コラム

マネは滅びる:メルマガ5月10日号

マネは滅びる

 

市場調査を行って専門業者にプランを作らせて事業を行うやり方は理にかなっていない。何故なら過去のデータを基に無難な案を提案するわけです。

日本はこれが儲かると思うと猫も杓子もマネをして同じ事をやろうとする。

全国の行政が企業の工場誘致で工場団地を開発して今ではサビれたところも多い。

物流拠点になるところいいが、少子高齢化でパイが縮む中借入を増やして設備投資をする会社は少なくなっている。それなら海外に工場を作り海外で売ることを考えた方が
将来性はあると考えるのは当然である。

相続税対策だと言ってアパート建設がブームとなった。同じ間取りで同じ値段でどんどん数が増えていく。そんなに入居者がいるわけがない。結局行き過ぎた投資をして回収できずに苦しんでいる。

経営者が自分の目で見て自分の裁量でどうすべきかを考えず専門家のプランを鵜呑みにして安易に投資したからダメになる。

不動産賃貸業で成功したが、私は基本的な考えがあった。

大手が参入して来ない域で勝負する。競合他社にも勝てるプランにする。リスクヘッジのために絶対に一棟貸しはしない。

目先の利回りより例え初期投資が増えても競争力が高くなるならそのようなプランを立て実行した。

こんないい場所なのに何故こんな建て方をしたのか疑問に思う物件は沢山あります。結果的に入居率が悪くなっている。
人のマネでは滅びるのです。

 

 

わからせるとやらせる

 

戦後の貧しい日本で育った経営者はよく勘違いする。

仕事をとにかくやらせるという発想の時代もあった。それはまだ貧しい日本の時代であった。不条理なこともお金のために我慢していた。

成熟した日本では訳わからずとにかく仕事をさせることなど出来ない時代になった。

仕事はやらせるのではなく、分からせることが大切である。

今している仕事が何のためにしている仕事か理解を深めないとその仕事の大切さが分からない。

ある工場で金属加工をしているがその加工製品はいったい何に使うものですかと聞いてもわからないと言われた。そうするとただ作るだけでその職人が何に作るか分かっていればもっといいものが出来る可能性もあるわけです。

その仕事はどういう理由でしているのかしかもお客様の目線で考えてどうなのかを常に意識を持たせる。

そういう仕事の取り組み方を常にしている会社は従業員の意識が高い。

 

 

加点主義

 

人事評価をどうすればいいかと良く聞かれることがあるが、完璧な考課制度などない。

人を公平に評価するなんてなかなか出来るものではない。その人の上司・部署・時期などで業績も変わってくるわけです。何を見て評価するかによります。

その人の持っている素晴らしい才能は何かを見つけ出し伸ばして評価することが大切だと考える。

顧問先の厳しい社長ですが会社のすべての責任は自分にあると自覚しており、社員には優しい。絶対に社員を人前では怒らない。こっそりと注意はすることはある。この会社の人事考課は加点主義でマイナスはない。だから失敗を恐れず社員が前向きに仕事をしている。売掛金の回収が出来ない新規取引先を抱えてしまった。その時も担当社員を責めずに何故そのようなことが起こったかを検証して未然に防ぐ対策を徹底させることにした。

失敗が次につながる様に指導していくのが経営者の務めである。

責めると前向きな仕事もしなくなり失敗を隠す社内体質になっていく。

 

 

固定費を下げる

 

コロナによって売上が下がりコロナ前の7割8割しか戻らず赤字が続いている企業もある。

この先コロナが終息したら売上がもどる確信がないと倒産の危機を迎えてしまう。

コロナ融資のお陰で何とか資金繰りが出来ている。そんな会社は非常に多い。

返済猶予期間があるから赤字でも何とか凌いでいけるので危機感が薄れているところもある。

銀行員と話をしていると今回のコロナ融資は恐らく返済できなくなり企業が多く出るだろうと言っている。

折角100年に1度の金融緩和で想定外の融資をして貰った資金を赤字のためにドブに捨てる行為になってしまうと最悪の結果である。

前向きに資金に変えないと企業として先はなくなる。その為には今の売上で黒字化を図るために何を畳んで、何を削って、何を変えるかです。

固定費をまず下げないといけないが、仕事のやり方をすべて見直して無駄な行為・無駄な書類・無駄な外注・無駄な仕入れ・無駄な広告・無駄な営業・無駄な在庫・無駄な人材・無駄な仕事のやり方などを徹底的にカットする必要がある。

過去の成功体験からこうしなければいけないという固定概念を捨てることです。

一から見直した会社は販管費が4割下がった会社もある。

やる気・勇気・本気が大切です。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

 

 

 

三條慶八の本