねることでお客様との信頼関係が築かれロイヤルカスタマーになる。
絶対的な顧客は、信用の積み重ねから生まれる。
◆構造改革の決意◆
コロナ禍で居酒屋チェーンは大きな痛手を被った。
ジェイグループHDも他社同様コロナで多大な影響を受けた。
東京・名古屋で芋蔵などを展開していたが、2月期の決算では21億円の連結赤字となり自己資本率が1%台となった。
宴会客が多かったが、少人数向けの店を5割に高め2年以内に構造改革を完了させる覚悟である。
従業員を解雇せず派遣する新会社を立ち上げた。
物流施設や賃貸マンションなど不要な資産を売却した。
劣後ローンを投入してもらい手元資金を23億円確保した。
本社ビルを買い取りセントラルキッチンを設けて料理の仕込みを一手にして効率的な運営を図ろうとしている。
宅配サービス向けの調理拠点でゴーストレストランを設置するなど様々な取り組みを実行している。
このようにいかに早く構造改革を進め攻めの経営にシフトできるかがとても大切になってくる。
構造改革もスピード感がないと改革の意味がなくなる。
株式会社 Jライフサポート 経営コンサルタント 三條慶八