コラム

コロナ禍の飲食業界:11月9日号

コロナ禍の飲食業界

 

新型コロナ以前は、年末年始には多くの人が集い楽しく会話し鍋をみんなで囲み忘年会や新年会を開催していた。

ところがコロナ禍ではなかなかそうはいかない。新型コロナの影響で大打撃を受けた外食産業では一人客に的を絞った業態開発を急いでいる。

大手居酒屋のモンテローザでは複数人数の食べ放題プランを1人から利用できるようにした。また一人で食べられるしゃぶしゃぶ専門店を展開した。

しゃぶしゃぶの松五郎では30席のカウンターだけの1人用専門店のお店を開店した。

1人で焼き肉が食べられる焼肉ライクも時代にマッチしかなりの勢いで店舗展開している。

外食産業が低迷続く中少人数ほど来店の回復が早いことをデータから読み取れる。

5~6人は前年対比60~70%減だが1~2人では前年対比20~25%ダウンで収まっている。

おせち料理でも1人用のおせち料理が人気で家族同士でも別々のおせちをそれぞれで楽しむ。

コロナによってお客様がどのようなものを好まれるのかを分析して商品化やサービスを提供しないとお客様は逃げてしまう。

もう頭を切り替えないといけない。

コロナ前のスタイルではもう戦えないということを知っておく必要がある。

 

 

前例に縛られない経営

 

コロナ禍で中小企業は想定の減収になっている。恐らく前年対比7割が普通になっている。
売上の3割減になると倒産する危険度が高まると昔によく言われた。

もしコロナ融資が無ければ考えられないほどの倒産件数になっていただろう。

これから10年で起こりそうなことがコロナによって1年で急に襲ってきた。それ程経済が激変してしまった。特にIT化が進んでいっているので、多くの中小企業が対応しきれていない。

売上が回復しない。赤字体質から脱却できない。四面楚歌状態でどうしていいかわからないで苦しんでいる中小企業経営者も多い。

今までの前例をすべて捨て去りゼロベースで物事を考えないと生き残れない時代になってしまった。

まずは社内の生産性を上げ効率化を図らないと会社の将来はないはずだ。
無駄・無用・無能は排除しないと会社の将来はない。

会社にとっていいと思うことはとにかくすぐにやってみる柔軟さと行動力が大切である。

代々受け継がれてきた経営理念も変えていく必要もある。
受け継いできた伝統ある経営理念が会社の構造改革を阻害しているかもしれない。
この危機迫る時代に保守的な発想の経営者は生き残れない。

 

 

今こそ未来予想図

 

恐らく今まで企業が描いていた未来図がぶち壊しになった筈である。

ここまで世界的な経済活動が停滞してしまったことはない。いくら世界大戦と言っても限定的なものであった。

昨年まで描いていた会社の3年先・5年先・10年先が全く実現不可能になった企業が殆どではないだろうか。

目の前の対処に追われ将来を見据えたことが出来ていない経営者が多い。

今までの未来図では通用しない。社長というのは船を目的地に向かって進めていく責任ある船長の役割がある。それなのに当面の問題処理に追われているようでは社員は不安でたまらない。

会社を将来どこに向かわせるのかをハッキリしないと社長放棄である。

もう一度会社の未来図を描いて社員に目的地を示す必要がある。

 

 

出来ない理由が通る会社

 

コロナ禍で混沌とした中、経営者はもがき苦しみ会社の構造改革と新たなチャレンジをしている。

旧然たるやり方では売上減と赤字からの脱却は非常に難しい。

変わろうとしない,変わりたくない人間が社内で妨害をして前に進まない企業も多い。とても厄介な社内体質である。中間管理職以上の反対分子が反乱を冒している場合が殆どだ。

役所が一度決めたことをいくら時代にそぐわなくても絶対にやめないのと一緒で倒産にならないとわからない。

そんな時にどうすればいいかとよく聞かれることがある。古い考えの人間を降格し改革意欲のある若手を登用し人事異動をするしか会社の生きる道はない。

血を入れかねないとダメだ。今年の読売ジャイアンツの原監督の采配と同じだと思う。調子の悪いものはベテランであろうと外される。伸び盛りの若者がその地位を奪っていっている。
今年は大量の解雇者が出ると言われている。そんな緊張感が必要不可欠だ。それが出来るかどうかで社長の力量が試される。社長は時には冷酷でなくてはいけない。

社員は家族だ言って生ぬるい体質ではダメでメリハリが大切である。

改革こそ勇気ある決断が求められる。改革して失敗したらどうしようという不安が過るから決断できない社長が多い。

何もしないで死を待つなら前を向いて死した方がマシである。コロナ危機において迷っている時間など無いはず。

経営者次第で会社は息を吹きかえったり生き途絶えたりする。
決して社員次第ではない。

 

 

会社をフラット化させる

 

このコロナ禍で会社の構造改革をするにあたり停滞させているのが中間管理職である場合が多い。中小企業ではそれほど人材が豊富にいない。

つまりある程度中間管理職になると競争相手が居なくなり自分の地位が確立されている。中小企業のように競争相手がいない状況下では自分の地位にしがみ付き平穏無事に過ごそうと変革を望まない傾向がある。優秀な変革の望む若手が出てくると潰して自分の身を守る傾向がある。中間管理職が中小企業の構造改革と生産性向上を阻んでいる可能性が高い。

社内で競争意識があることが活性化の第一条件でもある。

プロ野球の世界でも同じでいつまでも同じレギュラーでは活性化しない。ところがどんどん若手が出てくればベテランもうかうかできないからきを緩めず努力をする。だから、全体的にレベルアップが図れる。

コロナ禍では組織の階層を極力減らしフラット化を図った方が効率よくスピーディーに
物事が進むはずだ。

 

株式会社 Jライフサポート 三條慶八

 

三條慶八の本