コラム

ゾンビ企業退治の復活:メルマガ12月21日号

ゾンビ企業退治の復活

 

そろそろ「じゃぶじゃぶ」の点検時期がやって来そうです。「じゃぶじゃぶ」というのは、新型コロナに打撃を受けた企業への資金繰り支援融資のことです。

100年に1度の金融緩和策でとんでもない資金が企業にばら撒かれた。本来なら廃業している企業や倒産している企業が非効率のまま生き延びている。

政府は生産性が低い国から脱却したいと考えている。何とかその解決を図りたいと願っている。

いつゾンビ退治にかかろうかとコロナ禍で思案している。恐らくワクチンが出回り、衆議院選挙で自民党が勝てばコロナ退治に動くに違いない。

今は金融政策決定会合でコロナ対応の資金繰り支援策は継続されるだろうが、以前ほど簡単に借りられなくなってきている。

中小企業の中でもコロナ融資を受けられなかった企業がファクタリングに手を出して資金繰りをしている現状もある。

段々と中小企業の財務状況も悪化している。経営者のかじ取りが非常に難しい。

リスクヘッジを視野に入れてどう生き抜いていくかを模索しておく必要がある。

 

 

人を育てる極意

 

中小企業経営者が人が育たないとよく嘆いています。

人は教えても育たないものです。その本人がやる気がないと吸収もしません。

やる気があるから育つものではありません。

人材を育てることは企業にとって大切なことです。

その為に一番重要なことは失敗させることです。『やりたいことをやらせてみる』そこからのスタートだと思います。

失敗すればその後どうするかを見ておけばいい。成功しても、失敗しても本人に何か気づきが有る筈です。そうすれば次の行動が変わってきます。その経験で何が変わったかをしっかり見ておく必要がある。成長の過程をチェックできる。失敗させることに
否定的な社長も居ます。そのような社長にいつも言うのは会社で一番失敗してきた人は誰ですか?と聞きます。絶対にその答えは、【社長】なのです。社長が一番の失敗経験者です。

育てるということは、失敗経験を多く積ませる社長の度量があるかどうかです。

会社というのは社長より素晴らしい人材は来ないものである。
社長と同程度の人材なら独立して社長をしている。

社長がやってほしい事の1割をしてくれたなら有難いと思える度量がないと人は成長しない。
初めから完璧な人材なんて存在しないのだから。

 

 

経営資源を活かす

 

衣料業界はコロナによって大打撃を受けました。老舗のレナウンも倒産してしまった。

アメリカではブルックスブラザーズが破綻してしまった。

コロナによって春夏物は全く売れずに在庫の山になったと聞いています。その反動で秋冬物の在庫を押さえてしまったので、売れるものがなくて売上が上がらないという苦情も現場では起こっているらしい。

少し人が戻りかけた時に第3波が来てコロナ感染者が増大してしまったので、困り果てているのが現状です。

セレクトショップのビームス(渋谷)は今まで社内で培ってきた経営資源を活かし新たな分野に進出している。今まではファッションを売ることに徹していたが、そのセンスを活かしてプロデュース業を始めた。

私の持論ですが世の中で一番収益のいい商売は、プロデュース業だと思っている。

AKBでもメンバーは、朝から晩まで働いて必死に365日活動している。一番の収益を稼いでいるのはプロデュース業の秋元氏である。

ビームスは他社のイベントや商品販促などの施策を立案して販売や知名度の向上につなげている。ビームスビジネスプロデュースを自社のホームページ上に開設している。そのセンスに惹かれて企業や自治体からのオファーが絶えないようだ。新宿ゴールデン街とビームスがコラボして商店街の活性化にも挑戦している。

今までのように実店舗にこだわらない取り組みをコロナによって発案された。ビームスは進化を遂げている。数年後には、セレクトショップのビームスではなくなっているような気がする。

ピンチをチャンスに変えて飛躍を遂げている。
これこそがコロナ禍での中小企業がすべきことである。

 

 

利益の出ない商売は意味がない

 

会社で一番大切なことは社員が一生懸命頑張ればキチンと利益の出る商売かどうかである。

社員が頑張っているのに一向に利益が上がらない中小企業も非常に多い。

利益が上がらないから昇給も賞与もなしで待遇改善も出来ない。

明るい展望が見えないと夢も希望もなく離職者も多くなる。

社員のモチベーションはいつの間にか下がってしまう。

つまり社長が経営戦略を間違っているからである。

商売はボランティアでない。適正な利益を生まないと事業継続できない。

商売は一時的に儲けても継続的に儲けるのは非常に難しい。

頑張っているのに利益の出ない企業も多い。社長が道先案内人なのに社員を間違った方向に導いてしまっている。

それなのに社員が悪いとボヤいている社長はとても無責任で最悪だ。

将来のビジョンが見えない中家族を養う生活のために我慢して働いている社員も多い。

会社は利益出るのが一番の良薬である。

利益を生むことで社員の士気も上がり会社の待遇改善も出来社長自身が余裕をもって将来を見据えた判断と行動が出来る。

利益が出ないと資金繰りも苦しくなり社長は事業のことより資金繰りに頭が一杯になりいい案も浮かばなくなる。

利益が出ない商売は意味がない。
利益を出す事業に転換することが社長の大きな責務である。

コロナ禍だからこそ利益を生む体質改善を図ることが唯一の生き残り策である。

 

 

年末年始の挨拶で銀行の本音を探る

 

年末年始の銀行の対応で自社の評価が分かります。

年末は銀行が挨拶にお見えになる。コロナ禍で控えている銀行もありますが、全く無いわけでない。コロナ禍ですから電話で終わらすことも有ります。特に大切に思っている取引先には役員クラスが挨拶にお見えになる。誰も来ないとなると重要視されていない。せめて支店長が挨拶に来て欲しい。担当者だけでは弱い。

年始になると支店に赴き新年のあいさつに伺うのをお薦めします。コロナ禍ですから来ないでくださいと言われる銀行もあるでしょう。出来るなら行っておくべきでしょう。取引銀行すべて回って肌でどう思われているか感じて欲しい。奥の部屋に通してくれれば大切に思ってくれている。入り口での挨拶だけなら軽く見られている。

優良な大切なお客様かそうでないのかは銀行ははっきり態度を区別しております。

以上のように銀行もお客様を選ぶのですがこちらも銀行を選ばないといけない。やはり大切に思ってくれている銀行と付き合う方が得策です。それを見分けるいいチャンスでもあります。

今後金融再編が必ず起こる。今取引している銀行がいつまでもあるとは限らない。他の銀行を選択することも視野に入れておくべきです。

どこと付き合えばいいのか熟慮して選択してほしい。その為にも取引銀行の動向も良く知っておくべきです。

その為にも担当者や支店長と日頃からコミュニケーションをとり情報取集をしておいて欲しい。

今年一年はコロナで始まりコロナで終わる年になりました。コロナ融資で何とか持ち堪えている。来年からは倒産増えて来る筈です。更に厳しい経済情勢になるでしょう。

コンテナ輸送会社の情報では日本国内はまだマシですが欧米などはひどい状況だと言っている。

以前は貨物船は一杯荷物を積んで来ていたが今ではガラガラ状態でくる。しかも、便数は激減している。世界経済はまだまだ不透明で確実に回復する兆しがない。

不透明な時代だからこそ経営者の判断が明暗を分ける。是非、年末年始に来年からの会社の未来図を描いてほしい。

来年はコロナ危機を乗り越えて素晴らしい一年にしたいものです。

一年間お世話になりました。

来年は1月18日からメルマは配信します。
良いお年をお迎えください。
ありがとうございました。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

 

三條慶八の本