コラム

迷う経営:メルマガ2月8日号

迷う経営

 

コロナ禍で赤字に転落し、今までのビジネスモデルが通用しなくなった企業も多い。

そのような経営者は本当に苦しんでいる。

今の商売の限界を感じていたが、まだ何とか大丈夫だろうと油断をして経営していた。ところがコロナによって時代の流れが急に早くなって自社のビジネスモデルの陳腐化が加速してしまった。

迷う社長は幹部とどうすればいいかと議論するが答えは出てこない。逆に迷う社長に幹部や社員が不安を抱いて離れていく。逆効果になっていることも有る。

中小企業の場合には社長の色で会社の成長が決まる。社長が迷いを社員などに見せたら不安が蔓延するだけ。

常に社長は安心できる道先案内人でなくてはいけない。

会社の5年先・10年先そして、将来の青写真を描き明確なビジョンを示さないといけない。

コロナ危機のような将来が不安な状況では、社長の統率力が鍵を握る。

誰も経験したことないことを社員にどうすればいいのかと質問しても責任ある回答は出来ない。何故なら社運の判断は出来ない。それは社長しかできないからだ。

社長は不安でしょうがないはず。しかし、不安を社内で蔓延させてはマイナスしかない。
自信をもって導く心意気が必要だ。

社長の迷いこそ会社を空中分解してしまう。このような時こそ自信をもって道先案内人にならなければならない。

経営に迷いは禁物である。

 

 

生き抜く中小企業

 

緊急事態宣言によって企業活動がまた停滞している。少し上向き加減のところに水を差してしまった。

工場の稼働も激減している。大手が投資を抑えているから受注が減って赤字になっている。職人を置いているから業績が回復した時に仕事がさばけなくなりリストラも出来ずにいる会社も非常に多い。

少ない仕事の取り合いになり価格競争が激しくなり粗利益が少なくなっている。状況が日増しに悪くなっている。

この中で経営者としてどう生き抜くかを考えていないと企業の先はありません。

今までと同じ事をやっていると競争相手も増えて価格競争に巻き込まれ仕事の受注も減ってしまう。

競争相手の無い領域で他社では出来ないものを提供できないと指名の仕事がなく粗利を確保できない。

コロナ禍の間に自社を見つめ直し何で生き抜くかを真剣に考えないと先はない。

生き抜く中小企業は特色が無いと難しいので得意技が無いといけない。その得意技を見出し磨きを掛けていく必要がある。

このコロナ危機を乗り越えるために今までのビジネスモデルではなく生き抜けるビジネスモデルの構築がとても大切になってくる。それを探し出して自社の強みにしないと恐らくコロナが終息後には競争力が無くなり会社の存在意義がなくなる。

時代の流れが速いのでビジネスモデルの寿命も3年だと考えて先さきに次の一手を講じておかないとまた事業が息詰まる。経営に休息はない。

 

 

遅れた企業改革

 

スーツの青山商事が大リストラを断行する。

2005年のクールビズからスーツ離れは起こっていた。
青山が提供していた2万5000円前後のスーツも割安感が無くなってきた。

ワークマンでは機能性スーツを4800円で提供している。

コロナの影響でスーツ市場が1年で10年分縮んでしまった。想定外の減少に対応が追いついていけなかった。テレワークが行われ会社に行かずに済んだ。スーツを着る機会が激減してしまった。カジュアル化が進みスーツ離れに拍車がかかった。青山は2割に当たる160店舗を閉鎖して残る700店舗のうち6割は売り場を半分にしてスペースを貸す賃貸業に転換する。

スーツの競合店が現れ収益が落ち込み売上も落ちていたが、スーツで稼いでいた青山のスタイルから脱皮できずにいた。

まだ大丈夫だろうという甘えがあった。遅れた企業改革が招いた結果でもある。

将来今の事業は衰退するだろうと予測はしていたがまだ大丈夫だと言い聞かせ変革断行を遅らせてきた多くの企業はコロナ禍で苦しんでいる。

もう、待ったなしの時期が来た。今やらないと会社は消滅する。
スピード感が無いと命取りになる。

 

 

変化に気づける社長

 

コロナ禍で大変な思いをして商売をされているのが社長です。悩みは尽きないと思います。

余りにも不安が多くて何から手を付けたらいいか分からなくなっている経営者もいらっしゃいます。

会社の今の姿をどこまで正確にしているかとても大切なことです。

それぞれの部署やポジションが組織的に動いているから凝視しなくても流れ作業のように業務は進んでいきます。そこに今までと違う変化や数字の異常値が発生していないか見抜いているのでしょうか。多くの会社は気付いていたとしてもスルーして見逃している。

コロナ禍では具合の悪い事が発生していないのでしょうか思いもよらない数字の異常値が発生していないのでしょうかそこを突き詰めて改善していかないと何が会社で起こっているか
全く分からなくなる。その為には風通しの良い企業でないと真実が表面化しない。分かっていてもややこしくて報告しない。目配り気配りのある会社は必ず発展していく。
会社の企業文化というのはそういう意味でとても大切である。

少しの変化でも逃さない目を持った企業だけがこのコロナ危機からの脱却が出来る。

 

 

3人組織論

 

中小企業は人材がいないとボヤいている社長も多い。そんなことを言っても今ある人材を有効に活用し最大限の力を出し切っていない。そのような勿体ない企業が多い。

60%の力しか出ていないのかそれとも120%の力を出してくれているのかで大きく結果は違ってくる。

顧問先で試行錯誤しながら今では十二分の力を出して業績も急上昇の会社もある。それもほとんどがパートで工場を回している。社員以上に活躍してくれて社長は非常に顔色も良くなった。数年前はチームを編成してそのチームを管理する人間を設け所謂普通の組織体系で仕事をして貰っていた。ところが全く上手く行かず生産性も向上することもなかった

チーム長が当初は10人~20人の人を見ていたがどうにも人の管理が上手く行かない。コミュニケーション不足も生じ、仕事が円滑に進まなかった。そのチームを徐々に小さくしていった。すると3人編成にすると長は人の管理もフォローも出来生産性も急上昇していった。

人は3人までしか目配り気配り出来ないとの結論に達した。

この方法を他社でも応用すると上手く行くことが多い。

チームは3人編成にし、その上の長を管理するのも3人までとした。そんな組織を積み上げていくと非常に風通しが良い生産性がいい状態になった。

人が隅から隅まで見渡せるのは3人までというのは論理的に間違いではないようだ。
是非、試してみる価値はあると思う。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

 

三條慶八の本