コラム

経営者の能力は仮説力:メルマガ12月20日号

経営者の能力は仮説力

 

優れた経営者は仮説を立てる能力にとても優れている。

仮説を立てる時に落とし穴がある。
それは得意なジャンルで仮説を立てる時である。

何故なら得意分野だから自分は知っているという先入観で物事を見てしまう。

業界に長い間いる人ほど業界の常識に囚われ新しい発想が浮かばない。

だから、全くの異業種からの新たな参入者に一気にシェアを奪われることがある。
新規参入者はITを駆使して斬新的な仕組みを構築して顧客を取り込んでしまう。

インターンネットの普及で業界1位が安泰ではなくなった。
シェアはいつでも奪われる。

思い込みの仮説が一番やってはいけない。

どこで素晴らしい仮説が思い浮かぶかわからない。
ちょっとしたきっかけが大きな利益を生むこともある。

会社の中に長い間居れば素晴らしい仮説が浮かぶかというとそれは全く別物である。

仕事のバリューというのは時間ではなく中身である。

経営者は365日24時間考え抜いているとどこかで素晴らしい仮説が浮かび上がってくるものです。

もう一つ経営者で思うのは、追い込まれるほど素晴らしい仮説が出てくる。
追い込まれたときに経営者の能力の差が出る。
経営者の真価が問われる時だ。

 

 

何をしたいのか

 

社長の話を聞いていると会社の業績が悪いのは社長にあるなと思うことが多い。

それは社長の考えが纏まっていない。
つまり何をしたいのか良くわからない。

信念のある経営をしていない。

その時その時を乗り越え行き当たりばったりの経営をしている。

面談の時に色々と問いかけていくのですが答えが曖昧になってくる経営者もいらっしゃる。

自分の事業を通してどうしたいのか全く信念がない。

突き詰めて考えていない。

中途半端な考えだから競合他社に負ける。

単に考えるのではなく考え抜かないとダメである。

誰もが考えられることなら差別化出来ない。

誰も考えられないことを考えなきゃいけない。
そこまで考え抜く必要がある。

考え抜き力こそ社長の力である。

 

 

リメーク時代

 

生地を染め直したり、繋ぎ合わせたりする古着の「アップサイクル」に注目が集まってきている。

古着や在庫品を集めて他にない1点ものに生まれ変わらせて販売するサービスが自分らしさを大切にするZ世代の心を掴んでいる。

大量消費時代から脱大量消費時代に転換されつつある。

Z世代には新鮮であり他と被らないと言う個性が出せるのがなんとも言えない感じになっている。

カジュアル衣料「スピンズ」を運営する京都の古着屋「USEDを拡張する進化型古着屋【森】」には連日アップサイクルの注文が舞い込んでくる。

良品計画など大手も回収した衣料を洗い直しアップサイクル商品として再販売する所も出てきた。

どうやってZ世代の心を掴むかはそのセンスが一番の決め手である。

ただアップサイクルするだけでは時代に取り残されていく。

益々新しく作った服が売れない時代でアパレルメーカーは難しい時代に突入した。

物を買わない時代で利用する時代にハッキリ転換されてきた。

このような時代に自社ビジネスを頭をひねって時代に即した革新を遂げるかが生き延びるための秘策である。

頭の固い経営者はもう化石になって取り残される時代である。

昔の商売のやり方では本当に通用しなくなったと肌で感じる時代である。

アフターコロナでどうするかが問われている。

中小企業経営者は頭をリセットしないと生きていけない。

そのためには若い世代をどう活かすかとても重要なポイントになる。

 

 

金融機関のリスクヘッジ

 

この2年で政府がコロナ対策として超金融緩和策を講じて中小企業に多大なる貸付を増やした。

そのお陰でコロナがなければ倒産していた企業が生き延びてしまった変な世の中になってしまった。

どうにもならないと民事再生を申請しようと考えていた企業が金融機関から多額のコロナ融資を受け生き続けている。

結局は焼け石に水で徐々に弱っていき資金も枯渇していき倒産してしまう結果になる。

コロナ融資を多大に受けさせて既存の金利の高いプロパー融資を金利が安いコロナ融資にシフトしましょうと上手く話をもっていき金融機関のリスクヘッジを講じている。

将来その会社が倒産しても保証協会付融資だけなら金融機関には損は生じないと他人事のように静観している金融機関も多い。

保証協会付融資だけなら金利も払わない状態にして代位弁済してくれた方が金融機関として手離れして
楽だと言っている。

変に金利だけ払われると毎月その会社に出向き様子を伺ったり手間暇がかかるから嫌がっている。

この企業を何とか救いたい助けて再生したいと考えている銀行員なんて殆どいないのではないか。
そんな気がしている。

昔は銀行員が親身になり何とかしようとしていた。
今はそこまで踏み込んで支援する銀行員は少ない。

これも政府が中小企業再生支援協会を設置して認定機関が経営改善計画を策定しそれに沿って再生しましょうと言う丸投げ行為をした後遺症である。

そのお陰で他人事になり何もしなくなった。
こんなことで良いのでしょうか。

だから貸主責任意識が希薄になっている様に思う。
金融機関が逃げることしか考えなくなっている。
これでは地方の再生も出来ないと危惧する。

 

 

デジタル技術の進化

 

会計をするときのレジの混雑は非常に非効率的である。

急いでいる時などは何とかしてほしいといつも思ってしまう。

特にスーパーのレジは三密だしコロナ禍では非常に嫌がられる。

福岡にあるディスカウント店では先進的なレジを5000台導入し自動決済機能でレジの待ち時間を省きデータ分析でお客様のお薦め機能で販売促進をしている。

これからの日本を考えると労働力不足になるし、人しか出来ないサービスに店員が注力する必要がある。

先進国で一番低い日本の最低賃金はうなぎ上りに上昇していくだろうし、消費税も必ず上がるだろう。

こんなにコロナで政府が資金をバラまいたからには政府が資金を回収していくのは当たり前の論理である。

そう考えると企業はいかに効率化を図り粗利益率を上げる努力をしないと今後利益を生むことが
不可能になってくる。

先日銀行の方とお話をしていましたが、コロナ融資で倒産は減っている。

支援金や助成金など営業外収入でプラスになっている企業、つまり営業利益はマイナスの企業が今後どう回復するかが焦点であると危惧しているそうです。

それが出来ないようではコロナ融資の保証協会付融資が代位弁済されていく企業が増え景気もどこかで
急ブレーキがかかるときが来るように思いますと口をそろえて言っている。

いかに生産性を向上させる努力をしているかが今後の経営に大きく左右する。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

三條慶八の本