コラム
再生を阻む金融機関:メルマガ2月1日号
◆再生を阻む金融機関◆
コロナ禍で多くの企業が苦しんでいる。そして、何とかこのコロナ危機を乗り越えて新たなスタートを切ろうと頑張っている。しかしながらコロナによって再起が難しい企業もこれから多く出てくるはずです。
地域の発展と雇用の維持のために将来性のある企業は再生を図るべきである。
今まで多くの事例を見ると、再生支援協議会案件で再生を図ろうとすると問題が生じる。全行一致が原則となり上手く進まない。
銀行の体力にも大きく差があり一律カットとはいかない。
折角利益を出し将来に明るい展望がある企業を無駄死にさせてしまうこともある。
日本経済にとってとんでもない話である。
銀行は企業再生より自行の立場優先である。
ある企業は先代の乱脈経営で債務が大きくなり期限の利益を喪失していた。借入を一切できずにいたが、何年も利益を出してお金を回してきた。多額の負債を全額返済しない限り銀行借入できないのにある意味企業にとって前向きな返済ではない。正常債権でもないので融資を受けられず高利の運転資金を調達して事業を継続してきた。限界がある経営である。
支援協議会案件で債務処理を進めていくとある信金以外は保証協会も含めてすべてOKとなった。その信金の考えは、利益が出ているなら返済をし続けてもらうという回収一本の考えです。
信金がモタモタしている間に他行がしびれを切らして仮差押えをしてくる場面もある。その企業の再生や地域の雇用の安定など考えずただ自分のところの信金の都合だけで全く協力しない考えである。
建前だけの再生スキームばかり政府が考えるから変化球が来た時の対応が出来ないのが現状である。
もっと実になる制度を真剣に考えて欲しいものです。取り敢えず制度を作りましたと体裁を繕った制度としか思えない。
このような現状を見ても日本は金融で後進国である。
リセットをして前進させて日本経済のためにどうあるべきかでなく金融機関の都合優先した制度がある。
日本の中小企業の将来を見据えた制度ではない。
中小企業が日本の生産性を低くしていると言われていますが、このリセットしてスタートさせない金融制度にも大きな問題がある。だから、頼らない再生方法で中小企業は生き抜く方法を模索する必要がある。
◆勇気でコロナ危機を突破◆
新型コロナの猛威は収まる気配がありません。経営者の皆さんは、先行きが見えず困惑されている筈です。経営者にとって先が見えないほど苦しいものはない。
いくらコロナ融資を受けても結局は返済しなければならない借金でしかない。
昨年の緊急事態宣言からずっと赤字が続いている企業も結構あります。
このままの状態が続くと会社の体力も弱り倒産状態に近づいてしまう。
今こそ、中小企業経営者は『勇気』がとても大切で決断力が問われる。
中小企業は売り上げを追う時代はもう終わった。利益を追求することを第一に考えるべきです。
店を閉める『勇気』事業を撤退する『勇気』人を削る『勇気』チャレンジする『勇気』多くの中小企業経営者は今まで拡大してきた会社を縮小するのにすごく抵抗を感じるものです。『勇気』ある決断が求められる。それが出来ない経営者にチャレンジする資格も無くなる。
リセットというのはまず『ゼロ』に戻すことです。つまり赤字ならトントンに戻す。それからのチャレンジになります。前向きなチャレンジをしたいならリセットする勇気がないと先はないはずです。
商売をする上で赤字ほど罪深いものはない。赤字というのはお金をドブに捨てているのと一緒の行為である。
コロナ危機をピンチにしてしまうかチャンスに変えることが出来るかは社長の勇気ある決断と行動が大きく左右する。
◆間借りレストラン◆
飲食店の休日や空き時間に間借りレストランをオープンする人が増えている。
コロナによって独立したいが資金が無い働いていた店が閉店したなどが増えている。
趣味が講じて間借りレストランを始めた人も多い。
働き方も変わってきましたが、店を運営する方法も変わってきている。
柔軟な発想がないと生きていけない時代になった。
飯田橋で間借りカレー「極哩」は1皿2500円のカレーを提供しているが全国からカレー好きがやってきている。店のオーナーチェンジで閉店になって困っていたところ吉野家の傘下で間借りレストランを仲介するシェアレストランの紹介で店主は始めた。
青山に@KitchenAOYAMAでは様々な業種のシェフが腕を振るっている。飲食店支援のワールドがプロデュースしている。
シェアオフィス・シェアハウスなどからシェアという領域が広がり様々な職種に応用されだした。
時代の変化にどう適応するかが鍵となってきた。身の丈に合った商売のやり方が出来る時代になってきた。
インターンネットが普及し情報力も商売を成功させる鍵となっている。
◆他の追随を許さない◆
コロナ禍でお菓子業界も厳しい状況におかれている。町のお菓子屋さんも潰れたりしている。お菓子の中でバームクーヘンは非常にポピュラーな商品になった。私たち以上の世代は、バームクーヘンと言えば、『ユーハイム』(神戸本社)だと認識している。ドイツ菓子のバームクーヘンは、ユーハイムが日本で初めて作り100年以上になっている。日本でバームクーヘンを広めたのはユーハイムである。
神戸生まれ神戸育ちの私にとっては子供のころから食べてきた忘れられない味である。食べるとホッとする。
今では数百種類のバームクーヘンが世の中で売られている。
普通なら他社でバームクーヘンを売られると困ると思うのが普通だがユーハイムの河本社長はバームクーヘン博覧会を主催してバームクーヘンを広める活動をしている。
そこには他社が追随できない強みを持っているから出来るのである。
ユーハイムは純正自然にこだわり数字の効率化より味の効率化にこだわっている。職人を育て工場ではほぼ手作業で職人がお菓子を作っている。工場内の職人の数は他社を圧倒している。それ程職人技を大切にしている。
毎年ヨーロッパに職人を2年間修業に送り込み100名以上がいる。その技術力があるので、ヨーロッパの有名なお菓子が日本に進出する時には必ずユーハイムに委託生産の依頼が来る。他社では作れないからだ。フィリップコンティチーニやパリの巨匠タルトタタン・ダマイナー・ミシャラクなど数多くの商品を完璧に作っている。その技術力の高さには海外の有名な菓子職人達は、驚かれるようです。
だからこそどう足掻いても他社はマネ出来ない。ユーハイムしか委託生産出来ない。
これこそ中小企業が目指すところである。他社がマネが出来ない領域を作ることが生き抜く力になる。
◆デジタルトランスフォーメーション◆
最近DXという言葉を聞きます。デジタルトランスフォーメーションの略ですが、中小企業にとってのDXは、少し感覚が違うように思います。高度な情報システムを導入して専門家がデータを分析するのは大企業のやり方である。中小企業はそのような膨大な資金と人材を投入できない。
大切なことは数字の深堀りである。
エクセルを駆使して知りたい数字を統計化して数字の深堀をすることがとても大切である。
特に中小企業の場合には、表面的な数字だけを列記している場合が多い。
単に売上だけの比較を出している場合がある。その売上の中身を深堀していない。
売上の中身にどのような傾向があるのかを分析する必要がある。
今までの勘や予測だけで物事を判断していくのは今の時代には即していない。
それは昭和や平成のやり方だ。
そこには現場の声が大切になってくる。エクセルで深堀した数字を基に現場に追求するこが
真実の数字が見えてくるのだ。
いくらDXと言ってもその会社の規模や業種によって捉え方や使い方が違ってくる。
大企業と同じようにすべてすることが正しいとは全く思えない。
分析して次に活かせなければただの数字を並べた統計でしかない。
DXを自社にどう取り入れて分析して活かすかそこが重要になってくる。
株式会社 Jライフサポート 三條慶八