コラム

コロナ禍での収益回復:メルマガ5月17日号

コロナ禍での収益回復

 

コロナによって売上が2割3割4割と落ち込んでいる企業もある。当然、赤字経営になっている。

経営者は何とかしないといけないと考えているが、なかなかうまくいかない。固定費を下げることをまず考えてしまう。特に人件費を削る策をまず思い浮かぶ。しかし、人件費削ると社員の士気が下がる悪い面も生じる。まず無駄なものを使用していないか総点検する必要がある。仕入れ業者の見直しをすることも考える。値下げ交渉をするにも安くできる業者がいないと比較対象にならない。業者にも無駄を省く努力を促す必要がある。商品在庫や材料在庫を持つ会社なら倉庫や冷蔵庫に使えるのに使わずに押し込んでいる。無駄なものをチェックする。発注の仕方や残ったものを再利用出来ないか検証をして無駄をなくす必要がある。すべての作業の工程が無駄な工程がないかチェックする必要がある。取り扱い商品の絞り込みなどほぼ死んでいる商品を昔からの流れで扱っていないかを総点検する必要がある。自社の強みを徹底して絞り込む作業をする。それ以外のものは思い切って畳むことも視野に入れないと収益の改善は見込めない。

長年やっていると惰性とマンネリ化により革新的なことが全く起こらなくなっている。
そんな現場になっていないか検証することも大切である。

コロナによって事業の再点検が出来るチャンスと捉えて前向きに考える必要がある。

受け身でいると必ず崩壊の時が来る。

 

 

健康志向と環境への配慮

 

健康志向がすごく高まっている。

私が20~30代のころには想像もつかないほど健康に関心が集まっている。

歓楽街で飲み過ぎて倒れている人も居ないし、夜中でも身体に悪そうなものを食べまくっている人も少なくなってきた。めちゃ食い、めちゃ飲みしている姿は本当に見なくなった。大食い番組は流行っていますが。

出版社に聞いても必ず売れる本は健康の本だと言う。またテレビ番組でも健康を題材とした番組なら視聴率が稼げるので同じような番組がたくさんある。

これ程健康に関心のある国民は世界中探してもいないと言う。

ベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(完全菜食主義者)のライフスタイルを選ぶ人も増えている。

食品メーカーや外食チェーンはそのような人のために商品開発を急いでいる。

代替肉製造ベンチャー企業であるネクストメーツは鶏肉の再現した「NEXTチキン1,0」冷凍食品を発売した。

コンニャクメーカーの茂木食品工業は、肉由来の成分を極力使わず大豆やコンニャクなどを練りこんだハンバーガーを発売した。

様々な企業でベジタリアンやシーガン向けの商品を続々と開発され世に送り出している。

商業施設の丸井ではビーガンに注目してビーガン事業準備室を設けている。

温暖化ガスのうち食料の生産が2~3割を占める。大企業は無視できない状況になってきている。

これは大変だと思わずチャンスに捉えて自社で何か出来ないか考えていくのがこれからの成功する経営者である。

 

 

成熟社会こそ不満社会

 

現代社会は物とサービスが溢れて欲しいものがなくて売れない時代になったと言われる。

供給不足の市場は殆どないに等しい。しかし、生活水準が上がっていくと商品や市場に不満を抱くことが多くなってくるのも事実である。

ここはこうしてほしいとかそれはこんな感じにしてほしいとか人それぞれに要望が出てくる。多様性の時代である。

お客様本位と言いながら会社都合や担当者都合など効率を求めてややこしいことを避けてしまうそこが不満の根源でもある。

コロナ禍で温泉旅館は大変な思いをされていますが、効率よく作業をしたいから例えば天ぷらは一度に上げている。食べる時には冷めた天ぷらを食べることになる。

効率化とお客様の要望とは真逆の時がある。その時にどうするかである。

お客様がこうしてほしいと思っている事とズレているからお客様が離れていくのである。

文明が発達して効率よく何事も進めるのがすべて良いわけではない。文化的に優れたやり方を欲していることも有るわけである。

文明の利器としてお米を炊飯器で炊くが、本当に美味しいコメを食べたいのならコメを選び、水を選び、お釜で炊くのが美味しいと考えるのが文化度が高いと考える。

こういうことが成熟社会の差別化されたサービスではないかと考える。

 

 

本物の接客が決め手

 

心無いマニュアル化された接客に遭遇すると腹立たしく思うことがある。

そんなことを今聞くの?そんなことは見たらわかるでしょうとか思うことがよくある。

それならロボットに接客してもらった方がよっぽどマシだと思ってしまう。

接客はとても難しいことだが、そこが自然で心ある接客なら気持ちがすごくいいものだ。

電化量販店に行くとメーカーの人が派遣され本当に自分に適した商品がどれなのかわからないで薦められた商品を買って後悔することも良くある。

ノジマは一切メーカーからの派遣は居ない。何故ならメーカーからの派遣を受け入れると忖度してメーカーの商品を薦めなくてはいけなくなる。

お客様に喜んでもらうためにお客様にとってベストの商品を探し薦めることこそが
使命だと思っているからだ。

コンサル接客を第一と考えスーパーコンサルを育てお客様が指名で順番を待ってまであの人に依頼したいと殺到しているのが現状だ。

商売というのは長期的に考える必要がある。

売上が欲しいからノルマを達成するためにお客様に必要でないものを押し付けお客様が後悔するものも売りつけるそのような押し売り商売ではいつかお客様から見離される。

そして育てるために失敗をさせることも大切である。

その失敗を自責で捉え、次に活かせる人は成功するが、何か他のせいにして自分を正当化する人はいつまでも成功しない。

そんな腹の大きい社長だからこそ会社は確実に大きくなっていく。

ノジマはどこよりも早くJAL・ANAなど業績が悪化した会社の従業員をシェアして雇用している。社会貢献もして喜ばれる会社にしている。

どんな量販店が横に出店しようと勝ち残れるだけのスキルを持っている。中小企業が生き抜く術はここにある。

競合他社を圧倒するものをもっていなければ資金力のある所には勝てない。

 

 

気づく力

 

商売は人によって売上も大きく違ってくる。何故マニュアルがあってもそれほど違ってくるのでしょうか?

ただ一生懸命仕事をしたから結果が付いてくるわけではない。そこには必ず「気づく力」が左右する。お客様を思いやる気持ちがどれだけあるかによる。

飲食店でただ料理を出すのではなくちょっとした気遣い、お客様によって違う気遣い場面・場面での気付く力があるかないかで大きく違ってくる。

その日頃のお客様への気づく力が強い店程今回のコロナによる影響が少ないように思う。

インバウンドのお客様に頼り観光客のお客様に頼り流れ作業的にお客様を扱ってきた店は
全くお客様が戻ってこない。

地元のお客様を大事にして地元に愛されている店は揺るぎないものがある。

旅館業でも一緒で地産地消とかいうが、これは旅行者をターゲットにしているからだ。

地元に人にしたら日頃食べられないものを食べてみたいわけです。いつでも手に入るものをわざわざお金を出して食べようとは思わない。

その気づきがあると何を提供すればいいかが分かってくるはずです。

京都は観光客とインバウンドで大きく稼いだ街です。ところがコロナで姿を消して人が居なくなった。しかし、地元を大切に地元に愛されている気づく力のある店は今でも繁盛している。

こういう店は強い。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

 

 

 

三條慶八の本