◆勘がモノを言う◆
商売をしていると予知能力がとても重要になってくる。自分の商売は絶対に永遠ではないと考えるべきです。
永遠だと思っている社長は必ずどこかで破綻する。永遠の商売なんて、絶対にあり得ない。一時的に儲かっても変化が起こり儲からなくなる。売上が下がり出す。粗利が少なくなる。客数が減ってくる。売れ筋が売れなくなってくる。などの現象が起きる。
その僅かな変化に気づく社長と気付いていても何とかなると思う社長と全く気付かない社長が居ます。
20代のころカラオケPUBを経営してました。当初は大盛況ですごく儲かりました。しかし、売上が少しずつ減少してきた。特にカラオケ大好き層の減少していた。おかしなと思い調べるとカラオケボックスが流行り出していた。
すぐにその店をカラオケBOX店に大改装して業態変換した。お陰でまた大繁盛して投資した金額は半年で回収できた。
変化に気づき次の起こるだろう予知能力が備わっていないと商売は商機を逸してしまうことになる。
コロナ禍で変化がある筈です。その変化に気づき商売をどう変えていくか予知して対策を講じなくては将来の発展はなくなってしまう。
自社の変化と世の中の変化を肌で感じなくてはいけない。それが経営者の務めである。
◆差別化で尖らせる◆
同じ業種業界でも快進撃を続けている企業もある。その企業は特別な技術力があるわけでもなく競合他社と比べても同じ仕事内容である。
ビル清掃・メンテナンス業のA社は潰れそうになった経験がある。それまでは普通のビル清掃・メンテナンス会社であった。この業界はどこに頼んでもそれほど変わらないと思われている。だから最終的には価格競争になり利益率がドンドン下がって時には赤字で受けていたことも有る。
私が賃貸ビル業をしていた経験でどうしても困っていたことがある。その為に色々な業者を使ってリカバーしていた。
夜に商売をするテナントが多かったので、クーラーが効かないとか水漏れしたとか電気がつきないとかどこかが破損しているとか嘔吐した跡があるとか共用部分に浮浪者がいるとか様々なトラブルが生じていた。
その時に清掃会社に付帯事項として現場でできることをして貰っていた。業者を呼ばないといけないときはこちらで手配をして対応していた。
ですからテナントからの電話は24時間連絡がつくようにしていた。
夜中、寝ている時に会社の電話から転送で私の携帯に電話がかかって来るようにしてトラブルに対応をしていた。困った時に出来るだけ早く対処して改善することが何よりも信頼を得ることだと思っていた。
だから、安心して営業できるので、テナント募集に困ることがなかった。しかし、24時間対応でキツかった。
そのような経験があるのでその清掃会社にも同じようなことをして貰い信頼を勝ち得るようにして取引先を増やしていった。
人が面倒くさいこと人が嫌がること人が出来そうにないことをやりきると信用と信頼を得て値切られることなく商売が出来る。
そうすると売上も利益も増えて素晴らしい会社に変身した。
会社として何か尖がった魅力がないと生きていけない時代だ。他社が出来ないことをすれば勝ち抜けることが出来る。
◆得意分野でつまずく社長◆
社長にはいろいろなタイプがいる。
商品づくりに長けた社長・営業力のある社長・人心収攬に長けた社長・管理能力が素晴らしい社長などいらっしゃる。
しかし、自分の得意分野でつまずいてしまう社長も多い。
例えば、商品づくりに長けた社長は、自分が作った製品や商品は誰よりも素晴らしいものだと自負している。しかし、売れない。
自分自身が作る能力が優れていると思い込んでいる。
現場に口を出して時代にそぐわない商品を作ってしまっているケースもある。
営業力に長けた社長は売ることだけに目が行き在庫管理が出来ずにロスが多くなっているケースもある。
人心収攬にたけた社長は協調性を重んじるあまり厳しさに欠けメリハリの動きが無くなって社内に緊張感が無くなっているケースもある。
管理能力が優れた社長は現場が分からず理想ばかりを押し付けるために社員との距離感が遠くなっているケースもある。
このように自分の得意な分野だけに目が行ってしまって全体を見ていくというバランス感覚が無くなってしまい社内がばらばらになってしまう。
トンボの目はマルチスクリーンになって上下左右前後ほぼすべてが見えている。そのようなマルチスクリーンの目を経営者も持っていないといけない。
◆感動したい対価◆
経営者というのは、品質と経営効率のあくなき追求をするのが一番大切なことだと考えている。
いくら素晴らしい商品をつくったとしても売れることはない。
いかに経営効率を図っても売上が伸びるとは考えられない。
『お客様の感動』これが無いから実を結ばない。
食べ物でもこれはステキ食べてみたいという感動が無いと誰も買ってくれない。
感動が無いものは安さで勝負するしか道はない。究極は損をして売ることになる。
感動が大きい程買う価値が高まるから値段も高く売れる。粗利も大きくなる。
掃除機を買うにもダイソンは高いのに感動があったから売れたはずです。
ライザップでも同じであんなにきれいに痩せることが出来るなら高くてもお願いしたいと感動料が入っている。
どんな商売でも感動がないのは大成功はしない。
そろそろアフターコロナ策を考えている。我慢してきた生活からの解放があるが、そこに今までにない感動が無いと心も動かない。
『感動』こそが商売の原点である。
◆どんぶり勘定からの脱皮◆
中小企業の多くは、どんぶり勘定である。
本当に儲かっているものが何かが分からないし、さほど儲かっていないものにかなりの労力を割いて非効率な経営をしている。
長崎ちゃんぽんのチェーン店であるリンガーハットも当初はどんぶり勘定で事業は拡大した。売上が伸びているにも拘らず資金繰りが苦しい時代が続いた。
創業者は事業センスが抜群にあり、時代の流れを読み取り様々な店を展開していた。
鳥取から長崎に来て一から商売をして成功した。県外のよそ者であったから非常に苦労をされた。
長崎にどさん子のラーメンチェーンが進出して失敗したのを見て思いついた。長崎ちゃんぽんのチェーン展開を閃いたというからセンス抜群である。
全国制覇を夢見ていたが病に倒れてしまった。その遺志を継いで兄弟が力を合わせて
事業展開をしていった。
その成功の裏にはそこには創業者の兄がコンピューター会社から経営に加わってくれたお陰でどんぶり経営からの脱却が出来たからである。
高度成長時代の日本ならどんぶり勘定で商売をしても本当に儲かった人が多かった。
顧問先の先代時代にはどんぶり勘定でも相当儲かったことが伺える。反対にその名残があり苦しんでいる。
昭和の高度成長時代に商売をした人から聞くと笑いが止まらないほど本当に儲けていた。
その流れで未だに商売を継承している経営者は非常に苦労をしている。
また才覚があり独立した多くの経営者もどんぶり勘定で苦労をされているのを見る。センスだけで商売をしている。
昔は文科系の人材が重宝されたが、今では理科系の頭脳が無いと経営も上手く行かない。
原価意識を持ち何が儲かっているのか儲かっていないのかを把握して経営をしなければ生きていけない。
『どんぶり勘定』はダメだ!
株式会社 Jライフサポート 三條慶八