◆銀行の選別◆
どの銀行と取引したらいいのかとよく聞かれることがある。会社の規模や業種で違ってくる。
コロナ禍で銀行は今は非常に優しい。ワクチンが行き渡る1年後にはその優しさも消える。いつまでも銀行は業績の回復を待ってくれない。
地方銀行は特に大変な状況である。半分以上の地銀が実質赤字経営である。
菅総理は地銀が多すぎると訴えている。ここ2年で地銀の再編が起こり数も半分になるでしょう。
今取引している銀行はどうなっているでしょうか?もしかしたらどこかの銀行に吸収合併されているかもしれない。そうなると大変なことになる。
バブル崩壊の時に銀行が破綻し多くの銀行が無くなった。合併された方の銀行・破綻した銀行と取引していると関係性を再構築しなくてはいけない。
恐らく合併された銀行や破綻した銀行の行員の多くは銀行から去っていくはずです。今まで築いた信頼関係が一時的に消えるわけです。
業績が悪いと破綻に追い込まれることも考えておく必要がある。何故なら公的資金が投入されて処理しやすくなっているからだ。
そのようなことを考えていると経営者としてリスクヘッジをしておく必要がある。
銀行の取引数を増やして再編が起こっても大丈夫なように備える必要がある。信用金庫も同様です。
中小企業経営者は最悪のことを想定して最善な策を講じておく必要がある。
◆立地の逆転◆
コロナ禍の影響を受けた喫茶店業界だが、立地によってその回復力が大きく違っている。
ドトールなどは基本的に駅前に出店している。
コメダ珈琲はどちらかというと郊外型に重きを置いて出店してきた。
都心のビジネス街のドトールの方が坪あたりの来店者数はコメダより数段多かった。坪あたりの売上も良かった。
コロナの影響で前年対比(4月)
ドトールは、35,9%
コメダは、53.1%
10月になると
ドトールは、76.6%
コメダは、101.6%
明暗が大きく分かれてしまった。
コロナによって会社に出勤しなくなった。しかも、電車通勤でなく車通勤が増えた。
三密にならないで新聞や雑誌もあるのでゆっくりと過ごせるのでコメダのような郊外型の喫茶店が選ばれている。
このままテレワークが定着すると高い家賃を払って都心部の駅前に出店してきたが採算が合わなくなってくる店がたくさん出てきてしまう。
サンマルクや星乃珈琲なども同じである。吉野家や松屋などの駅前のチェーン店も撤退を加速している。
多くの全国チェーン店が苦戦している。恐らくこれからは撤退の嵐が訪れテナント業にも大きな影響を及ぼす。
ドミノ状態になり様々な業種に影響が出てくる。GO TOキャンペーンだけの偏った業種への支援策でいいのか問われてくるだろう。
金余りによって株価は上がっているが実態経済はかなり悪化している。
今後の中小企業経営者の舵取り次第で企業の行く末が決まる。
◆プレゼン力が決め手◆
コロナ禍で今後の経営に支援を仰ぎたいなら社長のプレゼン力はとても大切になってくる。
社長のプレゼン力で銀行からの支援も大きく変わってくる。
プレゼンをするときに欠けている所がある。
ビジュアル的に奇麗だが、説明しないとわからないプレゼン資料になっていることだ。
社長からの説明でわかるが時間が経つとわからなくなる。図や表だけで解説が無いからだ。
銀行員は支店長や本部に稟議書を作成して自らが説明しなくてはいけない。
その時にはも社長がプレゼンしてくれたことはほとんど消え去っている。すると稟議書も説得力に欠ける。
プレゼン力はとても大切だが、いちいち説明を聞かないと分からない資料だけはご法度である。
◆身の程を知った経営◆
会社は実力以上の事をすると歪が生じて問題が発生する。
夢は大きくもっているのは、経営者として素晴らしい事である。
中小企業なのに大企業と同じことをしても決して上手く行かない。
もう60歳となろうというのに10代と同じようにサッカーをして走り回るとアキレス腱が切れる。それと同じで無理をしたらダメだ。つまりその企業に合った事業の進め方、会社の運営方法、など必ずあるはずである。
年商10億の会社が年商1000億の会社と同じ土俵で戦っても勝てるはずがない。
自分自身を冷静に見て戦い方を考える必要がある。
自分が勝てる土俵は何かここを考えて商売をしないといつかダメになる。
ブームで売上が上がってもブームは去るものだと認識しておくべきだ。
コロナ禍で忙しくなっている会社も実際にあります。
コロナ禍だからこそ売上は伸びている訳でいつまでも続くと思うのは大きな間違いである。
経営者はいつも身の程を知って商売をしなければいけない。調子に乗ると必ずしっぺ返しが来る。人生と一緒だと思います。
いい時ほど油断してはいけない。悪い時は心ブレないでやるべきことをやることです。
◆ワークマンの快進撃◆
小売業で快進撃を続けているのは、「ワークマン」や「業務スーパー」である。両社もどの企業も追随できない。ブルーオーシャン市場をかっちり抑えている。
ワークマンと言えば、建築現場の人だけが行く店と思い込んでいたと思います。今では全く違う様相を呈している。
ワークマンは今までブルーオーシャンの中で40年以上優雅に泳いでいた。1つの分野、狭い業態で30年以上やってきた。しかも、2位との差が大きすぎてそれなりに収益もあったので、前例踏襲の公務員的発想に社内が浸っていた。
社長は危機感を募らせて、新たな戦略をもってチャレンジを試みた。
ワークマンプラスという新たな市場に打って出た。
その視点がとても素晴らしい。
1,自社の強みを見つける
2,無ければ、強気をてる
3,進出市場を選定する
4,市場を細分化してみる
5,社員のやる気を引き出す
6,小規模でテスト参入する
7,問題が無ければ本格的に参入する
この7つは中小企業にも大切なことである。
今までの建築関係の方しか利用がないと思っていた。売れ筋調査をして現場を観察すると一般の方が買っている。その異常を検知して調査した結果を活かせたから今のワークマンの快進撃がある。
つまり現場を観して現場を知らないと商売はどうにもならない。それが結論である。
現場の異常が上層部にすぐに上がってくるならお客様に寄り添える会社である。
競合他社は追随できないはずだ。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八