コラム

過去を引きずるな:メルマガ1月18日号

過去を引きずるな

 

このコロナ禍で業績が悪化している企業の多くが過去を引きずっている。

新型コロナ前と同じようなやり方で乗り越えようとする経営者が多い。

経営者の成功体験は経営者のモチベーションアップにつながるから過去に成功したやり方を踏襲しようとする。それを否定すると今までのすべてを否定されている様に思ってしまうから変化を嫌う傾向がある。

私自身も阪神淡路大震災で負債を140億抱えてしまったとき今までと同じ体制を維持し、それまでと同じようにしようとしていたら100%破産していた。

飲食店はすべて閉鎖してビルもすべて売却しても構わない。再起できるお金だけは残そうとそれだけは自分に誓って命を懸けて取り組んだ。

何故、自分が育てた飲食店を閉鎖するのかやっと手に入れてビルを何故、手放すのかなど父親とかなりやり合った。銀行は助けてくれるだろうと甘い考えは捨てた方がいいと父親にずっと訴えました。弁護士に相談してもすべての弁護士から破産を進められました。でも1%の望みがあるなら絶対にやるんだと覚悟を決めて仕事をしていた。殺気立った私誰も寄り付かなくなりました。

経営者には『勇気ある決断』がとても大切です。それが出来ずに中途半端な気持ちで取り組んでいると絶対に成功しない。

飲食店はすべてなくなりましたが、殆どのビルを残すことが奇跡的成功しました。

その苦労話をすると1か月はかかりそうなぐらい色々ありすぎました。

会社を再生させようと思うと絶対に過去を引きずっていては100%成功しない。

このコロナ危機を乗り越えるには相当な覚悟と勇気ある決断力がとても重要になってきます。それが出来るかが勝負です。

再生は時間との戦いなのです。
銀行がアクションを起こす前に動かないと先はない。
銀行に追い込まれたら真の再生は出来ない。

 

 

中小企業の成長戦略

 

政府の中小企業政策の焦点は、生産性の向上である。

菅総理のブレーンである小西美術工芸社のデービット・アトキンソン社長の唱える日本の生産性の低さは中小企業が原因であると言っている。改善するためには中小企業も規模が必要で成長促進の政策に切り替えるべきだと言っている。

大企業に比べて就業者1人あたりのGDPは大企業の半分以下であるから言っていることも事実でもある。そこには収益の低さが根底にある。粗利を上げて収益を上げるビジネスに転換する必要がある。業態変換や事業の再編などを後押しする補助金制度を乱発してくるでしょう。

上手く利用して事業規模を拡大して更なる新たなチャレンジが出来るチャンスが訪れるはずです。

反対に追い詰められる中小企業もたくさん出てくるでしょう。その時にどう立ち振る舞うかそして、どういう準備をしておくかがとても大切になってくる。

10年後に無くなる企業になるか発展していける企業になるか瀬戸際のこの3年だと言える。

 

 

コロナ危機を乗り越える生産性向上

 

コロナ禍で競争力のある企業と競争力が無い企業と大きく分かれてしまった。

競争力の無い企業の多くは下請けや卸しをして顧客に食い込む力が喪失してしまっているからだ。それは特定の顧客だけと取引を継続してきたツケである。受け身で仕事をしていると仕事が標準化出来ておらず、仕事をくれる企業頼りになってしまう。

中小企業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでおらず、雇用の維持ばかり考えている。DXで生まれた余剰人員を販路や営業開拓に振り分けていない。だから顧客に食い込めない。

見積もり1つとっても昔ながらの見積もり方法を継承している所が多い。見積もりもデータ化して標準化すれば自社の改善策も見えてくる。

AIも取り入れていない中小企業も非常に多い。AIを駆使して安く、迅速に、効率よく作業が出来るようになるはずである。

せっかくのコロナ関連融資を将来のための投資に使わず、赤字の垂れ流しになるようでは会社の将来はない。

AIがすべてではない。過去の延長線上の作業でしかない。
人間はそれを利用してデータの無い付加価値のある新たなチャレンジを探求するのが役割である。

 

 

ラーメン苦境時代

 

過去最大のペースでラーメン店が倒産している。ここ10年の間にラーメン店は全国的に増加していた。それだけ国民からラーメンが指示され流行っていたわけです。

ところがこのコロナ禍で来店客が減り潰れていく店が激増している。そのような中前年対比100%前後という好業績を上げているチェーン店も存在する。

その一つは町田商店などを経営する横浜系ラーメンチェーンである。9月~11月の売上が前年対比95~98%と健闘している。

もう一つは独自の集客力を誇る北関東や北海道の国道沿いに展開する丸千代山岡家は前年対比100~105%である。

他の大手はハイデン日高が81~87%一風堂は69~76%と軒並み激減している。

町田商店はいち早く宅配に力を注ぎ住宅地やロードサイド立地の店舗が比較的に多かったのも功を奏した。売上の10%以上を宅配で稼いでいる。ギフトにも力を入れてラーメン業界では先行していろいろな手を打っている。

動きがはやい店は回復力も早いのは、どの業種でも一緒ですね。

丸千代山岡家は長距離トラック運転手に絶大なる支持を得ている。24時間で大型トラックは10台以上停められる駐車場もあり、シャワー室も併設している店舗もある夜間の仕事の警察官や医療従事者からも絶大なる支持を受けている。

やはり商売というのは特色特徴が無いと生き残れない。
更に絶大なる支持を受けないと長く存続できないのは確かな事実である。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

 

 

 

三條慶八の本