コラム

組織は頭から腐る:メルマガ7月19日号

組織は頭から腐る

中小企業は同族会社が多い。同族会社のいいところもあるが、一族経営をしていることで弊害もたくさんある。

コロナ禍で大変なのに社内で同族同士が好き勝手にして混乱している会社も見かけます。

本当に社長を中心にまとまり一致団結している会社もあります。

問題を起こしている企業は血のつながりだけを重んじて無能な役員が口を挟み組織の原則を無視している。

優秀な後継者であっても年老いた創業会長の存在が大きく大株主のために口を挟んでくる。時代と逆行したことを強引に進めていこうとする。

外部から優秀な人材を登用しても自分たちの権限が無くなったと思い込んでしまう。

彼らは自分の意見を推し進めて優秀な人材のやり気を削いでしまい、結局は辞めていく場合が非常に多い。

会社の組織図を見せてくれますが、実際はその組織図通り機能していないことが多い。

職務権限の線引きが明確でなく職務分掌が明確化されていない。
非常に曖昧な組織図になっている。責任の所在が不明瞭になっている。

組織の命令系統は一元化されていないと社員が迷える羊になる。

組織は頭から腐ってくる。頭がしっかりしないと組織として機能しない。

 

 

伸びる社員とは

 

社員教育はとても難しい。高いお金を掛けて研修をしたけど上手く行かないとよく聞く。

伸びる人の素養というのが必ずあると確信している。その素養のある人を採用して育てないとどうにもならない。

段取りが出来る人と段取りが出来ない人が居る。

先を読む力が無いからとか色々言われ研修するが、結局上手く行かない。

それはその人が持っている素養に問題がある。

その素養とは何かというと気か回るかどうかである。

気が利くやつだなという評判の人間は必ず仕事を教えれば伸びる。

気が利くから周りが見える。周りが見えるということはちょっとの変化にも気づき世間も見えるわけです。

社員採用の時にどうしたらいいですかと聞かれたことがあるが、気が利くかどうか試してみることが一番だ。

学業の点数が良くなくても気が利く人間なら絶対会社に貢献する人材になれる。

 

 

判断基準がない会社

 

なかなか社員が育たないと嘆く経営者も多い。

企業によっては育てることをさせない仕組みになっている。

中小企業の場合は、社長にすべての決済をもらう習慣が染み付いている企業も多い。

パパママストア的な商売から規模を拡大してきたので、社長頼りになっている。

社長にすべてを聞くことで社員が自分の責任を回避している。

経営者が何か決める時に基準にしていることがある筈です。

どういう想いでこの会社を興し将来どうしたいのか描いている。
その夢を実現するためにブレない決まりごとが経営者には必ずある。

社長は何かを決めるときには判断する基準がある。
その基準が社員には分からない。
だから、どうすればいいかどう判断していいかわからない。
結局社長にすべて伺うわけです。

お客様第一に考えなさいと言ってもそんな漠然としたいい方なら社員としても基準が分からない。

お客様に喜んでもらうことを第一としても具体的にどういうことで喜んでもらうのか、その喜びもどの程度の喜びでいいのか喜んでもらうために利益無視で会社は損してもいいのかどこまでの対価をもらう必要があるのか以上のようなことを決めないと社員も責任もって判断できない。

経営者は自分の価値尺度で採決できるから問題ないのですが、社員はそうはいかない。

何かを達成したいために会社を経営している筈です。そこには根底にある価値尺度が大切です。

判断基準を明確にしないと社員はいつまで経ってもどうすればいいのか迷う。

社員を自立させたいなら判断基準を示すべきである。

 

 

◆イメージ戦略◆

 

最近は見た目が非常に大切な時代になったと痛感しています。

SNSが発達してインスタを含めて見た目で勝負が決まる商売も多くなってきた。

ロゴやデザイン力が非常に重要になってくる。

それはその会社や商品のメッセージだと感じる。だからとても大切である。

昔は見た目より中身が勝負だと言われていた時代もありましたが、そういう時代は過ぎ去った。

確かに中身も大切だが、話題になり知ってもらい手に取ってもらわないと始まらない。

買ってもらうには中身重視だけでは勝てない。

顧問先で地方の商品を東京で売る為のお手伝いをしている会社がある。

地方では圧倒的な知名度と信頼性で売れている商品でも都心では簡単には売れない。

それはイメージ戦略が間違っているからである。

都心の人が求めるサイズ・デザイン・使い方など様々な要因を考慮して一新しなくては手に取ってくれないものもある。

イメージ戦略が会社の成長戦略に欠かせな時代である。自社ではなかなか出来ない代物である。

クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏はその才能を発揮し多くの企業を救っている。
そのような専門家でないとイメージ戦略を描けない。

歴史がある・伝統があるそれではもう生きていけない。

新しい命を吹き込み時代にマッチしたイメージ戦略を作り上げないと時代に取り残されてしまう。

 

 

◆叱り方の3つの極意◆

 

社員教育の苦慮されている経営者は一杯います。

怒れない時代だと困っている人も多い。しかし、叱らないと会社の統制は取れない。

怒ると言うのは、怒り心頭で頭に血が上って冷静でない状態である。しかし、叱ると言うのは愛情があると考えている。

親が子供に対して叱るのも愛情があって叱る。つまり、しつけているのである。

会社にもルールがある。そのルールを守ってもらう必要がある。その為の『躾(しつけ)』を行うのに叱る場面がある。叱るにもルールがある。

1つ目は、現行犯で叱る必要がある。その場で叱られないとピンとこない。

2つ目は、古いことを持ち出して叱らない。古いことをいつまでも持ちだすと成長を阻害していることになる。

3つ目は、しつこく叱らないことです。あまりにもしつこく叱ると遺恨だけが残る。

私の親父は、同じこと・昔のことをしつこく何度も叱るタイプでした。

同じ事を2週間毎日呼び出して叱ることは日常茶飯事でした。

反省よりいつかこの親父を見返してやろうという気持ちしかなく遺恨だけしか残らない経験があります。怒るのではなく叱らないといけないが、叱るにもルールがある。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

三條慶八の本