新たな市場を切り開く:メルマガ3月15日号

新たな市場を切り開く

 

元商社マンが独立して何をするか考え抜いて「はやり廃りがない、皆が持っている腐らない、場所を取らずに持ち運びにお金がかからない」以上に当てはまる商売を模索した。行きついたところは、「ダイヤモンドか箸」となった。

店名などをあしらったシックなデザインの紙箱に意匠を凝らしたカラフルな箸。丸や3角や6角、頭が8角で先端は4角など複雑な作りの箸もある。

BO PROJECT(ボープロジェクト高松市)が作り出す多彩な形状の箸が高級レストランや有名ホテルで200以上個別仕様で使われている。

客単価2万円以上の飲食店の3割近くは香川社長が手掛けた箸を使用している。

新しい市場をつくり出した。箸の国なのにブランドが無かった。そのブランドを確立しようとしている。今では世界にそのブランドが轟いている。

日本には箸職人がいて老舗の箸屋さんもたくさんありました。しかし、香川社長のような発想はなかった。このようなに全くの素人が伝統的な歴史のある業界を一変させることは今の時代よくある。

今までと同じ目線で同じことをしていてはどうにもならない。

業界の常識を捨て去ることが新しいものが生まれるキッカケとなる。

コロナ禍で多くの企業が現状打破に苦しんでいる。

現状打破が出来ないのは今までの固定概念があるからだ。

海外の人の方が斬新な考えで面白いものを創造してくれることも有る。
経営者のセンスが問われる。

 

 

着眼点を変えてみる

 

物事をいつまでも同じ発想でいると新しいものは生まれない。

遊び心も大切な要素である。『着眼点』を変えることで新たな需要を掘り起こす可能性が高まる。

PLUSから面白い消しゴムが発売され話題を呼んだ。

「エアイン富士山消しゴム」は普通の四角い消しゴムである。使っていくうちに角が取れて
雪をかぶった富士山の姿が現れる。

2019年に富士山の開山日に合わせて「青富士」「赤富士」を限定販売された。即完売となった。

開発のきっかけは消しゴムは間違った文字や修正したい個所を消す道具である。

それはつまらない作業だと考えた。ならば、楽しい作業にするためにどうすればいいかを考えた。

『物消費』から『コト消費』への
転換を図ったわけである。

『コト消費』とは、モノを所有することより、『体験』に価値を見出す消費傾向である。

世の中、ただモノを買う時代ではなく、体験を通すという付加価値を付けて売り出す方が良く売れる。買う行為だけならつまらないからだ。

着眼点を変えることで新たな顧客開拓が出来る。

 

 

小さな不満を解消する

 

商売というのは、人の困っている事や不満に思っている事を解決することが基本である。

世界中には様々なボールペンが存在する。

日本では右利きの人が多い。だから、横書きであろうと縦書きであろうとインクが滲んで困るということはあまりない。

左利きの多い欧米などでは、左利きの人が横書きをするとインクがすぐ滲んでしまうことがある。

この小さな不満を解消したのがゼブラの『サラサドライ』だ。

速乾性に優れ、書いた先から乾いていくために左利きの人も手が汚れないで済む。

2016年の発売以来400万本の大ヒットとなった。

ボールペンはそういうものだという固定概念が染み付いており、消費者自身もメーカーサイドも諦めていたところがある。

その小さな不満を見つけて改善して大ヒットを生んだ。

3000種類のインクと3年以上の開発期間を得てサラサドライを世に送り出した。

研究員の執念によるものである。

いかにお客様の小さな不満を見出し解決することで大きな支持を得られる。

 

 

人の心理を突く

 

人の心理を突いたロボットが売れている。

普通ロボットは、人の手間を減らすためにつくられたものである。

それが『人に役立たない』ロボットが人気になっている。
ロボット開発ベンチャーのGROOVEが手掛けた家族型ロボット『LOVOT(らぼっと)』である。

人が近づくと不思議そうな表情をして見上げてきて手を伸ばして触れると嬉しそうに手を伸ばしてバタバタとする。抱き上げるとほんのり温かい。人の顔を覚えていて後をついてきたりする。

自分の子供が出来たそのような感情になる。

子供は手間暇かけられるから文句言いながらも楽しい。そんな気分にさせられる。

大昔に小学校の同窓会に行ったときに担任の先生からあなたみたいな手間の掛かった生徒は長い教師生活で居なかったと言われたことがある。だから、いつまでもあなたのことは忘れないと言われた。そのことを思い出した。

サービス業でも一緒だと思う。
マニュアル通りにサービスされてもこころには残らない。

手間のかかったお客様はいつまでも忘れない。お客さまもいつまでも良いお客様で来てくれる。そこには心の通じ合いがある。

人は愛されたいと思う見返りを期待し、不安や不満が募りがちになる。一方では愛でる分は見返りを求めない。

他人を愛でると気持ちが穏やかになる脳内物質が分泌され精神も安定する。

人の心理まで掴んだ商売というのは絶対的である。

 

 

失敗が成功の元

 

コロナによって家にいる時間が多くなり快適に過ごすために電化製品が良く売れている。ロボット掃除機も良く売れている。

私自身もロボット掃除機を何種類か購入した経験がある。確かにそれぞれ長所短所がある。

ロボット掃除機と言えば『ルンバ』と言えるほど全世界で2000万台以上販売されている。

開発を手掛けたのはアメリカのロボットメーカーiRobot社である。

米国の軍事用ロボットなどを技術を培ってきた会社である。

ロボット技術を駆使して様々な試みをしてきたがなかなか収益が上がらず挑戦と失敗の連続であった。その苦難の時期に自分たちの技術を活かせる部門はどこか何を作ればいいのかなど様々な検証を試みてきた。そこで行きついたところが『人に役立つ事』だという結論に達した。生活者の負担である掃除を楽にすることが一番だと結論に達して開発された。

自社の強みを生かし自社しかできないものを作り上げることが優位性になるのだ。

コロナ禍だからこそ自社の強みの掘り起こしをして今後の戦略に活かさないと生きていけなくなる。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

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